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1967 1959番の質問でKleistさんが戦艦「ローマ」のことを
「軽装甲戦艦」
とおっしゃってますが、それほどまでに戦艦「ローマ」は装甲が薄かったのでしょうか?
同じフリッツXでも軽巡洋艦「サバンナ」は沈没すらしなかったのだから、「ローマ」は物凄い薄っぺらい装甲に見えますが。

カルロス

  1. うーん、戦艦史上、ローマより厚い装甲を持った戦艦は大して多くありません。
    例えば舷側装甲でローマより厚いのは、大和とネルソンと、大昔の複合装甲時代の艦ぐらいじゃないかね?
    まあ、甲板装甲はあまり厚くは無いのですが、主要部は100〜160mmあり、その上に数層の甲板がありますので、戦艦時代最終世代として見ても決して弱装甲ではないと思います。
    勿論、比較対象のサヴァンナなんかローマに比べたら紙切れみたいなものです(一万トン巡洋艦としては防御性能の良い艦ですが)
    ローマの沈没原因は爆弾に弾薬庫を抜かれたからではなく、爆弾の炸裂によって生じた火災を消す事が出来ず、最終的に弾薬庫に火が回ってしまった事にありました(まあ、ローマの爆発は爆弾を食らってから20分あまり後だそうですので、かなりやばい場所に当たったのも事実です)言うならばダメージコントロールの失敗です。
    同型艦のイタリア(旧名リットリオ)もローマ被爆時にフリッツXを直撃1至近弾1を食らってますが、別段支障なく航行してます。

    またサヴァンナは第三砲塔に食らっており、爆沈の危険もありましたが、懸命の消火作業でこれを食い止めてます。
    両者の命運を分けたのは装甲ではなく、ダメコン能力にあるのではないかと思います。
    (まあ、砲塔に被弾したぐらいで爆沈するのは如何かと思いますが)
    またサヴァンナは船体上部というか外にある砲塔の被爆で済んだのに対して、船体内部で炸裂されたローマや、同様に船体内部で炸裂したウォースパイトの方が被害が大きいのは当然の事だと思います(戦艦等の甲板装甲は船体内部にあります)
    爆弾や砲弾は何処に当たるかでもかなり被害が変わってくるものですので、簡単に装甲云々の問題ではありません。
    SUDO

  2. >質問者
    ・・・というか
    装甲厚6インチ(152ミリ)あれば800キロ徹甲爆弾の
    水平爆撃に耐えられるものの100ミリしかありませんので
    それをさしています。
    ロンドン条約失効後の米英日の新戦艦は140ミリ以上のはずで
    100ミリというのはワシントン条約で廃艦になった
    土佐クラスですね。

    あと、1.4トン爆弾を高度5500メートルから投下しても
    一万トン超の巡洋艦、戦艦はその衝撃や炸薬でバラバラになるものではなく
    誘爆を引き起こさないと、撃沈には結びつかないということでしょうね。


    Kleist

  3. >2
    訂正
    800キロ徹甲爆弾の水平爆撃に耐えられるものの

    800キロ徹甲爆弾(5号以外)の水平爆撃に耐えられるものの



    Kleist

  4. >2
    数字のマジックですな、ヴィットリオ・ヴェネト級の装甲は、中央部で防御甲板100mm、その上が12mmと36mmで約150mm、つまり6吋近いです。弾薬庫近辺になると、たしか合計で200超えてます(これはアイオワより厚いです>アイオワじゃその下にも弾片食い止め機構を持ってますので総厚では上ですが)
    つまりヴェネト級の甲板防御は6〜8吋級で、場所によって異なるという程度であり、これは条約型戦艦の平均的数字である合計約7吋と比較しても決して劣るものでは有りません。
    SUDO

  5. おまけのゴミレスです。
    米新戦艦とヴェネト、弾火薬庫水平防御をまとめてみました。
    大和はおまけ。(X+Y)=貼り合わせ
    (X〜Y)=(内舷部〜外舷部)
    単位はミリ。クラスB&AOD&MNCが主装甲です。
    他はSTSやDSです。

    アラスカ
    上甲板[35.56]+中甲板[(71.12B+25.4)〜(76.2B+25.4)]
    =[132.08〜137.16mm]

    ノースカロライナ
    上甲板[36.83]+中甲板[(91.44B+35.56)〜(104.14B+35.56)]+
    下甲板[15.875〜19.05]=[179.705〜195.58mm]

