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1021 1012に関連して
いつもこのコーナーを楽しく見せていただいておりますが、今回初めて質問させていただきます。
アイオワの縦横比についてですが、「世界戦艦物語」のなかで108ft制限の為アイオワは理想的な船型をとることができず、前部をやせさせること(水線長をかせぐ?)ができず
速力発揮に不利であったという内容があったと記憶するのですが、実際、速力発揮のためにも不利だったのでしょうか。
一般的には縦横比の大きな方が高速に適すると思い込んでいたため疑問に感じていました。だとすると、260m強の水線長に対して、33kt以上を発揮する戦艦を艦幅制限を設けず
に設計を行う場合、どの程度の幅が戦艦として理想的(速力、防御力、攻撃力発揮の為)だったのかお教え下さい。
何卒よろしくお願い申し上げます。

まーだ

  1. 単に長細くすれば良い物ではないです
    極論するなら上から見て長方形になるような形にした場合
    長さ幅比がいくら大きくても速度発揮には不利ですよね

    アイオワの場合、船首から中央部にかけてのラインを滑らかに幅を増したかったのだと思いますが
    主砲塔の径が大きくて、第一砲塔の部分で充分な幅を確保しようとすると
    滑らかなラインを形成するのが難しくなったのでは無いでしょうか
    しかも、それでも第一砲塔部の幅の余裕が少ないと
    第一砲塔を連装にして8門にしたら問題は解決すると思いますが
    それで得られる速度の利益はたぶん1ノット無いでしょうし
    火力の低下と比較してどちらが良いのか判断に苦しむところです
    ましてや新たな砲塔の設計製造の問題もあります
    船首側の重量は大して減らないのに船首を痩せさせる事で浮力バランスは後部よりになり
    波切り性能は元々褒められないのにもっと悪くなると想像され、総合的にはマイナスですね

    では幅を増してラインを整えたら?
    防御と浮力には有利ですが、甲板面積の増大で防御重量も増えるので排水量が増加します
    幅の増加による長さ幅比の悪化はラインの整形で相殺できたとしても
    出力重量比の悪化の分速度は低下します

    個人的には、何をどうやっても大して変わらなかったと思いますし
    もっと根本的な部分から見直して設計すれば33mの幅でも大丈夫だったと思います

    SUDO

  2. 速力発揮には不利である。というのには大きな疑問を感じます。アイオワ級は
    33ktを出す計画でしたが実際には予想を超えてそれ以上の速力が出せました。
    それに模型等を作ってみると判ってもらえると思いますが、アイオワの艦首は
    やせるを通り越してくびれています。これは重量をかけずに水線長をかせぐための
    形状で、戦艦大和も同じ理由で採用しています。偶然でしょうか、両者の
    模型の船首部のカーブを比べてみるとほとんど同じ調子で曲がっています。艦幅に大きな差があった両艦が同じカーブを描いているのはおかしいかもしれませんが
    同じ効果をねらった、同じ船体の形状の工夫です。痩せさせる事は出来たんだと
    思います。260m強の全長の船体で、33kt以上を出せる戦艦というのは余り
    記憶がないのでどれくらいの幅になるかは想像するしかありませんが、
    機関が強力なアメリカ戦艦のアイオワでさえ36mを超えたら実現は不可能
    だと思います。機関の能力がアメリカより劣る日本で大型艦で唯一33kt超を
    実現したのは、257mx26mの翔鶴型位しかないので(空母ですいません)、
    比較的大馬力だった機関をそのままにこの船体を
    当時第一線級の兵装だった40cm連装砲を4基のせ、40cm砲程度に
    耐えられる装甲をほどこした重量にすると4万5000トン位になると
    思います。多分この時点で重量の増加に対し33kt以上を保持するため、
    艦幅を短縮し船体を細くすると、既に40cm砲塔は積む事はできないでしょう。
    36cm砲塔ならできるかもしれませんが、それは防御力を低くした
    巡洋戦艦と考えるべきでしょう。
    当時戦力になる武装とまっとうな防御を備える戦艦なら、アメリカなら艦幅は
    36mぐらい。日本なら不可能だと考えます。


    伊達邦彦

  3. ちょいと調べたのですが・・・
     型式        W/L   t/ps  速度(kt)
     アイオワ      7.95   4.9     33
     レキシントン(計画)8.10   5.1     33
     アラスカ      8.69   5.6     32?

     エセックス(SH) 8.87   5.6     33
     ヨークタウン    9.17   6.0     34

     シャルンホルスト  7.48   4.7     32
     フッド       8.17   3.6     32
     リシュリュー    7.13   4.4     32  

     翔鶴        9.41   5.5     34
     金剛        6.09   4.2     30

     つう感じです。(データはあんまり自信なし) 
     
     フネの寸法はごまかしが効かないのでいいとして、「速度」とか「排水量」は計り方とかで変わってくるので、まぁ目安程度にしかならないと思いますが。これ見ると、アイオワは不利、とも言えない気がする。これ以上の速力を望めそうに無い・・・逆に、アラスカなんかはもっと出てもいい感じもする、幅の制限が無いから設計上の自由はアイオワよりも大きそうだし。あと、エセックス型はSHとLHでどの位速度が違ったんだろう・・・

     聞くところによれば、アイオワ型は、34〜35kt出した事もあるそうなので、それ信じれば、なおさら「不利」とはいえない様な気もしますが、造船技術は全くの門外漢なんで・・・詳しい方にお任せします。
    tackow

  4.  1945年9月の米海軍の公式文書でアラスカは33kts発揮可能としてますな。
    これにはアイオワやエンタープライズは30ktsと書いてあります。興味深いですねぇ。
    大塚好古


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