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1697  艦船関係の過去ログ 1054 を拝見しました。ヴァンガードの建造経緯に疑問があったのですが、大変勉強になりました。
 しかしながら、そうなると別途疑問がわいてきました。
 ライオン級の建造中止の為、「偶然」余っていた砲を流用して戦時急造した…とばかり思っていたのですが、1937年02月に最初の起案が為されていたということは、砲の流用は「偶然」ではなく、ヴァンガードの建造はカレイジャスとグローリアスの改装とペアで計画されたと考えてよろしいのでしょうか。
 しかしそうなりますと、「旧式砲装備の”新鋭”戦艦 + 改装空母 x 2」より「正規空母 + 旧式戦艦 x 2」の方が、対費用効率から見たら良かったのではないかと思ったりします。これはやはり、カレイジャスとグローリアスは、あまりに使い出が悪すぎたと言うことなのでしょうか。
 あと、二番艦が計画されていたということですが、砲はどう調達するつもりだったんでしょうか。砲だけ新設計にした略同型艦(こういう言い方で良いのでしょうか)につもりだったのでしょうか。
 最後に、以上のようなヴァンガードへの疑問の根底には「旧式砲の流用」があるのだと思います。「KGV5級にも劣る攻撃力」という評を目にしたことがあります。この辺り、建造した英海軍はどの様に考えていたのでしょうか。また、当時や現代における各国の評価はどんなものなのでしょか。ちなみに、私は「中途半端なイロモノ」というような評価しか聞いたことがなく…
 以上、大量質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

石井 浩二

  1. 最初の疑問に関して言えば、カレイジャスとグローリアス両艦の空母への改装は1924年に開始され、1928年(カレイジャス)と1930年(グローリアス)に完了していますから、時系列的にはありえないと思います。
    また、同時に二番目の疑問も結果的にはありえないものだった、といえると思います。両艦の完成以前の英海軍にはアーガス、ハーミス、イーグル、フューリアスを持つのみ(ヴィンディクティブは既に巡洋艦に復帰)で、両艦の完成によって空母戦力は5割増(質的にはそれ以上)になっています。第二次大戦という基準で見るといささかつらい性能なのは確かですが、グローリアスの改装が完了した1930年という時点では、日本海軍は鳳翔、赤城、加賀の3隻のみ、米海軍もラングレー、レキシントン、サラトガの3隻のみで、両海軍ともに龍驤、レンジャーなどさえ持っていない時期であることに注意してください。
    あとの疑問へはもっと詳しい方からのレスを期待です(爆)
    ヒロじー

  2. 空母はヒロじーさんの述べられたとおり
     ヴァンガードの二番艦以降はR級戦艦を退役させて砲を流用するツモリでした。
     言い換えるとR級戦艦の船体機関を作り直すようなもんですな。

     また旧式砲と仰いますが、英軍の15インチは決して古い大砲でも弱い大砲でもありません。
     確かに一斉射撃による投射量は15インチ8門ですから約7トンであり、14インチ10門で7.2トンのKGV級にやや劣りますが貫徹力で勝ります。ヴァンガードの大砲は搭載に当たって新型砲弾運用能力や薬室拡大に仰角増大といった改造も受けています。
     拡大薬室を生かしたスーパーチャージの射程は約33000m(仰角30度)であり、これはKGVが最大仰角で放った時の射程にほぼ匹敵します。
     概ね全距離で貫徹力で15インチが勝ります、射程同じで威力が勝るのですからKGVに劣るとは言えないでしょう。

    SUDO

  3. SUDOさんに先に書かれたが、勿体ないから上げておこう(笑)。

    1,流石に当時そのような考えはありません。
    2,ヴァンガードの主砲である15inMkI/Nは、最大射程はやや短いものの十分な打撃力を
    持つ砲です。装甲貫徹力は近距離ではネルソン級の16in砲にやや劣りますが、
    遠距離側の水平装甲に対する打撃力はやや上回るだけの能力を持ちます。
    KGVの14in砲に比べると全距離で装甲貫徹力は上回り、また砲弾重量は721kg対879kgと
    一発当たりの打撃力は圧倒的に上回っており、また斉射重量もKGVと殆ど変わりません。
     またヴァンガード(及びその同型艦)の主砲搭は更に改正が計画されており、
    新型のSHSを使用した場合その砲撃力は更に向上する予定でした(戦争勃発その他の
    理由により開発されず<SHS)。

