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1976 太平洋戦争では、潜水艦はどのように魚雷を撃ったのでしょうか?角度を微妙に調整するときは艦体でおこなったのでしょうか?それとも発射管が可動式だったんでしょうか?魚雷の方向舵はいじると魚雷がクルクル回ってしまうと思うのですが。全射線はなつときは後部発射管の魚雷はどこへ行ってしまうのでしょう?
亀さんこちら

  1.  以前にも似たような質問があったけど検索しても見つからなかったので。解答しておきます。
     微妙な照準は船体ではやりません。
     発射管は基本的に固定式です(船体上部に旋回式を乗せた艦もありますが、これは浮上時に使うツモリだったようです)
     という訳で、狙いを定めたら、発射管に装填されている魚雷を調停します。
     魚雷には縦舵(つまり方向舵)があり、基本的には内蔵ジャイロにあわせて真っ直ぐ進むように舵を切るようになってます。(色々な理由や影響から、真っ直ぐ進まないので舵を自律制御してるのです)
     この機構を利用しまして、発射後数秒したら舵を切るようにセットするのです。
     一旦発射管の向いてる方向に向かった後、任意の方向に向き直り、その後真っ直ぐ走っていくというのが第二次大戦時の魚雷の基本です。
     よって潜水艦の発射指揮装置は、自艦の向いてる方向と狙うべき方向の二つを計算して魚雷に切らせる舵の量を計算する装置が必要になります。
     また全射線で後方のも撃つかどうかはわかりませんが、その場合は放たれた魚雷は大きく旋回して目標に向かう事になります。
     また放った艦の移動速度とかも魚雷は影響を与えてますので、実はかなり色々複雑な舵取りを魚雷はしていることになります。

    SUDO

  2. SUDOさん、ありがとうございました。だけど、昔は魚雷撃つの大変だったんですね。それに、まずあたらなそう。方位盤はニコン製だったみたいですね。タイガー計算機も搭載してたそうですが、ほんとかな?
    亀さんこちら

  3.  方位盤等の製造は日本光学工業、後のニコンで行われました。
     またタイガー計算機かどうかは知りませんが、機械式の計算機で発射諸元を計算しています。
    また敵も自分も常に動いてますので、一旦調停しても発射まで時間がかかると折角の調停がパァですので、潜望鏡からの信号を常時追尾して随時発射直前まで調停を変えていくとか、色々な装置がついてました(このあたりの進歩は米国が凄いです)
     でも、まあ、第二次大戦レベルの潜水艦と魚雷でも、相手が真っ直ぐ進んでれば結構当たりますんで、そう捨てたものではないですよ。
    SUDO

  4. 便乗質問お許しください。
    上記のような発射方法は水上艦では行われなかったのでしょうか。
    水上艦についても発射管が旋回するとは言え,発射のタイミングには苦労しているような印象があるのですが。
    山奥の人

  5. >4
     ええ、かなり苦労しています。
     基本的には潜水艦と同じで、的針的速算出装置、自艦針路速度を確認する装置、それらから照準諸元を算出する装置、更には横向きに撃つので横偏修正機能等があります。
     駆逐艦の場合は、方位盤と発射指揮盤、巡洋艦はこれに加えて射法盤を備えていたようで、占位盤(敵の未来位置を計算する)も一部の巡洋艦には装備されたようです。
     巡洋艦には駆逐艦よりも高級高機能な装置(嵩張るという事も重要)が備えられてますが、駆逐艦にも時代が経るにつれてそれなりに高級な指揮装置が導入されていきますが、それなりの方位盤ですら90式以降ですので、10〜15年で随分とこれらの装置も進歩したり代替わりしているようです。
     また新型の指揮装置の導入に伴って、一部の駆逐艦や巡洋艦では発射管の改造もされてます
     ですが、特に駆逐艦では発射寸前の僅かな時間で諸元を定めるのが大変で(計算装置が少なく、また観測装置も少ない)諸元を修正できずに発射できない場合もあったのです。
    SUDO

  6.  あの〜 便乗質問ですが 水上艦の旋回式魚雷発射管は 魚雷を撃つ時に 好きな方向に発射管を向けて魚雷を撃っているのでしょうか
     私は 発射管は85〜90度旋回させて(艦の針路が0度だと 右舷発射管を85〜90度、左舷発射管を270〜275度に向ける)魚雷を撃つのだと思っていたのですが
    セミララ

  7. >6
     発射管の角度を固定して、艦の針路とそして斜進角調停で撃つ事もありますし(演習中の写真でも見てもらえればわかると思いますが、別に90度にしてる訳でもないです)斜進角を予め固定しておいて、発射管の向きを変えて発射する方法もあります。

     魚雷戦では90度等に発射管方位を固定して狙う事が多いのは、そうした方が複雑な諸元を計算するのが楽だからですね。
     よって、指揮所が生きてる場合は、魚雷に複雑な諸元を与える事で発射管角度を固定して用いる事が多く、反対に指揮所に多くを期待できない状況下(指揮装置が無い旧式艦とか損傷等)では発射管が直接狙う事になり、この場合は斜進角算出装置等が無いので、そういった見越し角修正を行えず、魚雷を直進にセットして発射管の向きで見越し量を与えて発射します(何の事はない大砲と同じ)

