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1152 艦船について全く何も知らない人間の素朴な疑問です。先日、大戦中の艦船のスペックについて解説したサイトを見ていたのですが、戦艦大和の機関出力が150,000hp、駆逐艦島風のそれが75,000HPとありました。排水量で20倍も違う艦の機関出力がたった2倍、ということに違和感を覚えるのですが、大和にはもっと高出力の機関をつめなかったのでしょうか。そんな必要がなかったのか、それとも航続力や、艦内のスペースとの折り合いなどがあったのでしょうか。
NX

  1. 島風は試作ユニットを使った試作駆逐艦みたなモノです
    あのエンジンは当時の日本としては凄いハイパワーユニットなんです
    大和は島風よりも数年古い船ですし(その数年で機関技術は進歩しています)
    建造時ですら最新ではない駆逐艦ユニットを流用し(4隻分)更にそれをデチューンして搭載しています

    大和の開発期間中に専用エンジンを開発するだけの余裕が有れば
    あの図体でももう少し馬力は稼げたと思います>そういった案も存在していました
    残念ながら、色々機関選定で紆余曲折した結果
    専用ハイパワーユニットの開発をする時間が無くなり(技術的にも難しそう)
    手近に有った、枯れているユニットを更に石橋叩いたものにしちゃったのがあの結果だったとも言えます

    よって、高出力機関を搭載できなかったと言うのが、大和の馬力が15万な理由です

    適当なエンジンが無かった
     大和に使えるほど信頼性のある枯れたユニットが無い
     新たに開発するだけの時間が無い
    各種の制約
     機関スペースはあれでも増やした、あれ以上増やしたら装甲重量が考えたくない事になる
     船体サイズも更に大きくなり、とてもじゃないが許容できない

    大和の性能は、大和が計画された時点でベストではないにしてもベターな各種の性能バランスをとった結果なのです
    あれから何かすると、大和の信頼性とかコストとか性能のバランスが崩れ
    そして、それはたぶん史実の大和よりも悪い結果になるでしょう
    そういう意味では、必要が無かった(やっても意味が無い)でも正解でしょうし
    スペースや航続力との折り合いも正解でしょうね

    SUDO

  2. >開発期間中に専用エンジンを開発する
    これは例えば最上型なんかが当たるわけですね。
    で便乗になりますが、最上型の機関の流用や翔鶴型の機関の搭載は
    考えられなかったのでしょうか?
    taka

  3. >2
    最上型の蒸気圧は大和の機関のベースになった初春のそれと同じ22kg/平方cmで
    大和はそれを落として使っています
    よって最上のユニットを流用して圧下げたら、135000馬力(つまり金剛の出力ですね)ぐらいになるかもしれません
    圧を落とした理由が缶の衰退防止なのか、タービンの信頼性問題なのか
    戦艦には冒険できなかったという事なのか判りませんが
    重巡や空母よりも一層厳しい判断基準があったとしたら、15〜16万馬力級の重巡・空母に用いたユニットでは馬力が足りない可能性が有ります
    ざっと各機関のスペックを見ると
    同時期に建造・改装された艦艇の機関は
    駆逐艦>軽巡洋艦>重巡洋艦・空母>戦艦の順番で無理度が違うようです

    ただ、明白な基準のような物は私は発見していないのでこれらは憶測です
    SUDO

  4. 大和の機関は駆逐艦のものを4隻分をデチューンして搭載していたのですか。「朝潮」型や「陽炎」型の出力がだいたい50,000HPですので、これらの機関を積んでいたのでしょうか。それにしても、あの巨大な大和の機関が駆逐艦4隻分にすぎないというのは、ちょっと驚きです。戦艦は本質的に重武装、重装甲に特化した「海に浮かぶくろがねの城」なんでしょうか。
    NX

