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1470 戦時標準船を調べていて見つけたんですが、コルゲートハル貨物船とは、いったいどんな船なんでしょうか?どこにも載ってないのでさっぱり検討がつきません。どなたか知っている方がいらっしゃればぜひともご教授お願いします。
河内っ子

  1.  成山堂の「船舶用語辞典」(こんな本自分では所有していません、図書館で見たのです)にはコルゲートハルそのものは載っていませんでしたが、”corrugated vessel”というものが載っていました。ハル(hull)は船体を、vesselは船を指すので恐らくこの二つは同一でしょう。では”corrugated vessel”とは何かと言えば「波形外板船」すなわち「波形外板を持った特殊船型」とあり、では「波形外板」とは何かといえば「推進効率を上げるためビルジの上部から水線迄を波形すなわち水平のヒダ状にした特殊な外板」とありました。
     とっかかりは付けたと思いますので、詳しいことがわかったら教えて下さい。



    井中かえる

  2.  「船の科学」吉田文二/講談社ブルーバックスに文章1頁+イラストで解説がありますので、そこから簡単に。
     波形船型(CORRUGATED SHIP)とは、船体水線下の船側外板へ長手方向に膨らみを付けたもので、船側部の水流を整えることで造波/造渦抵抗を削減しようとする目的を持っています。
     副次的に貨物積載量の増加、横揺れの減少などの効果があります。
     1909年進水のモニトリア号(1,900総トン)以降20年間に20隻以上が建造されて効果が認められたものの、構造が複雑となるために建造・修繕に手間がかかって経済的に不利であり、1925年頃には新造は途絶えた、ということです。

     「波」については良く存じません。
     当時戦時標準船に求められた、「速力は遅くても良いからはやく造れる船」というコンセプトに真っ向から勝負を挑んでるあたりが非常に素敵ですね。


    ふりげいと

  3. 戦時標準船のコルゲートハルというと、多分 >1., >2. の船型のことを言っているのではなくて、工事簡易化のために船体外板にスティフナ(補強材)を溶接するのを止め、かわりに補強材分の高さに板をコルゲート(波状にする)させて必要な曲げ強度を得ようとするものだと思います。当然水線以上の船体も対象になります。飛行機ではユンカースのJU52三発輸送機などがコルゲート材の機体で、その船版と思っていいと思います。 コルゲート材というのは、トタン板やプラスチックで小屋の屋根などに使われているのを見られるかと思いますが、船体外板を大規模にあんな感じにして資材と建造工数を削減しようとするアイデアだったのではないかと思います。
     結局、従来構造でブロック工法の方が優るとなったのではないかと思います。
    IWA


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