    SUDO

  8.  ああ、なんか余計にわかりにくいかも、と思ったんで簡単に補足説明。

     各種の計算装置と観測装置の役割は、自艦と敵艦の相対的な位置を出して、魚雷に与えるべき方位を算出する事にあります。
     つまり最終的には「何度の方位に魚雷を向けろ」と出すわけです。
     この場合、魚雷が真っ直ぐ進むだけならば、発射管に「何度に向けて撃て」と伝えれば解決します。
     ですが、これですと細かい技には向いてません(微妙な開角等で敵艦を包むとか)
     よって、ちゃんとした指揮装置がある場合は、魚雷に発射後に向きを変えさせて、微妙な針路を取らせる方が総合的に有利です。
     ですが、この場合、発射管が向きをほいほいと変えてしまうと、折角魚雷に「発射後に針路をちょびっと右に向けろ」とか入力したのがパァになってしまいます。
     よって、そういった小技を使った発射をする場合は、発射管の向きは固定されていた方が望ましいのです。

     さて、こうした発射指揮装置を用いる事で、狙った場所に素敵な形で魚雷が無航洋にセットする事は可能になりましたが、実際には発射装置からの調停信号を手動で魚雷に入力するので、ここで入力に手間取ってると、せっかくの調停信号が古いデータになってしまい、魚雷は変な方向に走っていくことになります。このあたりの動作の機敏さも技量でした。

    SUDO

  9.  >7&8 SUDO さん

     返事が遅れて申し訳ありません

     >演習中の写真でも見てもらえればわかると思いますが、別に90度にしてる訳でもないです

     私は 発射管を艦と直角に向けている写真しか見たことがないんです(泣)
     発射管を艦と直角にしないと 着水前に 雷体が艦のどこかと接触しそうだし その他 様々な事情で 魚雷を直角に撃つのだと思っていました
     でも 発射管に照準望遠鏡が付いているくらいだから 直角にする必要もないのでしょうね
    セミララ

  10. >9
     日本軍の事例ですと、発射管は圧縮空気で魚雷を打ち出すのが一般的でしたので、状況に応じて打ち出す威力を変える事で斜め方向に向けた場合の安全性も確保できていたようです。
     そして予備機構である火薬発射装置も色々工夫された結果、無焔火薬DB60を900g用いる事で、前後方15度旋回でも支障なく発射できるようになっていました。
     勿論、この火薬発射も酸素魚雷に対応しています(酸素漏れしていても支障なし)
    SUDO

  11.  全長方向と直角の角度から前後15度ですか...
     結構 自由度が有るといえばよいのかな
     ところで この角度も 艦によって変わってくるのでしょうね
     5500t型の 舷側にある2連装発射管は もっと自由な角度で発射できそうだし 阿賀野型巡洋艦や伊吹型巡洋艦の 中心線上の4連装、5連装発射管は もっと狭い範囲でしか発射できなさそうだし
    セミララ

  12. >11
     ああ、すいません。説明不足でした。
     この新型火薬発射装置は12年式3連装(睦月・特型)のスペックでして、他の発射管ではまた異なるスペックであったようです。
     また前述したように空気発射では圧力をもっと上げられましたので、実用上は問題は無かったと思われます。
     なお、伊吹の船体中央の五連装は発射管ではなくて、旋回装填装置ではないでしょうか(魚雷の対舷移動装置・格納装置兼用の5連装旋回式装填台が重巡用に開発されてました)
    SUDO

  13.  >なお、伊吹の船体中央の五連装は発射管ではなくて、旋回装填装置ではないでしょうか

     それは知りませんでした
     ところで この旋回式装填装置は1連管分の魚雷(5本?)しか収められていないものなのでしょうか
     それとも数連管分の魚雷が用意されているのでしょうか
    セミララ

  14. >13
     実際の艤装を知らないので断言は出来ませんが、妙高型に搭載を考えた時には、どうも8本の予備魚雷を置いていたようです。

    左舷    右舷
    発射管  発射管
      旋回装填
      予備魚雷

    こういう感じでしょうか>ブラウザによっては崩れると思いますが(汗
    旋回装填装置が5本になっていたのは魚雷入れ替えの便の都合らしいです。
    また、この装置は単なる次発装填ではなく、対舷移動が容易である事がウリだったようです(発射管から、この旋回台に魚雷を戻して、旋回台の向きを変えると、反対舷の発射管にそのまま装填ができる)

     まあ、日本海軍は魚雷が好きだったんだなと、そう言うことでしょう。

    SUDO

  15.  多分理解できたと思います ありがとうございました
     今までは片舷の発射管内と次発装填装置内の魚雷を全部ぶっ放してしまえば 反対舷にいくら魚雷が残っていようとも もう発射できませんものね(大斜進で発射するとか 戦闘を一時中断して微速の状態で魚雷を移動させるという手もあるけど)

     >まあ、日本海軍は魚雷が好きだったんだなと、そう言うことでしょう。

     是非 6連装発射管4基、旋回式次発装填装置2基、予備魚雷格納所2、魚雷搭載数48本の重巡を作ってほしかった
    セミララ


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