  5. ↑大和の機関は「初春」型がベースだったんですね。
    NX

  6.  便乗質問になってしまいますが、「島風」の高出力エンジンは確か「天津風」に使われた実験用のヤツを更にパワーアップさせたんですよね?
    Take

  7. >4
    駆逐艦の重量比率は
    船体35% 武装10%以下 機関40%ぐらい、その他の重量が食う比率も大きいです
    戦艦ですと
    船体30% 武装20% 防御30% 機関10%弱 ぐらいがまあ大体の目安でしょう
    つまり戦艦の機関重量比率は駆逐艦の1/5でそれは武装と防御に食われてしまってるんですね

    >6
    そうです、天津風で実験した高温高圧ボイラーがベースになってます
    タービンは、この高温高圧蒸気を活用するべく、4段タービンとなっており
    色んな意味で日本艦の基準から突き抜けた代物に思えます

    天津風でもそうでしたが、この機関の為に特別に人員を配置するなどの手配が行われています
    とてもじゃないけど安心できる代物ではないでしょう(少なくとも計画時には)
    使用実績は良好でしたが、安易に量産したら問題が起きたと思います

    最上型巡洋艦、朝潮型駆逐艦以降は3段タービンになってるんですが
    これも朝潮の就航直後からタービン翼折損事故が相次いでますから
    大和に朝潮や陽炎のユニットを流用するのは、信頼性が足りないでしょう
    あの時点で選択できるユニットで
    重量・サイズ・馬力・信頼性・寿命を考えると他の選択は無かったのかもしれません
    SUDO

  8. #ゴミレス
    朝潮のタービン折損はきっと臨機調事件のことを指していると思うのですが、実はタービン翼の折損などの事故は年がら年中起きていて、それほど珍しい事故ではなかったようです。
    例えば島風の機関もタービン事故起こしていますし、翔鶴もやらかしてます。
    朝潮型のは特別すごかったので大騒ぎになっています。

    #便乗して素朴な疑問
    蒸気タービンを「エンジン」と表現した場合、缶と機械、どこまでが「エンジン」なのでしょう?
    宇宙ゴミレス協同組合

  9. >8
    そいわれてみれば、確かにしょっちゅう起きてるよな>事故

    >エンジンって何処まで
    何となく感覚的に書いちゃってるからなぁ
    たぶん、缶と機械両方合わせた部分が相当すると思うんですが
    減速歯車は相当するのだろうかとか
    ターボエレクトリックだと何処までを含めるべきなのかとか

    ええいもう「機関部」全部でいーじゃん(ぉぃ
    SUDO

  10. >エンジンの範囲 質問の内容から外れてしまいますが、「平凡社世界大百科事典」の「エンジン」より。

    日本語のエンジンという言葉は内燃機関の意味に使われることが多いが,さらに内燃機関と類似の働きをする種々の原動機に対する呼名としても広く使われており,厳密な定義はむずかしい。engine の日本語訳は,機関または発動機で,機関が種々の動力発生装置一般に対する総称として使われるのに対し,発動機は内燃機関に限定して使われ,したがって術語になった場合も,例えば内燃機関であるガソリンエンジンに対してはガソリン機関,ガソリン発動機という言い方がされ,一方,外燃機関であるスチームエンジンは蒸気機関と称されても蒸気発動機と訳されることはない。このように,機関,発動機という言葉はそれぞれの意味も比較的明りょうであるが,エンジンという言葉が多用されるようになるにつれて,その使い分けがあいまいになってきている。
     英語の engine という言葉も,時代によって使われ方に変遷がある。engine は〈精巧な〉という意味の ingenious から転訛(てんか)したもので,蒸気機関が出現するまでは機械の装置や機構一般のことを意しており,現在でも engine にはこの意味もある。例えば,今でも消防車のことを fire engine と呼ぶのそのなごりといえよう。steam engine(蒸気機関)の広範な普及に伴い,19世紀には,単に engine といえば,蒸気機関のことを指すまでになった。その後,新しく開発,実用化された各種の原動機に対しても,engine という言葉が使われたが,日本語のエンジンと同様,とりわけ内燃機関に対してよく用いられるのは,現代の内燃機関が,かつての蒸気機関の役割とイメージを最もよく受け継いでいることにも無関係ではなさそうである。
    epitaph

  11. >エンジンの範囲
    ありがとうございます。

    宇宙ゴミレス協同組合


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