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1964 第二次大戦中の英国戦艦「ネルソン」や「ロドネイ」に装備されていた「40mmポンポン砲」なるものは、一体何に対して使用するどの様な構造のものなのでしょうか?
シンタ

  1. 主に「空を飛ぶもの」に対して使用する、「40mm機関砲をいっぱい束ねた」様な構造のものです。
    Lachesis

  2. ポンポン砲(pompom gun)は、もともとは第一次大戦中の1915年に実用化された砲で、広く装備されるようになったのは1916年度戦時計画の艦艇からですね。
    戦艦や巡戦には大戦間まで装備されませんでしたが、それだけ主力艦の防御力に自信があった、ひいてはそれまでの航空機の対艦攻撃力がそれだけ低かったということでしょう。
    2ポンドヴィッカースMk.IIポンポン砲 (2pounder Vickers MkII PomPom)というのが制式名称で、兵器の制式名に「ポンポン」とつけるセンスというのは並大抵のものではないように思われ、さすがは栄光に輝く大英帝国海軍であると感慨しきりです(ぉ

    口径40ミリ、最大仰角80度、発射速度毎分200発、砲身が水冷式なのはヴィッカースらしいといえばらしいかもしれません。
    単装、四連装、八連装の各バージョンがあります。
    発射速度がやや低い点を多連装で補おうという発想でしょうね。
    スペースが許す限り、30年代にはほとんどが八連装タイプになっています。
    四連装は2門ずつ、八連装は4門ずつが交互に発射するようになっており、英海軍の水兵には「シカゴ・ピアノ」の名で親しまれましたが、映像を見ると機織機みたいな動き方をしますね。

    欠点としては、弾薬の弾頭が薬莢からもげやすく、これによる作動不良が頻発したことが第一に挙げられると思います。
    マレー沖海戦でもプリンス・オブ・ウェールズのポンポン砲は、常に八連装のうちのどれか半分以上の砲身でそれが起きていたという報告があり、イロモノ一直線の二〇連装ロケット弾発射機に換えて装備した八連装ポンポンでしたが、不本意な結果に終わっています。
    地中海でもこれは大問題となり、結局弾薬は改良されてポンポン砲は大戦を戦い抜きますが、40ミリボフォーズに追いやられてかなり肩身の狭いことにはなっていました。

    まなかじ

  3. 構造は
    http://www.warships1.com/Weapons/WNBR_2pounder_m8.htm
    を参照して下さい。

    SUDO

  4. ああ、追加。
    上のリンクからも飛べますが
    http://www.dockmuseum.org.uk:8180/barrow/vickers?n=21612&c=Armaments&k=40mm&t=Naval%20Weapon&s=Naval%20Gun
    こっちの方が構造は判りやすいかなと。
    SUDO

  5.  便乗と言うか、追加というか、質問です。ポンポン砲は、本来は水雷艇などの撃退用と聞いた覚えがあるのですが、こちらの用途は考えてないのでしょうか。それとも大型艦では対空が主の両用砲なのでしょうか。
     小型艦では完全に両用砲?扱いだったような…回答を読んでいるうちに気になってしまいました。よろしく御願いします。
    タンジェント

  6. ポンポン砲は機関銃で有名なヒラム・マキシムが 1890 年頃に開発したもので、最初は1ポンド 37mm でした。作動原理はマキシムMGと同じトルグド・ショートリコイルです。世界各国でライセンス生産され、同じ1ポンド 37mm でも 37x69R, 37x94R, 37x101SR, 37x137R など多くのバリエーションがありました。第一次大戦後の 1915 年に 弾頭を大型化した 37x123R 弾を使う 1.5 ポンド版が完成しますが、1920 年頃により高威力化した 40x158R 弾の2ポンド 40mm 版が完成します。
    37mm 版の初速は 300〜500m/s という低いもので、どちらかと言うと炸裂弾を連射するグレネードランチャー的に使われたようです。米海軍の「ヘビー・パウンダー」37x137 版は 640m/s と比較的高初速、40x158 版は当初 620m/s でしたが、第二次大戦では対空用として 730m/s に初速を向上した 760g 軽量弾(オリジナルは 900g)が使用されました。

    ささき

  7. 「トルグド」って何だよ…(;_;) 「トグルド・ショートリコイル」の間違いです。機関部の中にでっかい蝶番(ルガー P08 の遊底みたいなの)があって、それがガチャンコガチャンコと動いてボルトの閉鎖・開放を司る機構です。
    ささき

