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1048 アメリカの大和への対抗馬は、アイオワでは無くモンタナだと思うんですけどどうでしょうか。あと主砲を長砲身化して初速を上げると威力が増すといわれていますが、垂直及び水平でどのくらいの差が出るでしょうか。
名古屋市民

  1. 私もそう思います。
    主砲につきましては、魚雷はオトナになってから番外編2の
    抜粋になってしまうんですが、

    16インチ45口径
            対舷側    対甲板
    ゼロ距離    約610mm 約40mm
    約3万m    約295mm   約250mm

    16インチ50口径
            対舷側    対甲板
    ゼロ距離    約660mm 約35mm
    約3万m 約355mm 約200mm

    グラフから数値をナタで切り取ってきましたのでかなり大雑把ですが
    貫通力は上記のような傾向を示すようです。
    ”&”

  2. 追記。
    上の奴見辛くなっちゃってすんません。
    威力の差、というのは貫徹力の差だと解釈します。
    そうすると,傾向としましては,長砲身化するほど対舷側側の貫徹力は
    増加しますが,落下角度が小さくなるため対甲板への打撃能力が低下する
    ことになるようです。
    具体的な数値は,各国の砲それぞれが同一口径だったとしても,諸元が
    異なるため一概に比較はできないようです。
    ”&”

  3. 私信。
    SUDO様。いつも引用してばかりですみません。
    この場を借りて御礼申し上げます。
    ”&”

  4. >3
    うにゅ、お役に立てて何よりですm(__)m

    SUDO

  5. でもってですね、アレで出したグラフはですね
    任意の条件でのカタログ上の貫徹数値をベースに求めた(便宜上砲弾の性能とする)定数と
    カタログ上の距離別落角と残存速度から求めた計算上の数値です

    ですから「こんなもんだべ」って比較するには便利ですが
    カタログ数値に比較的近似になるようにはしていますが、カタログ値ではないし
    実際にどうなったかで言うならば、もっと信頼できない代物です(ぉぃ

    で、簡単に言うと
    砲身を伸ばした場合は、砲口エネルギーの増大に繋がります
    正確には装薬のエネルギーを砲弾に効率よく乗せられると言うべきでしょう

    例えば、英15インチ42口径砲はスーパーチャージで約220kgの装薬を使います
    これで、879kgの砲弾に749m/sを与える事が出来ます
    ちなみに、この装薬量はイタリアのヴィットリオ・ヴェネトの15インチ50口径とほぼ同じです
    ヴェネトの場合(実際には英と伊では計測条件が若干異なるのですが)885kgの砲弾に850m/sの初速を与えます
    砲口部でのエネルギー量で言うなら、約1.3倍、貫徹力で言うなら1.14倍になります
    これが実際には50口径を越えている長砲身とこの世代としては短い42口径の違いと言えます

    さて、もう一つ行きましょう
    フランスのリシュリュー級の38サンチ45口径は、最大で約280kgの装薬を使います
    これで884kgの砲弾に830m/sという速度を与えます、伊戦艦ヴェネトのそれに匹敵するような数値で
    伊の方が運動エネルギー量で1.05倍、砲弾性能が同等とした場合の貫徹力で1.02倍ですが、事実上同等と言って良いでしょう
    つまり、45口径でも50口径並の威力を発揮する事は可能なのです
    仏艦が伊艦の3割も多い装薬を使ってるという事実に注意してください

    徹甲弾と砲は、装薬のエネルギーを間接的に敵艦に到達させるための手段です
    極論するなら、装薬の持つ潜在的エネルギー以上の破壊はできません
    そして徹甲弾という媒体を通して敵艦に影響を及ぼす物ですから徹甲弾の性能や弾道特性も無視できません
    長い砲身とは、装薬の潜在的エネルギーを徹甲弾の運動エネルギーに変換する効率が良いのです
    実際には、装薬は有効密度とか色々あって、沢山詰めれば良いと言う物では有りませんが
    極論するなら、沢山使えばそれで威力向上は達成できます
    45口径級と50口径級の違いは、装薬のエネルギーを砲弾の運動エネルギーに変換する効率で1.3倍程度異なるだけなのです

    さて、距離別の貫徹能力は弾道も考えるべきですが
    例えば、上で紹介した50口径砲のヴェネトと、45口径砲のリシュリューでは、距離別威力は殆ど同じです
    同じぐらいの口径で、同じぐらいの弾重で、同じぐらいの初速ですから、つまり落角も残存速度も似たような物で、威力も似たような物です
    また、同様に、米軍の16インチでも、メリーランドの45口径のMk1とアイオワの50口径Mk7では同等の初速でして(砲弾重量が1.2倍)
    対舷側威力で1.1〜1.3倍になり(距離が離れると威力差が広がる)対甲板威力ですと1.0〜1.1倍(中近距離で差があり遠近では同等)になります

    ですから『50口径にして初速向上をした場合、威力がどう変わるか』というのは
    装薬のエネルギー変換効率向上をどういったカタチでどの程度活用するのかを示さない限り何ともいえないのです

    SUDO

  6. ありがとうございます。
    要するに砲身を長くすると少ない装薬でより速い初速がえられるということと
    解釈してもよろしいでしょうか。
    名古屋市民

  7. >6
    そうですね、そう認識してもらえれば間違いではないともいえますが
    あくまでも「装薬の運動エネルギーへの変換率が異なる」事を理解してください
    ちなみに、装薬量の、速度への変換率は重量への変換率よりも悪く
    艦砲の特性からして、重たい砲弾の方が効果が大きいので
    長砲身化した場合は砲弾重量も向上させる事も良くあります

    SUDO


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