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1279 潜水艦の後部魚雷発射管についての質問です。
設置した意図は逃げる時追ってくる艦船に向かってぶっ放すためだろうと思うのですが、どの程度の効果があったのでしょうか。現実には発射後、海中でじっと息を潜めているという状況が多くとても役に立ったとは思えないのですがどうなのでしょう。あと潜水艦の後部魚雷発射管から発射された魚雷で沈められた艦船というのはいるのでしょうか。
山奥の人

  1. 艦首の魚雷を射った後反転、後部の魚雷で続けざまに第2撃をかける、
    といった運用があります。
    初撃で外周のフネという障害物を除去し、より重要度の高い中心に配置された艦船を狙うやり方です。
    大戦中、このクチでやられた艦船はかなりあるみたいです。
    日本など、どいつだったか空母まで食われてます。
    勝井

  2. 捷号作戦のときに高雄型重巡がまとめて3隻やられたときの一隻(高雄?)は後部発射管では?

    星芋

  3.  日本の輸送船団攻撃任務において、アメリカ潜水艦は艦尾発射管の予備魚雷まで含めて撃ちまくってます。
    確かフライング・フィッシュの艦長だったと思いますが、某船団の攻撃時に艦首・艦尾全ての魚雷を
    撃ち尽くし、「潜水艦の搭載魚雷は24本では足りないぞ!」と怒った人も居ますね(爆)。
    大塚好古

  4. 後部発射管専用?というか自衛用(対潜艦艇用)魚雷には航空機搭載対潜魚雷Mark 24を潜水艦に転用したMk27があります。こいつのウリはパッシブホーミング、21インチ空気式発射管が使用出来ない深深度でもスイムアウト射出可能(直径19インチ)、これはMk37と45か? もとが対潜魚雷なので炸薬量は短魚雷なみだったはずです。 実戦でどういう使い方をしたのかは識者の方におまかせします。
    TO

  5.  我が方の戦訓によれば「敵潜水艦は艦尾に発射管を有し、(探知、攻撃された場合)遁走すると見せかけて後方に魚雷を発射するので、直後方からの(敵潜水艦)攻撃は危険である」と認識されていたようですね。
    tackow

  6. ↑2 Mk27「キューティー」魚雷は発射時の調定を必要としないため、日本の対潜艦艇に追われた場合の
    対処として重宝したようです。因みに米潜水艦が沈めた最後の海防艦はMk27にやられた筈です。

    大塚好古

  7. 勝井様、星芋様ご回答有り難うございます。
    ただ疑問に思うのは回頭して後部を向け、改めて測敵して発射するより、発射管後部の装填位置に置いて有る魚雷を大至急装填して発射する方がより迅速に対応できるのではないかと言うことです。この点、どうなのでしょうか。
    質問者

  8. ↑うわっ、端末が変だ!
    書き込みをやった途端にぞくぞく皆様の回答が出てきました。皆様、本当に有り難うございます。
    質問者

  9. >7.再装填よりは、回頭→後部発射の方が早いです
    勝井

  10. 勝井さん、有り難うございました。

    山奥の人

  11. すいません、いきなりの初心者質問なんですが、潜水艦って回頭する際には
    どうやって回るんですか?後ろの舵を効かせながら前進するのでしょうか?
    そうすると、旋回半径が生じると思うのですが、大体どれぐらいの半径で
    回れるもんなのでしょうか?
     回頭して、魚雷発射ってけっこう難しいようにイメージしちゃうんですけど。
    bluefish

  12. ↑具体的な数値は知りませんが、一般的な水上艦艇より
     ずっと小さな旋回半径で回頭できるそうです。
     おそらく、「回頭○度、○秒後に後部魚雷発射」というふうに
     マニュアル化されていたんじゃないかと思います。
     中心部の船を正確に狙うことは
     (外郭の船のシルエットに邪魔されて)できないでしょうから
     角度とタイミングで発射したのではと。