     上記のような実情から、少なくとも英海軍は攻撃力不足だとは思っていなかったと
    思います。SHS使用が前提にあったとはいえ、計画の段階では、攻撃力・防御力等の
    能力を総合的に見て、少なくとも計画された通り日米の16in砲艦に対抗しうるだけの
    能力を持った艦だと言えると思います。

     なお、世界的評価ですが、D.K.ブラウン御大は「アイオワと互角に戦える強力な
    戦艦」と表してます。またBattleshipsの著者は「第二次大戦における最良の英戦艦」
    と述べております。
    大塚好古

  4. ああっと、上記の「二番目の疑問も〜」は、きちんと疑問に答えていませんね(苦笑)。
    質問文中からは“空母”カレイジャス級と大型軽巡カレイジャス級のどちらを指しているかはっきりしません(多分私の読解力が足りないせいです)が、空母としてならば、既述のように登場時点では有力な存在でした。改装せずにそのまま使いつづけるには余りにも半端な存在(戦艦と撃ち合える能力を持たないのにその巨体の維持費は戦艦並み+そのまま保有だとワシントン条約の主力艦制限に引っかかる)だったのではないでしょうか。
    ヴァンガードは、無条約時代を迎えた当時、最小の投入リソースで入手できる戦艦というものだと思いますので、その意味で「偶然余っていた」砲塔を使用したというのはあまり間違っていない気がします(英海軍も保管したときにはまさか戦艦に載せるとは思ってなかったと思う)。
    蛇足ですが、英海軍の15インチ砲は戦間期に新型砲弾を開発していますので、砲単体の威力としてはKGV級の14インチには劣っていないような気がします(Warships1.comのデータでは、ほぼ同等になってますね)
    ヒロじー

  5. あーうーおー。のんびり補足を書いてたら大御所お二人から書き込みが〜(爆死)。しかも内容かぶってるー(脱兎)
    ヒロじー

  6. 確かにお二人の後ではヴァンガード批判は妄想以外の何物でもないとは思いますが疑問に感じてる事をちょっと。
    SUDOさまの「スーパーチャージは強い」は他艦でも同じですし、大塚さまの「実はSHSが」と言うのは実行されなかった計画です。どちらも現実のヴァンガードを正しく評価しているとは思えません。

    ヘたれ決定のビスマルクくんと比較してみましょう。
           弾薬庫舷側+内部隔壁or傾斜甲板 弾薬庫水平甲板 
    ヴァンガード 355.6mm/0度+45.085mm/0度   25.4mm+152.4mm
    ビスマルク  320mm/17〜7度+120mm/-62度    50mm+95mm
    船体部は垂直防御がビスマルク圧勝、水平防御はヴァンガード圧勝ですね。
           砲塔前楯  砲塔天蓋  バーベット
    ヴァンガード 330.2mm/-30度 152.4mm/-5度 330.2mm
    ビスマルク  360mm/-5度   130mm/0度   340mm
    戦車と違って戦艦の場合避弾経始は下部が引っ込んでいないと逆効果です(もちろん至近距離では効果ありですが)。と言う事で唯一砲塔部で勝る天蓋装甲も落角30度未満では水平130mmのビスマルク天蓋装甲より薄い事になってしまいます。
    つまり砲塔部は僅差とは言えへたれビスが勝ってしまいました。

    次に常装薬での貫徹力を見てみます。SUDOさまの「設計の手引き」とWarship1のデータからの捏造です。
    垂直/水平  ヴァンガード  ビスマルク
    5000m     542/17      617/10
    10000m    409/35      539/27
    15000m    337/56      467/49
    20000m    283/90      400/78
    25000m    245/132      336/112
    ヴァンガードは1万m未満でビスマルクの船体垂直最強部を、1万5千m以上で水平装甲1枚目、2万6千m以上で全水平装甲を抜けます。
    砲塔も1万m付近で前楯、1万4千mでバーベット、2万5千m以上で天蓋を抜けます。
    ビスマルクは2万m以下でヴァンガード船体垂直最強部を、1万m以上で水平装甲1枚目、3万2千m以上で全水平装甲を抜けます。
    砲塔は2万2千以下で前楯、2万5千mでバーベット、2万8千m以上で天蓋を抜けます。
    抜けますと書きましたが私のいい加減な計算に基づくものですから全く保証はできません(笑)。

