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1301  日本海軍の水雷戦隊旗艦は軽巡洋艦が勤めていますが、外国では「フロティラ・リーダー」と呼ばれる若干大型の駆逐艦が使われているようです。なぜ日本海軍はきょう導(←字がでませんでした)駆逐艦が存在しなかったのでしょうか。
 自分なりに考えられる理由は、

 1.軽巡と別に作る予算がない。
 2.水雷戦を重視していたから、旗艦=駆逐艦では小さいと考えた

 というところですが、実際はどうなのでしょう。何かご存知の方はいらっしゃいませんか?
A-140

  1. 天龍型や夕張型は嚮導駆逐艦的な存在ともいえますがな
    他国の事例はそういった思想だったとしか言い様が無いのですが

    敢えて言うなら、中小型の行動能力の貧弱な駆逐艦如きになんでもできる貴重な軽巡を与えたくないんでしょう

    日本軍の場合は、数隻の駆逐艦で一つの単位を構成し、一隻が駆逐隊司令が乗り込んだ「嚮導艦」相当になります
    これは他国の嚮導駆逐艦に率いられた単位よりも小さく、ある程度大型で通信機能があれば耐えられる程度の物でしょう
    水雷戦隊は「駆逐隊司令」つまり複数の大佐の上に立つのでそれ以上の階級になり、隷下の戦力も大きいので
    大きな指揮機能を持った艦が欲しく、それが軽巡洋艦を要求する理由の一つでしょう

    まあ、こういった編成は時と場合によって変化するので
    今までそうだったんだから、それを流用しちゃおうとかって事も多いですし
    まあ、そういったのが一つの伝統な訳で、代替建造の時なんかにも発言権として残ったりするわけです

    ま、大型駆逐艦にさっさと移行したことが嚮導駆逐艦の必要性を減少させたんですね
    SUDO

  2. 米英も駆逐艦部隊の旗艦として軽巡洋艦を充てなかったわけではなく、またアトランタ級や
    ダイドー級は整備に当たって駆逐隊の嚮導任務が考慮されていた事を記しておきます。
    大塚好古

  3. ↑それって、やはり日本の5500t型の運用に範をとったんですかねぇ?
    勝井

  4.  なるほど。確かに日本の普通の駆逐艦=他国のきょう導駆逐艦、という考え方はできますね。そうした駆逐艦の集団の旗艦なら軽巡のほうが都合がいいわけか…。ありがとうございました。参考になりました。
    A-140

  5.  そういえばルンが沖夜戦、クラ湾夜戦、ベララベラ海戦などで駆逐艦が旗艦になっていましたね。あの程度(10隻前後)の規模の水雷戦隊なら、駆逐艦でも十分旗艦任務が果たせるというわけですね。失念していました。
    A-140

  6. 民間の出版物ですが「軍艦と海軍機図面集」(十八年)には特型を「先導型」、初春型を「試作型」として紹介しています。そう言う解釈もあり得たのかもしれませんね。(ちなみにこの図面集にはグラフツェッペリン、ノースカロリエーナ、マクシムゴルキー、など魅力的な艦が収録されています(笑))
    BUN

  7. >5
    そりゃ、旗艦をすべき巡洋艦が損傷等で居なかったからですがな(^^;;

    日本の水雷戦隊旗艦は水上偵察機を搭載しており
    水雷戦隊という単位でそれなりの戦争ができるのに対し
    嚮導駆逐艦やダイドー・アトランタ級はそういった能力を持ちません
    英米の水雷部隊がより強力な巡洋艦以上の部隊と共同行動する存在なのに対して
    日本の水雷戦隊は(完全状態なら)自力で戦争できるというのも相違点でしょう

    これは長大な距離を進出しての漸減作戦の中核打撃戦力として構成されてた事が遠因ですが
    汎用軽巡洋艦に率いられた日本の水雷戦隊はそれ単体で投入でき
    所詮は強力ででっかい駆逐隊でしかない英米の水雷部隊とは戦力や規模ではなくスタンスが異なるといえるでしょう

    もっとも自前で偵察戦力を持つ事の意義がどれほどの物なのかとなるとまた異論も有るでしょうが
    大型艦と一緒に行動するつもりの部隊編成と、大型艦をあてにしていない部隊編成の違いだとも言えるかな
    だから日本の水雷戦隊は大型艦である軽巡洋艦を編成に組みこんでいるとも言えるけど
    SUDO

  8.  アメリカやイギリスが駆逐隊に巡洋艦を配したのは偵察部隊所属の駆逐艦の指揮統率のため、
    会敵が予想される敵駆逐艦との交戦を優位に導くためですね。当然ながら日本の水雷戦隊が
    軽巡洋艦を配していた事に対する対抗と言う意味合いもあります。

     蛇足ながら,戦前の米海軍は日本の最上型が水雷戦隊に附属してくる可能性がある、と判断しており、
    このため偵察部隊に所属する駆逐隊にブルックリン級以上の大型巡洋艦を配する事を考慮しています。
    (この思想が発展した末にアラスカが偵察部隊配備となるのだ(笑))。

     ついでながら、アトランタ級はあくまで大型の嚮導駆逐艦の延長線上にある艦です。これは新型の
    大型駆逐艦の就役に伴って、嚮導駆逐艦ではその指揮統率能力が不足している、という判断から
    計画・建造が進められたものです(アトランタ級の元計画は3000トンの嚮導駆逐艦)。
    大塚好古


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