    サウスダコタ
    上甲板[38.1]+中甲板[(127B+19.05)〜(134.62B+19.05)]+
    下甲板[15.875]=[200.025〜207.645mm]

    アイオワ
    上甲板[38.1]+中甲板[(120.65B+31.75)〜(127B+31.75)]+
    下甲板[15.875]+弾片防御甲板[15.875]=[222.25〜228.6mm]

    ミズーリ(アイオワ級3〜6番艦)
    上甲板[38.1]+中甲板[(120.65B+31.75)〜(127B+31.75)]+
    下甲板[19.05]+弾片防御甲板[15.875]=[225.425〜231.775mm]

    モンタナ
    上甲板[19.05+38.1]+中甲板[(147.32B+31.75)〜(154.94B+31.75)]+
    下甲板[15.875]+弾片防御甲板[15.875]=[267.97〜275.59mm]

    ヴィットリオ・ヴェネト
    上甲板[36+9]+中甲板[(12)〜(14)]+下甲板[162AOD+9]=[228〜230o]

    大和
    最上甲板 [(12+18)〜(20+18)]+上甲板[16〜25]+
    中甲板[(200MNC+10)〜(230MNC+10)]+弾片防御甲板[9]=[265〜312mm]

    単なる合計値は実質的防御力からは乖離した何の意味も無い数値ですが御参考までに。大和の主装甲230o部も傾斜してますから平坦部よりむしろ弱いと考えるべきですし。
    本筋に戻りますと、御覧の通りヴェネトの水平装甲は全然弱くないんです。
    比較対象は排水量的にはダコタとするべきですし、アイオワ級と比較しても遜色ありません。
    諸書によって水平装甲の数字は取上げる部位や合計値などの採用で全然違いますので、内容をよく確かめないと間違った結論に到達してしまいますよ。
    戦艦乞食

  6. 一番お手軽な資料である世艦増刊「イタリア戦艦史」でも207mmです。
    Kleistさんが用いた100mmという数字は本当にごく一部だけ取り出したものかと思いますが、
    ソースは何でしょうか?
    勝井

  7. >6
    SUDOさんの御指摘にあるように缶室上部(艦中央部内舷部)の主装甲の数値でしょう。「イタリア戦艦史」にもあるように。
    ですから間違いとも言えませんし、この数値をとりあげるなら逆に米新戦艦も主装甲である4〜5インチの値で比較する必要があるんじゃないでしょうか?
    戦艦乞食

  8. >内容をよく確かめないと間違った結論に到達してしまいますよ。
    戦艦乞食氏

    いいことおっしゃいますね。
    「フリッツXに装甲貫徹されたから軽装甲」
    「軽装甲だからフリッツXに貫徹された」
    といっているわけなので、弾火薬庫上の装甲厚を引き合いにだすのは
    どうかと思いますよ。

    戦艦乞食さんはわかってらっしゃるしょうですが
    100ミリ+36ミリ+12ミリで合計すると6インチに相当するというような
    装甲厚の合計をしてもダメでしょう。ただの数字のトリックです。
    というかわかっていないようですねえ。

    フリッツXの装甲貫徹能力がわかっていれば
    4インチから6インチまでの装甲厚がフリッツXが貫徹できるか出来ないか
    大いに関わっているということがわかるんじゃあないかな。
    Kleist

  9. >8

     そうですね、第二次大戦のイタリア戦艦史である「Regia Marina」(1986)によれば、二発目のFX-1400は左舷後方より二番主砲塔と左舷前部副砲の中間部に当たって艦内に突入してますから、ローマに命中したFX-1400は水平装甲を抜いたとすれば、弾火薬庫部上部の水平主装甲部である150mm+12mmの部分をぶち抜いた事になりますね(ローマが二発目を第二砲塔左舷部分に喰っているのは、同艦の爆沈直前の写真で確認できます)。弾薬庫部分の水平装甲厚が一枚板で149mm厚の装甲を持つKGVだろうと張り合わせで約6in+の装甲を持つ米戦艦でもFX-1400の攻撃で水平装甲を貫徹される可能性があることが実に良く分かりますな。

     ああ、FX-1400の装甲貫徹力が公称で高度6,000mから投下した場合約130mmだというのは知ってます。それ故の発言だろうと推測してますけど、現実には水平部装甲三枚合計200mm以上、主水平装甲一枚でも150mm+12mmを抜いてるのも事実ですな。4inから6inの装甲差は多いに関係する可能性はありますが、ローマは事例は貴兄の前提には当てはまってませんね。
    大塚好古