    こう見てくると水平防御と水平貫徹力の優れたヴァンガードと、垂直防御と垂直貫徹力に優れたビスマルクの組み合わせはお互いが弱点を突く形となってかなりデンジャラスです。
    遠距離でヴァンガードがビスマルクを片付けられ無かった場合、返り討ちに遭う可能性も高くある意味互角です。これでは排水量でわずかに勝るヴァンガードがビスマルクを笑うわけにはいかないような?

    英15in砲はWW1時871kg、WW2時879kgと、WW1ドイツ38cm砲750kgはおろかWW2ビスマルクの800kgさえ大きく上回りSHSでこそ無い物のHSと言えるシロモノです。ただ常装薬で3万mを切る射程距離は(現実には問題なかったものの)関係者にとって決して満足のいくものだったとは思えないのですが。SHSが開発されなかった理由もこれ以上の射程減少が問題視されたからではないか、などというのは私の勝手な妄想でしょうが・・・

    水雷防御は、ビスマルクが450ポンドTNT対応と第一次大戦並ですが、KGVの小改良型なヴァンガードも余り優秀とは言えないのではないでしょうか。米コロラド類似ですが奥行きが狭く、隔壁数も少ない英新戦艦の水雷防御はドイツとプリエーゼ式の伊・ソを除けば余り褒められた設計だとは思えません。

    第一次大戦後の英戦艦はG3・N3・ネルソンで突き抜け過ぎた後、失速してしまったように思えてなりません。ネルソン以上の主砲塔、フッド以上の機関を色々理由はありましょうが結果的に生み出せなかった事がその傍証であり、ヴァンガードが象徴のような気がします。

    戦艦乞食

  7. >6
     ええ、基本的にそう言うことだと思います。

     ただし、ヴァンガードの舷側装甲は傾斜12インチと実際のところ同レベルの防御力を発揮可能であると言う事にも注意して下さい。
     これは米国戦艦とほぼ同等と言う事です(甲板装甲もですね)超弩級相手に20km以内で耐えられる舷側装甲を持っている戦艦は恐らくネルソンと大和ぐらいのものです(でもってネルソンで16kmまで)
     この観点で言うなら、20km以内に入られたら危ないというのはほぼ全ての戦艦に言えます。

     言うまでもなく、ビスマルクの場合は厚い舷側装甲が非常に限られた範囲にしかありません。よって殆どの命中弾は一枚目の甲板か薄い舷側に当たります。つまり船体内部奥深くでドカンです。
     厳密に計算してませんが、ビスマルクの場合は被弾の殆ど全てが内部でドカンです。貫けるかどうかで言うなら、ビスマルクは弩級以上の全戦艦に全距離で一枚目が抜かれるんです(厚い水線付近を除く)

     これと集中防御のヴァンガードを同列に評価はできません。
     ヴァンガードは貫かれない限りは戦力が落ちませんがビスマルクは被弾すると戦力が落ちるのです。
     またスーチャできるのかどうかで言うと、ヴァンガードのは従来の強装よりも一段多いので、少しだけ別物と思います。
     確かに仏のリシュリューと比較すると少しずつ弱いのですが、実際のところ極端に劣るというものでも無いと思います。

     本当はカット図でもベースに各艦の装甲範囲(高さ)と弾道から距離別の有効弾発生確率なんかも出してみたいんですが>面倒だし意味が無いのでやらない。
     ヴァンガードの非常識に広い舷側装甲(そしてそれは数値以上に優れた実行性能の保証でもある)が齎す効果は意外と無視出来ないと個人的に考えます(特にジュットランドの各艦の被弾個所と状況を見ると)

