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1572 映画「Uボート」などで観られる急速潜行時に乗組員が艦首に集まる行動は
現在の潜水艦の訓練でも、行なわれるのですか?
また第2次大戦中の潜水艦では、この行動を「する・しない」では、どれくらい
の差があったのでしょうか?

ベリアル

  1. 質問者です。
    素人考えでは潜水艦が潜れる船から常に潜っている船に変わった頃(何時かは知りません)から
    なくなった行動だとおもいます。
    また、現在の潜水艦の大きさなどを考えると、乗組員のウエイトでは急速潜行時に効果が
    ほとんどないと思います。

    ベリアル

  2. 現在の米国の潜水艦(たぶん海自も)は急速潜航(クラッシュダイブだったかな)自体を行わないし、それほど急激に潜航したりしないそうです。
    (もぐりっぱなしなので必要ないので)

    第二次大戦中の潜水艦で、映画のようなことを実際にやっていたかどうかは過分にして聞いたことがありません。(私が知らないだけかも)
    個人的に言えばツリムが急激に変化させるようなことは潜航指揮官の操艦を困難するように思われます。

    SAW

  3.  現在の潜水艦でも動力が切れた場合や水中に静止する場合はツリムの調整を人員の移動で行う事が
    ありますが、「Uボート」の様な真似はしませんね。

     あと上で述べられてますが、急速潜航後人員の移動でツリムが変るのは、潜航指揮官にとっては
    問題になる事であります(潜水艦の機動は1kts速度が上がる・横舵を動かすだけで浮上力・沈降力が
    発生するほど鋭敏なものです)。日米英独の潜水艦戦史は結構読みましたが、私もあれを実際に
    やっている描写に出くわした事はありません。
    大塚好古

  4. 一応、乗組員の艦首移動は機関長の指揮の下
    (Uボートの潜航指揮は機関長の職務)で
    非直の者がやることになってます。
    でも実際問題として、タンクの移水等と違って、
    移動重量の把握には正確さは欠けるでしょうし・・・
    機関長の仕事を増やすだけという気もします。

    とっておきの最後の手段なのだろうか?
    北方不敗

  5. 回答ありがとうございます。
    なんか映画上の演出みたいですね。
    水上航行から急速潜水し一秒でも早く海中に身を隠す場合、艦首を少しでも
    早く下げる為の合理的な行動と思っていたので、常識だと思っておりました。


    ベリアル

  6. ごみです。
    >人員移動によるツリム調整
    50人乗りのEmbrearRJ154(リヤエンジン双発)に10人位しか乗客がいなかった時、キャプテンが出てきて「バランスの為に分散して座ってくれ」とあんたあっち、あんたこっちと座席を指定して機内全体にばらけさせられました。2000年3月30日クロスエアLX887便マンチェスター発バーゼル行きでの出来事。
    SHI

  7. 映画「Uボート」の艦等の水上艦様の艦首形状は、水上航走時の凌波性の為です
    が、これが良いほど水中航行時に水の抵抗が艦首を上に持ち上げようとするので、
    水中では潜舵を下に切るなり前部を重くするなりしなければ水平を保つ事が出来ません。

    という訳で、水上高速艦は艦首を上げる運動は得意ですが、下げる運動は大の苦手
    で、急速潜航も苦手です。

    大雑把に調べた限り、水中高速艦形にすると急速潜航秒時は半分以下になる印象です。

    現代艦では艦内で走っても間に合わない程急速潜航が速過ぎて、やる意味が無いの
    ではないでしょうか。

    急速でない潜航の場合は、最後尾の浮力タンクのベントを艦首が下がるまで待って
    からやりますが、急速潜航ではそんな事は出来ませんから正確さよりも重量不足を
    心配した方が良いでしょう。

    急速潜航能力は浮上したままで、どこまで獲物に近づけるかに関わります。

    潜水艦は水上視界と水上速力を失えば能力が大幅に低下するので、戦術的に極めて
    重要です。

    発見が難しく、命中弾を受けにくく、いざとなれば素早く水中に逃げ込める小さな
    船体であれば、夜陰に紛れて浮上接近し、浮上したまま至近から魚雷を打ち込む事
    で、飛躍的に攻撃能力を引き上げる事が出来ます。

    充実装備の大型艦の高性能で強固な船団護衛に対抗しようとすると、逆に手も足も
    出せない悲惨な状況に陥ります。

    Uボートは数を揃える為に、仕方なく小さな船体で忍んでいる訳ではないのです。
    しゃるほ

  8. ↑など。現代の潜水艦では、作戦行動中に(ライアン氏を回収するときなどを除き)メインタンクをブローして浮上することは、まずありません。浮上しませんから、必然的に急速潜航(クラッシュ・ダイブ)も必要なくなり、フラッド・ホールもスリットになりました。

    現代の潜水艦がほこる、作戦行動中の中性浮力を保ったままでの激しい三次元運動の能力と、昔の急速潜航とは、全く異なった運用です(誤解されてませんでしょうか)。
    豪腕少年タイフーン

  9. 私も少年タイフーン氏と同様の感想を持ちました。


    SAW

  10. >発見が難しく、命中弾を受けにくく、いざとなれば素早く水中に逃げ込める小さ>な船体であれば、夜陰に紛れて浮上接近し、浮上したまま至近から魚雷を打ち込>む事で、飛躍的に攻撃能力を引き上げる事が出来ます。

