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1474 原子力巡洋艦がヴァージニア級で打ち切られてしまったのは何故でしょうか?それはヴァージニア級の後に竣工したタイコンデロガ級は原子力推進だと何か問題でもあったのでしょうか?
GUY

  1. 原子力推進のイージス艦と言うのは何か問題が?という疑問がありましたので質問しました。現用艦艇の事情には暗いので宜しく御願いしますm(_ _)m
    GUY

  2. 巡洋艦などの水上艦艇を原子力推進にすれば、給油の心配もいらないし、常に高速で移動できるなどの利点があります。
    たとえば通常動力の艦艇は、高速で航行することで、篦棒に燃料を消費します。
    対して原子力推進の艦艇の場合は、このような心配をせずに済むメリットがあります。
    けど、その反面、保守や退役後の後始末には多大なコストを必要とするデメリットを持ち合わせてもいます。
    このメリットとデメリットを両天秤にかけた結果、巡洋艦などの水上艦艇は通常動力でいいや、と米海軍が判断したからでしょう。

    逆に言えば、空母や潜水艦の場合は、それだけのメリットがあるからこそ原子力推進を採用してるわけです。
    たとえば空母ですが。
    原子力推進にすることで、離着艦の障害になる煙突を廃止できます。
    原子炉の余熱をカタパルトに利用できます。
    通常動力だと、ボイラーの熱をわざわざカタパルトに回すので、空母の速度が遅くなるという短所があります。
    そのため、失った速度を補うために空母は風上に向かって航行する必要が出てくるのですが、これにより艦隊行動の自由が制限され厄介です(文字通り風任せになっちゃうし)。
    地中海のように狭い海域の場合、これは特に問題になります。

    潜水艦を原子力推進にすることのメリットは、わざわざ説明するまでもないですよね。
    ツカドン

  3. 原子力艦はコストがかかります
    潜水艦や空母の場合はそのコストに見合った効果が期待できますが
    巡洋艦の場合は給油が要らなくなるだけでしかないのです

    空母随伴艦艇として、空母と同等の航続力を持つ事は魅力的ですが
    現代の艦艇は継続戦闘能力が貧弱で、燃料があっても弾が持ちません
    燃料搭載量を多めにしておくだけで必要充分な航続力を持つ事ができるのですから
    空母や潜水艦ほどには原子力化する利点が無いのが実情なのです

    またタイコンデロガ級に原子力を付与する事は技術的には不可能に近いものでも有ります
    元々スプルーアンス級駆逐艦に無理矢理イージスシステムを載せたような艦で
    積載余力も殆どゼロ、復元性や強度も余裕が有りません(別に欠陥がある訳では無く、余力が小さい)
    よって、そんな船体に原子力機関を載せるのは無理無茶無謀です

    かと言って新規に船体を設計開発した場合
    それはヴァージニア級よりも大きめ(イージスシステムの分)の艦になるでしょう

    この場合、タイコンデロガ級と比較して、よりコストがかかり
    単体戦力は実際問題として大差無しですからコストパフォーマンスとして誉められないものになります

    よって、原子力巡洋艦はコスト面で美味しくないと言うのが
    以降の建造が為されていない理由だと言えるでしょう

    SUDO

  4. タイコンデロガの前に、原子力イージス巡洋艦が計画されました。
    ですが上のお二方がおっしゃる様に、主にコストの問題からお蔵入りになりました。
    結局、燃料だけ事実上無限でも、武器弾薬や食料といった
    他の消耗品はそうはいかないのがネックなんですね。
    勝井

  5. DDG-47の後(というかほとんど同時期だけど)にも原子力イージス艦の計画はあったのです。
    (N)

  6. 記憶カキコですが、イージスシステムはストライククルーザーとかいう装甲を張った原子力巡洋艦に搭載する計画があったようですね。
    結局、計画がぽしゃってタイコンデロガ級になったらしいですけど。
    SAW

  7.  上で各氏が述べられているほかに、完成後、重心点の調整ができないと言うのも理由の一つだったかと。設計図面の通りに作っても、誤差という物が出るため、設計どおりの重心位置にはならないもので、そういったものの調整として、通常動力艦は燃料などを潜水艦同様移送して辻褄合わせに使えますが、原子力艦では不可能です。空母などの場合、船体が大きいのと、航空燃料である程度調整が利くため原子力化のメリットが大きいのです。
    Cz75

  8. そうそう、特に初期の米原子力巡洋艦は、同時期の通常型巡洋艦を原子力化しただけ、
    といって良い存在です。
    彼女らの建造費を比較してみたら、一目瞭然と思いますよ。
    勝井

  9.  設問&6> 「CSGN、通称ストライク・クルーザー」を補完するものとして構想されたのが、「タイコンデルガ級」です。ストライク・クルーザーの方はベトナム戦争後の厳しい予算状況でポシャりました。ちなみに、ストライク・クルーザー構想のアイデアを引き継いで実現させたのが、改装され現役復帰したアイオワ級でした。また、ストライク・クルーザー構想と極めて酷似しているのがロシアのアドミラル・ウシャコフ(旧キーロフ)級です。原子力巡洋艦が建造されなくなった理由の一つとしては寄港を嫌う国が増えつつある事もあります。
    ザイドリッツ


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