    SUDO

  8. ありがとうございます。自分でもおかしな結論だと思いつつもはっきりお聞きしたいところだったので、突っ込んでいただくのを目的として書いたのでうれしいです。
    またビスマルクの場合、1枚目が抜かれるとヤバイと言う事はお二人が何度もおっしゃってましたからちゃんと理解しております。ですから水平装甲は1枚目、2枚目と書きました(笑)。主装甲が2枚目であるヴァンガードと、明らかに1枚目と2枚目に分離させているビスマルクでは設計的にもヴァンガードの方が迷いが無く実戦的です。
    舷側装甲も7.32mもの高さを持つヴァンガードと5mしかないビスマルクでは(しかも配置が悪い)やはりヴァンガードの方が有効ですね。米新戦艦がノース4.88m、サウス4.6m、アイオワ4.9m、モンタナ6.1m、大和でさえ5.2mと見てくると、リナウンで先鞭を打ちつけたにも関わらずKGV(7.32m)において舷側装甲の傾斜を止めた英設計陣の大英断には頭が下がります。傾斜装甲の効果は間違い無いが設計に組み込んだ場合守れる空間が減少すると言うのは実際問題として非常に難しい選択だと思います。
    ただ旧式砲塔流用のヴァンガードはともかく、新設計のKGVとライオンの砲塔装甲が脆弱なのは解せぬ所です。ネルソンであれほど強力な砲塔装甲を実現できた英国がそれ以降の戦艦において大きく後退したのは何故なのでしょうか?

    ついでに機関部のデータもあげときます。
           機関部舷側+内部隔壁or傾斜甲板 機関部水平甲板 
    ヴァンガード 330.2mm/0度+45.085mm/0度   25.4mm+127mm
    ビスマルク  320mm/0度+110mm/-62度     50mm+80mm
    両艦各部とも弾火薬庫より1ランク(ビスの舷側は2ランク)落としています。この方法は守るべき箇所がどこであるかをはっきり意識してリソースの振り分けを明確にしている点で、機関部も弾火薬庫も同等な日米新戦艦より優れていると思えます。さすがジュットランド当事国といった所でしょうか。

    スーパーチャージですがそれでもSHSに劣る事は否めませんし、大和を仕留める資格を持つのはやはり米新戦艦群のみだったと思います。
    戦艦乞食

  9. 既に結論が出ているようだからおまけだけ。

    1,水中防御はKGVの対TNT1000lbに対してヴァンガードは対TNT2000lbです。POWの戦訓は
    思いっきり活かされています(笑)。
    2,ヴァンガードのスーパーチャージはSHSを通常砲弾と同等に飛ばすことを念頭にいれてます。
    ただし、ヴァンガードの本格的な設計が実質上大戦中となってしまったのもあり、SHSの開発は
    研究段階で中止されてます。
    大塚好古

  10. またもやありがとうございます。ちゃんと御二方とも間違いを訂正して下さって感謝感激です。
    ヴァンガードのSHSに関してはこれで完全に納得できました。しかし勿体無い話です、もはや戦艦の時代では無かったとは言え建造遅延ついでにSHSも開発していてくれれば・・・もし大戦前に15inSHSが間に合っていればR級でさえ欧州新戦艦恐るるに足らずと云う状況が現出・・・

    しかし納得できないのは水雷防御です。KGVのあの構造で1000ポンド対応とは、ビスマルクも裸足で逃げ出す眉唾ではないですか? また手元の断面図を見る限りではヴァンガードも液層部分が広くなったかなと云う程度で倍に強化とは思えません。より優れて見える米新戦艦が700ポンド対応ですから余計にそう思えるのですが・・・
    大塚先生の事ですから間違い無い事だとは思うのですが、疑ってすみません・・・
    戦艦乞食

  11. ↑KGVが対1000lb防御というのは一応本当ですが、BattleShipsの著者曰く、「K英式の水中防御は
    概ね対TNT800〜900lb抗堪可能」だそうなので、多少割り曳く必要はあると思いますが(爆)。
    なお、POWの一件もあったので、ヴァンガードの時は1000lb炸薬を用いたフルスケール試験を
    実施したようですが、これには一応堪えたようです。