     相手が船団なら、かなりの確率で何れかの船には命中するでしょうから。
    勝井

  13. ↑2 WWII時の米潜水艦の事と仮定して話を進めますが…。

     ガトー級の場合で6ktsで走っている場合450ydsだそうです(旋回径)。この場合90度旋回にかかる時間は
    約1分45秒。この間こっちも敵も動いてますから相互の位置関係が変わり、当然射撃諸元は艦首発射管の時と
    変わっています(計算によって推測は出来ますが)。これもあって、魚雷を撃つ場合は新針路で定針後、
    潜望鏡乃至レーダーで観測した上で撃つのが通例です。

    大塚好古

  14. WW2位の潜水艦だと次発装填に魚雷1本あたり
    10〜20分位はかかっていたと記憶しています。
    ガトー級が前・6、後・4の発射管数なので
    上記の大塚様の記述と合わせて考えれば
    前部発射管より射出後に反転し
    後部発射管より射出というのは時間の面からみて
    理にかなった戦術だったと思います
    北方不敗

  15. 魚雷は斜進ができるので、まっすぐ敵を向いて撃つ必要はありません。大戦中の潜水艦の後部発射管は、軍艦の後ろ向きの砲塔と同様、逃げる時用ではなくて同時発射射線数を増やす目的が主で設置されているように思います。大戦中の米潜水の場合、前方に6門、後方に4門の発射管を置いています。前方発射管を全射線撃った後、敵が第一撃に気がついて針路を変える前に速やかに他の目標に第2撃を射つためにあります。パラワン水道の愛宕、高雄がこれです。
    180度回頭してから射つ必要はなく、最初から敵針路にやや平行に向いているので前部発射管を射ってから後部発射管を射つまでには約1分ほどしかかかりません。敵針が不変の場合は、自艦がどの方向を向いていても潜望鏡の測角一回で正確に斜進角度を決めて発射できます。

    IWA

  16. >1 やられたのは大鷹です。
    ヒ七一船団の護衛としてマニラに向かう途中、米潜ラッシャーがこれを襲撃。
    まず魚雷四本を艦首から発射、次いで全速大旋回を行って艦尾魚雷二本を撃ち込みました。命中時間等から考えると大鷹を沈めた魚雷はこの艦尾から発射された可能性が大です。
    烈風天駆

  17. >1. 初撃で外周のフネという障害物を除去し、より重要度の高い中心に配置された艦船を狙うやり方です。

    このような射法はないように思います。魚雷の調定深度を深くして、喫水の浅い外周の警戒艦の底をくぐらせる方法がとられたようです。

    >4. 後部発射管専用?というか自衛用...

    もともとが対潜魚雷のMark 27を主に後部発射管に装填したのは、自艦から少しでも離れる向きに音響魚雷を発射したかったからだ、と
    http://www.usscod.org/ator.html にあります。後ろ向きに撃つのはそういうメリットもあったようです。

    >6.米潜水艦が沈めた最後の海防艦

    米軍が沈めた最後の日本軍艦ということにもなっているようです。
    1945年8月14日の山陰 香住港沖の第13号海防艦で、米潜はSS423 Torsk。
    http://www.usstorsk.org/423tour/mk27.htm, http://www.subnet.com/fleet/ssflt.htm, 海防艦戦記によると
    10:35 Torskは後部10番発射管から Mk28音響魚雷を発射して 第13号海防艦を撃沈。
    12:17 Torskは第47号海防艦が接近してくるのを発見。
    12:20 第13号海防艦は前方海面に第47号海防艦の浮遊物多数と遭難者数名を発見し、警戒体制をとりながら索敵を開始。
    12:25 Torsk は再び10番発射管から Mk28魚雷を発射。第47号海防艦が音響探索を行うため、深々度避退/無音行動に移る。
    第47号海防艦は雷跡を発見、回避するとともに爆雷戦を用意。続いて第2次魚雷攻撃(Mk28の追従行動?)による雷跡を発見してこれを回避する。
    数分後、Torsk は深度108mでMk27音響魚雷を後部7番発射管から発射。発射直後にMk28の爆発音を聞く。この時点で推進器音も測的音も止んで、船体の破壊音が聞こえた。約1分後 MK 27 の命中音が聞こえる。
    12:27 第47号海防艦は第3撃の魚雷を受け、これが艦尾に命中して航行不能となり右舷に傾く。
    12:30 第47号海防艦は潜望鏡を発見し、これを砲撃。
    12:35 総員退艦命令
    12:55 艦尾より沈没。戦死28名。