    レーダーが登場するまでは有効な方法だったようですね。

    SAW

  11. 言われてみれば確かに水中高機動と混同していると解釈されるのが自然な文章かと
    存じます。

    急速潜航自体が必要無いとの理由、説明だけで不足が無い事に異存が有った訳ではありませんが、質問者の方が演出と思われた様だったので、重要性を認識頂きたく
    敢えて第二の理由として言及した次第です。

    走っても間に合わない程速過ぎについてはXXI型で28秒、XXIII型で10秒と
    いうデータを参考にしました。
    (ほぼ同サイズの水上高速艦では40秒、20秒程度の様です、信頼性不明ですが)

    XXI型の艦首形状はまだ凌波性を残しているので、
    現代艦同様の形状で20秒、
    艦首下げ完了まで15秒、
    内、傾斜の緩い走る事の出来る時間10秒、
    と大雑把に見積もり、急激に艦首を下げながらの状態である事と全長とを勘案して
    、15秒以内に艦首に辿り着けるのは半数程度と考えて、この事を間に合わないと
    表現致しました。

    毎度毎度言葉足らずでお騒がせ致しております。
    しゃるほ

  12. \D2と(XXI)との比較
    水中排水量1804トン(1819トン)
    水上速力19.2ノット(14.4ノット)
    水中速力6.9ノット(26ノット)
    急速潜航時間35秒(28秒 シャルホ氏のデータによる)
    とあるサイトのデータを参考にしました。

    うーん。
    たしかに7秒ほど短縮されていますが、これがすべて艦首形状
    の変更に原因が帰するのでしょうか?
    1100馬力対5000馬力という水中馬力の違いはディーゼル
    主機停止後の潜入に関係しないのでしょうか。
    あるいはタンクやベント弁には違いはないのでしょうか。
    もう少しデータの収集が必要にも思われるのですが、
    いかがなものでしょうか。

    また、質問者の方は急速潜航の意義を「演出」ではないのか
    思ったのではなく、乗員の艦首ダッシュのことを言われて
    いるように思推いたします。
    この点に関しては、シャルホ氏の答えもいわゆる「推測の域」
    を超えていないように思われるのですが。
    (急速潜航が重要なのでやっただろうというのであれば、推測
    といえるのはないでしょうか。)

    私がシャルホ氏の文意を汲んでいなければお許し下さい。



    SAW

  13. おっと、しゃるほ氏でしたな、失礼いたしました。
    SAW

  14. >26ノット
    これは速過ぎです。18ノット出ないはずです。
    ワルター実験艦のXVIIA型では26ノットの様ですが。

    ご指摘の通り、私もXXI型の秒時短縮には艦首形状以外の部分が貢献しており、
    (上部構造物の抵抗減、スクリュー位置の上昇、スノコ甲板の廃止等)
    更に短縮出来る余地が残っていると考えました。

    >乗員の艦首ダッシュのことを言われている
    その様に考えましたがこれについては
    「UボートVII型ドイツ潜水艦テクノロジーの全容」等にやっていたと明記してあり
    この点は推測によってはおりません。
    しゃるほ

  15. >これは速過ぎです。18ノット出ないはずです。
    >ワルター実験艦のXVIIA型では26ノットの様ですが。
    参考にしたサイトを見直したところ17.2ノットとなっていました。
    訂正いたします。

    >その様に考えましたがこれについては
    >「UボートVII型ドイツ潜水艦テクノロジーの全容」等にやっていたと明記
    >してあり
    >この点は推測によってはおりません。
    7の文章より、こちらの文章の方が質問者に対して「演出ではない」というしゃるほ氏の意が簡明に伝わったのではないかと愚考いたします。

    失敬なことを書いたようですが、たしかに文章のやりとりは私自身を含めて「伝達ゲーム」の想を呈することがありますな。(自戒)
                           


    SAW

  16. >12
    日本の潜水艦での例ですが「ああ伊号潜水艦」の中で潜水秒時短縮の訓練で
    バルブ操作の変更を行いイー41潜で全没まで39秒の記録を達成したとの話が
    あったと思います。
    50秒を切れなかったのが一気に改善されていますのでUボートの例でも
    艦首形状よりツリムタンク等の改善の方が効果が大きいような気がしますね。
    ルージュ

  17. ↑潜高小型の開発にたずさわった方の手記には、それまでの日本潜水艦は上部構造物の排水に問題があったのが、以外に潜航時間短縮の大きな阻害原因とあったような記憶があります。
    これを改善することにより15秒程度の潜航時間を達成できたそうです。
    (記憶カキコ)
    いろんな要因が複合してるようですね。

    現在の米原潜では各種の準備や点検を行いながら潜航するために、
    かなり時間がかかるようですね。
    SAW

  18. アメリカ海軍による、U-66乗組員(IX c)への
    聴取報告書によると、急速潜航から潜望鏡深度に
    到達するには40秒を要するとあります。
    またU-172乗組員(IX c)への聴取報告書には
    12mまで30秒、20mまで40秒とありました。

    VII型に関しては、解りませんでした。
    北方不敗

  19. ↑の追加レス 
    当直員配置状態で35〜40秒、どの深度かは不明
    当直員6〜7名のうち2名は対空機銃手とのこと。

    米海軍によるU-371(VIIC)生存者への聴取報告書より

    北方不敗

  20.  並のUボートより大型のガトー/バラオ級は艦によっては20秒台で潜ってますし、水中高速型に改装された
    ガピー改装艦はその半額では潜ってません。因みに大型の伊号400型は公試で全没50秒で潜ってますね。
    簡単に船体の大きさや水中高速型だからといってどうこう言える問題では無いと思いますよ<潜航秒時。

    大塚好古

  21. ↑私もそのように思います。
    SAW


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