     因みにアメリカさんは「KGVとNCを比較すると、防御はイギリスの方が良い」と言うてます(笑)。
    大塚好古

  12. 装甲面は確かにKGVの方が良いとは思いますが、いや、でも実験実証済みならこれはもうお手上げです。
    いつもながら私の変な質問に快くお答え下さり感謝の極みであります。
    大塚先生ごめんなさい、二番砲塔お立ち台から飛び降りてきます・・・

    戦艦乞食

  13. KGVは耐1000lb「設計」です。現実は205kgに破られました。

    KGV、イラストリアス建造前にフルスケール実験で構造決定。
    実験結果の取り違え・構造上の欠陥で現実には有効な防御力を持たなかった。
    以上がBattleshipsの記載。
    隔壁の高さ不足・前後方向の不連続故に隔壁が爆圧に耐えられなかったこと、
    隔壁の上の区画を通じて浸水したことがPOWの戦訓として挙げられています。

    バンガードは上記の戦訓をもとに隔壁の高さを増し、前後方向にも連続させています。
    ここで始めて耐1000lbと評価してもいいと考えられます。

    仏380mm砲:砲弾重量884kg、初速830m/s、腔圧3200kg/平方cm
    伊381mm砲:砲弾重量885kg、初速850m/s、腔圧3200kg/平方cm
    英381mm砲スーパーチャージ:砲弾重量879kg、初速804m/s、腔圧3640kg/平方cm
    スーパーチャージの無茶な設定でも砲口エネルギーは他国に及びません。

    AI

  14. ↑POWの致命傷となった第二次攻撃による艦尾部の魚雷命中(375lb弾頭:二本左舷に命中)は、
    SPS(魚雷防御システム)の適用範囲外に当たり、推進軸二基を傷つけて、推進軸を通して
    急速に浸水、機関室まで浸水を生じせしめてますが、2発目は対魚雷バルクヘッド部で浸水を
    止めてますよね。
     また第四次攻撃(450lb弾頭付き魚雷:右舷に四本命中)による損害は、SPS対応区画に対しては、
    第二次攻撃の浸水による傾斜対策として注水していた区画に当たったこともあって一部艦内部に
    浸水が生じてますが、致命的な浸水量は生じていませんよね。
     まあ対TNT1000lbという数値は割り曳く必要があるでしょうが、205kg(450lb)で簡単に破れる、
    と即断するのもまた早計ではないか思います。
    大塚好古

  15. →14
    左舷Fr206(後部高射砲直下)への2発目は、バルクヘッドで止めるどころか、
    バルクヘッドと周辺隔壁を広範囲に破壊し、艦内に大浸水を引き起こしています。
    最も多くの記述を割かれているのがこの魚雷による被害。
    戦訓として残され、バンガードの水中防御改善の指針となったのもこの魚雷の被害です。
    浸水範囲は水防区画直上、左舷発電機室とその上部区画、左舷ポンプ室とその上部区画、
    左舷高射砲弾薬庫、通信室、左舷Middle Deck居住区、左舷後部ボイラー室。

    2軸を曲げた左舷Fr289への命中魚雷は、
    軸路、左舷外舷機室、補機室、後部バイタルパート外へ浸水と書かれています。

    第4次攻撃の右舷Fr236(後部主砲直前)への命中魚雷は右舷外軸を曲げ、
    軸路を浸水させていますが、右舷主機室・発電機室は浸水していません。
    水防区画に命中した205kgに推進軸を曲げられる様では問題です。

    KGVのSummaryは、水中防御の実験と現実の乖離の分析に多くを割いています。
    ・魚雷の深度が実験時より浅くても深くても共に被害は大きくなる。
    ・水中防御区画の高さと上の甲板の水密性を確保しないと上の区画を通じて浸水が広がる。
    Battleships:Axis and NeutralのConclusionでは各国戦艦を比較していますが、
    KGVの水中防御は新戦艦中最弱と評価されています。

    AI

  16. ↑Battelships含めて今確認しましたが、これについては私の勘違いです。
    いや、記憶で書くもんじゃないですね(汗)。失礼しました。
    四股と鉄砲してきます…。
    大塚好古


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