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866 甲標的関連の質問です。甲標的のイラスト等を見ると蓄電池室や発射管室が設けられていたようですが、これらの室内全てを人間が移動することはできるのですか?丁型ならできそうな気もしますが、甲型や海竜はとても無理だと思います。どうか教えて下さい。
吉野

  1.  甲標的甲型の略図では司令塔室前後の電池室の上に通路があり、前は発射管のすぐ後ろ、後ろはモーターのある部屋まで繋がっています。腹這いになっていけば主なところは行けると思います。あと、当然ながら各々の通路の前後には扉が付いてます。
    tomo

  2. 操縦室から魚雷発射管室と機関室へ移動できます。
    電池室の構造は、下部にトリミングタンクがあり、その上の両側へ電池が配置されています。電池室の前後には気密扉付きの隔壁もあり、電池室の中央が通路になっていたと思いますが、下をはって通ったか、電池の上に板をはって通ったか、どっちだったか思い出せない。
    しかし、中央の通路下には、鉛の移動バラストがあるのは確かです。
    GO

  3.  私の手持ちの本の簡略図には電池が通路の下、付属機器が上にあります。電池の上を這っていったと思います。
    tomo

  4. どうも、親切な回答ありがとうございます。甲標的に関する知識の豊富さに頭が下がります。ところで、みなさんはどうやってここまで調べているのですか。もし、甲標的に関する参考文献等がありましたら、教えていただきたいのですが。
    吉野

  5. 甲標的要目関係の資料で一般に入手できるものは、海軍造船技術概要とJAPANESE NAVAL VESSELS AT THE END OF WROLD WARIIの2冊でしょう。
    開発関係は栗原隆一著「甲標的」が大変詳しいのですが、現在絶版で古本で探すのもなかなかです。
    その他、特潜会の「写真集 嗚呼 特殊潜航艇」なのですが、これも絶版で古本もなかなかありません。

    公式資料は防衛庁戦史研究室のC特攻の引き出し内の海上特攻にかなりあります。甲標的第2次試作の要目や、シドニーの造船所でレストアされたとき作成された舷外側面図、上部平面図、内部側面図、内部平面図などお宝がありますので、防研へ行った際は根気よく探してください。

    蛟龍は、私が知っている限り200種程度図面が存在し、私は50枚程度入手済みです。海龍は10枚程度あり、5枚程度入手済みです。

    この他、呉潜水艦訓練教育隊資料館に特潜会が収集した資料全てが寄贈されています。また、山口県熊毛郡平生町阿多々半島歴史民俗資料館、回天資料展示室にも特潜、人間魚雷の資料がかなりの資料があります。

    私は現在、「日本海軍潜航艇史」と言う本を作っており、丁度今第3部特運を仕上げていますので、特潜に関してはちょっと頭の隅に行っています。
    今月から特潜を始める予定ですので、(震海、甲標的、蛟龍、海龍の順)甲標的を始めれば、もっと詳細なことを回答できると思います。
    GO

  6.  あ、図面を持ってらっしゃるのですか。私は丸や書籍などの二次資料、三次資料しかありません。

     そこで、858関連の便乗質問なのですが、発電器に繋いであるディーゼルエンジンは水上航行時、主機として使えたのでしょうか?ポルシェさんが大好きな形式も含めてです。図々しいお願いですが、気になって仕方がないもので。
    tomo

  7. 甲標的の発電機は、発電機としての機能しかなく、シャフトがスクリュープロペラに繋がってないんで、主機としては使えません。バッテリー室の後に発電機を搭載すれば、主機として使えたのですが、整備上も問題で無理だったんでしょう。
    海龍の発電機は、シャフトが連結されているので、主機として使えたと思います。
    GO

  8. ↑甲標的がディーゼルエレクトリック、蛟龍がディーゼル/電気推進切り替え式の可能性はないですか?
    大塚好古

  9. ディーゼルエレクトリックは海龍です。
    甲標的全型は、発電機で発電しながらモーターで推進するシステムで、スクリューシャフトは発電機に繋がっていないんですよ。後部バッテリー室の前に付けてしまったので、もしシャフトをつなげるとかなり長くなったでしょう。

    図面の件ですが、アメリカから返却時には、蛟龍、海龍、震海、回天二/四型、回天十型の図面があったのは判っているんですが、今はそのほとんどが行方不明です。
    土浦の技本にあったときに、元海軍技術士官連中がこれは我々のものだからと、おもしろい図面を持って帰って、それっきりとなっているそうです。名前は書きませんが、日本海軍艦艇研究家として有名な人達なので、何となく想像できると思います。この残りの一部が佐世保史料館にあります。

    あとあるとすると、蛟龍、海龍を作った造船所が隠し持っているものです。特に三菱と・・・・あともう1箇所(名前が判りませんが)各100枚程度持っているのが判っていますが、入手はできないでしょう。三菱神戸造船所に資料館があり、特潜会がここから蛟龍の図面を入手したそうです。(私はこれを借りてコピーしたのですが、ただし部分図ばかりです。)

    最後に可能性があるのが、呉海事博物館にいった福井資料の中にあるかも知れません。
    GO

  10. 防衛庁戦史研究室っていうのは、未成年でも入れるんですか?また、場所も教えてほしいのですが。
    吉野

  11. 防衛庁戦史研究室はJR山手線恵比寿駅で降りて(西口)徒歩10分ぐらいです。入るのは誰でも入れます。正門で必要事項を記入の上、図書館へ行き検索カードを検索するわけですが、始めての人は探すのにかなり苦労します。最初は誰か行ったことのある人と一緒に行くのがいいと思います。
    開館時間は平日の9:00〜16:30です。
    私は、3月に行く予定にしています。日程さえあえば一緒に行けますが、どうですか?
    GO


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