    というような状況であったようです。Mk28もMk27も1本あて後部発射管から発射したようで、経過から見ると最初に撃ったMk28が三度追従してスクリューに命中したようにも思えます。後から撃ったMk27は船体の破壊音にホーミングしたか、爆雷の誘爆音を聞き誤ったかのようにも思えます。

    >16.

    冲鷹と海鷹と雲龍も後部発射管の再撃を受けて沈没したようです。

    IWA

  18. ↑私が昔Mk27を調べていたときに読んだ資料だと(確かトルスクの公式報告の抜粋)、「Mk28命中から約1分後、
    更にMk27が命中、これが止めとなって目標となった御蔵型海防艦は沈没した」なる表現があるのもあって、
    アメリカではMk27が日本の軍艦を沈めた最後の魚雷、という認識が一部であるようですね。

     まあアメリカ人はこの件についてはどっちでも良いみたいですが(笑)。(この最後の戦いは、
    米潜水艦戦記の権威みたいな本でも概ね3行か4行触れられて終わりですから(笑))。
    大塚好古

  19. >海中でじっと息を潜めている
    Uボートの場合は夜間水上襲撃戦術が基本なので、
    浮上のまま全速で接近→艦首全門発射→反転→艦尾魚雷発射→全速で逃走or潜航
    です。
    大戦後半はなかなかそうもいかなくなりましたけど。

    >再装填
    水中高速のXXI型の艦首発射管6門は次発装填装置付きで、一気に12本打てました。
    艦尾発射管は持っていません。

    >旋回半径
    一般的な2軸艦の水中の場合、それぞれのスクリューの後ろに舵板を持っていると、
    かなり小回りが利いたようです。
    水上の場合は高速が出せるので、1枚舵でも余り問題にはならなかった様です。
    VIIA型以外の主力Uボートは全て2枚舵で艦尾発射管は2枚の舵の間に設けられて
    いました。

    >後ろ向きに撃つメリット
    他国の魚雷については良く知らないのですが、ドイツの音響ホーミング魚雷T5は
    対護衛艦用であった為、接近された局面でも使用出来る様、安全装置の解除距離が
    400mと短いのですが、この安全装置というのが魚雷の先端に付けたプロペラが
    航走する事によって回転してネジが押し込まれて解除されるというえらく原始的な
    ものであった為、高速航行中に艦首発射管を開いて発射をもたついていると、水流
    で発射しない内に安全装置が解除されかないという事情から、艦尾発射管は専ら
    T5用として使用されていました。
    ただし色々と制限を受けることになりますが、艦首発射管でもT5は使用されています。

    >相手が船団なら、かなりの確率で何れかの船には命中する
    蛇行魚雷、ホーミング魚雷でなければ、ある程度の幸運を要すると思います。
    しゃるほ

  20. >VIIA型以外の主力Uボートは全て2枚舵
    訂正
    水中高速のXXI型、XXIII型は除く。
    実戦投入が間に合わなかったんで忘れてたけど、これも主力でした。
    しゃるほ

  21. 19> 舵のことですが2枚にしたのもさることながら
    作動半径を従来の2倍に広げたことも大きな要因です
    2枚舵と作動半径の拡大あっての旋回率向上なので。

    Tー5のアーミングレンジはたしかに400mに
    設定されていましたが現場では
    おおよそ無視されていたようで設定を短くしたり
    なかには3000mなどという距離からも
    発射されていたようです
    運用には相当面倒な魚雷だったようですからね。


    北方不敗

  22. ↑ごめんなさい。舵の話はVII型AからVII型Bに
    改良された時の話って事を書くのを忘れました。
    舵が2枚になったのもその時ですね

    北方不敗


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