  8. >5
     #6でささきさんが述べられているように、飛行機が登場する前から開発がスタートしていますので、最初の目的は対空用途ではなかったのは事実でしょうね。
     1890年代以前の、対水雷艇・対駆逐艦用の火砲としては25mm程度の機銃(何本も束ねたような代物)からスタートしてますので、37〜40mm級機銃を用いるというのは至極普通の発展だったと考えられます。
     ただし、魚雷の発達や水雷艇の大型・高速化から、こうした小口径砲は射程と威力の両面で1890年代あたりから完全役立たずに成り下がっています。各国の対水雷艇火砲は第一次大戦前あたりで76〜102mm級に、第一次大戦末期以降は120〜150mm級になっています(必ずしも対水雷艦艇だけではないのですが)
     よって、射撃が可能な条件にあれば投入を躊躇う事はありませんし、艦艇の武装の大半は撃てるなら撃つのが基本ですので、両用火器であるというのは事実です。
     もっとも、空母グロリアスと護衛の駆逐艦と交戦したシャルンホルストの場合、重対空砲(105mm)すら水上戦闘の邪魔だから撃つなと言われ、対空機銃は敵の魚雷が見えたらそれを撃てと言われてました(まあ各国によって使い方は異なりますが)大口径砲の発砲は爆風が凄く、主砲等をメインに使う場合、機銃と要員が甲板上をうろつくのは邪魔であるのもまた事実です。
    SUDO

  9. >6
    あぁ、また間違い見つけた(;_;)。「第一次大戦中の 1915 年に 1.5 ポンド/37mm 版が完成しましたが、戦後の 1920 年頃に 2 ポンド/40mm 版が完成して主流となります」と書きたかったんです。
    ささき

  10.  SUDO様、おかげさまで一寸した痞え(こんな字とはしらんかった)が取れた気分です。ありがとうございました。
     WW2英国海軍小説で、Eボート相手にポンポン砲があればイチコロなのに、と毒づくシーンを読んだ記憶がありましたもので。
    タンジェント

  11. >10
    や、確かに魚雷艇あたりならばズタズタにできますね。
    英海軍が対Eボート用に整備した機動砲艇MGB(Motor Gun Boat)は、1942年から1944年中頃までの建造分では確かに単装ポンポン砲2門を主兵装としていまして、ドイツ魚雷艇が跳梁する近海での小船団の護衛やパトロールに大いに活躍を見せてます。
    ちなみにEボートというのはEnemyのボートということで、英海軍内でのドイツ高速艇一般を指すもので、要するに魚雷艇と機動掃海艇を一緒くたにした呼名です。
    当のドイツ海軍は、魚雷艇はSボート(Schnnel:高速)、機動掃海艇はRボート(Raum:本当はaにウムラウトがついて清掃)と呼んでいます。
    まなかじ

  12. 恐らく、これも絶大な誤解があります。

    魚雷艇というのは、機動艇に武装をしていろいろ便利に使いましょうって考えの延長に有るもので、大型戦闘艦の艦隊に突撃かます事は基本的に想定していません。
    それをすると主砲・副砲・高角砲・機銃の猛烈な火力に粉砕されてしまうからです。
    (勿論狭い海峡とかで襲撃することもありますが、基本的に目的ではないのです)
    よって大型戦闘艦の側も態々魚雷艇対策をすることも普通はしません(特定状況でしか脅威にならない存在ですので)
    この手の小型舟艇で襲撃をする事は、大型艦の武装と速度が向上する19世紀にさっさと無理になってしまったのです(そのため、水雷艇も大型高速化して最終的に駆逐艦になってしまうのです)
    よって、機銃で魚雷艇云々というのは、大型戦闘艦艇からしたら馬鹿みたいな「考えるまでもない」話なのです。やってきたら主砲と副砲で出迎えれば、それで終わりますから。
    もしくは、チャンネルダッシュのように、見方機動艇を連れてきて警戒させても良いでしょう。魚雷艇を始めとする機動艇戦力は島嶼や海峡といった特定状況においてのみ使う戦力であり、汎用艦艇とは根本的に考え方も特性もかみ合わない代物なのです。
    SUDO

  13. >11、12 まなかじ様、SUDO様、御付合い下さって感謝。小生の質問が中途半端なため、要らぬ手間をおかけしたようで・・・魚雷艇が大型艦、ましてや艦隊に攻撃をかけることなど、余程特別な場合を除いてありえないことは、承知していたつもりでしたが、自分の質問を読み返す限り、そうと想定しているようにしか読めませんね。
     つまりはもとのシンタ様の質問通り、戦艦のポンポン砲は対空用と言うことですね。
     なお引用した場面は、E-ボート(S−ボート)相手にポンポン砲が故障したコルベットの話でした。
    タンジェント


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