  10. >9
    弾火薬庫上部を貫いて
    20分後に爆沈ですか・・・
    なにもいうことはありません。
    Kleist

  11. >8
     だから・・・最初に書いたんですけどね? 弾薬庫近辺に当たってると。
     抜けてないと思うけどねと。
     そして弾薬庫近辺の装甲で言うなら他国一級品と同等以上のレベルであると。
     つまり#8の
    >「フリッツXに装甲貫徹されたから軽装甲」
    >「軽装甲だからフリッツXに貫徹された」
     は、大塚さんが述べられたように、他の戦艦「150mm級装甲」でも同じ事な訳です。
     kleistさんは#2で「100ミリしかありませんのでそれをさしています。」と述べられてますから、#8のそれとはまったく関係無いのでは?

     その上で、私は100mmと言っても上にも板あるからそれなりじゃんと言いました。これには人によっては異論もあるところでしょう。勿論一枚の150mmに比して有利かどうかは、恐らく突入してきた弾によっても異なるでしょう(被帽の有無や構造でも変わりますんで)
     このあたりは、私は影響力を簡単には判断できないので、突入路上の板厚全てを考慮すべきだと「個人的に」考えてるだけです。
     また100mmの上の板まで考えるなと仰るならば、#2で述べられた「ロンドン条約失効後の米英日の新戦艦は140mm以上」に反するのは戦艦乞食さんがノースカロライナで示されていると思います。果たしてノースカロライナの甲板防御が140以上になるのですか?140以上になるには上の板も考慮しないといけないのではありませんか?
     つまり、一部100mmの主防御甲板厚が「個人的主観」として足りない不足しているというのは、主観の問題として十分に理解できますが、それを「他国はもっと厚い」とか「フリッツXに抜かれた」とかの話を持ち出すならば、もう少しだけ史料を見てください。
     他国でも似たような厚さだったり、ヴェネト級はもっと厚い場所もあったり、フリッツXの被弾で意味を持ったのは、そのかなり厚い、他国の最新一級品と同等以上とも言える部位での話であった事を理解しておいてください。

     その上で、ヴェネト級は軽装甲と思うのでしたら、それはそれで結構な事なのではないかと思いますよ。
    SUDO

  12. >10

     Battleshipsの枢軸国戦艦版によればローマは1602時頃二弾目命中、直後に弾火薬庫誘爆。その後1611時沈没ですから、水平装甲を抜いて弾薬庫内で爆発した状況としては別に不思議はありませんね。一方のRegia Marinaでは 1550時頃二弾目命中、弾薬庫付近で火災、その後爆発(1602時頃?)、沈没ですから150mm部分は抜けなかった事になりますけど。まあどっちが正しいかはあの日地中海上のその地点にいた人間にしか分かりませんが、少なくともローマはSUDO氏の言われる「かなり厚い、他国の最新一級品と同等以上とも言える部位」にFX-1400を喰って沈められたことは事実です。
     

    大塚好古

  13. 便乗質問です。
    イタリア降伏後で回航中のローマにはどれぐらいの乗組員がいたのでしょうか?
    大塚さんの挙げられたRegia Marinaの例からすると損害に対応できるだけの
    人員が居なかったか、人員は揃っていても対応できる状態になかったではという
    疑問も出てくるのですが…。


    ルージュ

  14.  当日のローマの乗組員数は司令部要員を含めて1875名です。「イタリア戦艦史」によればヴェネト級の乗組員数は約1830名ですから、ほぼ定数に達する人数が乗っていたと考えて良いのではないかと。
    大塚好古

  15. ここのサイトによると2人の提督と86名の士官、1264名の水兵さんがお亡くなりになったようです(上の方で1253名とも書かれてるので?ですが)
    被弾時の写真とかも載っています。御参照下さい。
    こちらだと2発目は1550時、前部主砲弾火薬庫に被弾・爆発と書かれてるような・・・
    ttp://www.regiamarina.net/
    →Site Index →Other EventsのThe Sinking of the Battleship Romaです

    ヴィットリオ・ヴェネトの弾火薬庫装甲は大塚先生の御指摘により以下の数値の方が正しいらしいです、どうも申し訳ありませんでした(泣)
    上甲板[36+9]+中甲板[(12)〜(14)]+下甲板[150AOD+12]=[219〜221o]
    戦艦乞食


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