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2059 自衛艦や巡視船を観察していると、構造物外壁の床面から15センチ位の高さまで、壁面部とは違う(甲板とも違う?)塗料が塗られていますが、あの塗分け部分は何と呼ばれているのでしょう? 又、どのような意味があるのでしょうか?
よろしくおねがいします。
リトルE

  1. 裾塗りといって、甲板の色を、壁面の下部150mm〜300mm(場所によって違う)に塗っています。艦内区画でも、同様ですが、場所によっては行わない区画もあります。
    理由は、、、、よくわかりません(汗)
    しかし、日常作業として、塗りなおしをする際、よく行う甲板、床に対して壁面はあまり行われないでしょうから、塗りしろ、ではないでしょうか?
    Lachesis

  2.  推測ですが、建物における幅木と同じ機能の部分と思われます。つまり床と壁、異なる仕上げの間の収め代ではないかと。塗装の場合でも塗り分けを行なうのに、床と壁のコーナーより、立ち上りの部分をつくるほうが簡単できれいに行なえます。

    タンジェント

  3. Lachesis様>
    タンジェント様>

    ご回答ありがとうございました。
    巡視船をよく見るとあの部分だけ「灰色」(甲板は「緑」ですよね)できれいに塗分けているので、水線部塗料の様な特殊な物の気がしたのですが・・・。
    今度、職質された機会にでも聞返して見ようかな。(^^;

    リトルE

  4. 裾塗りの主な理由は、↑2ご指摘の収め代に加え、防蝕上の配慮があります。

    鋼船では壁面と床面との接合には溶接が主用され、溶接部には小さなRをつけてきれいに仕上げる設計になっていますが、実施工上は細かい凹凸が避けられません。
    また、2種類以上の塗料を塗り分ける場合、塗り分け部には材質の相違による細かい微小な隙間や経年劣化によるひび割れが生じやすく、特にR部等の非平面部ではその可能性が高まります。

    このため、Rのある立ち上がり部を塗り分け部としたなら、塗装面の隙間やひびからしみこんだ水が塗装面下の溶接部の凹部に小さな水溜りをつくり、鋼板の腐蝕が進行する心配が出てきます。
    もちろん塗り分け部を床面からやや上がった壁面下部にした場合でも水の浸入による腐蝕が完全に防止できるわけではありませんが、直接立ち上がり部で塗り分ける場合よりはかなりその恐れを軽減できますから、裾塗りが多用されているものです。
    なお、ほぼ常時海水上にある艦船では、内部でも防蝕を重視する必要があるので、船内でも裾塗りが多用されています。
    はつゆき

  5. はつゆき様>

    詳しい解説ありがとうございました。
    艦船の塗装ネタは奥が深いです・・・。

    リトルE


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