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2197 先日、江田島の旧海軍兵学校に行ってまいりました。
野外展示の、魚雷発射管と高角砲の間にあったものがなんだか分からないのですが、そこに行った方でお分かりになる方がいらっしゃいましたら、お教えください。爆雷の発射装置かとも思ったのですが、良くわかりません。
五十六

  1. ヘッジホッグではないでしょうか?
    GO

  2.  もし、http://www.ussengland.net/DE635/images/hedghog.gifなら、ヘッジホッグです。第二次大戦中に開発された対潜用のロケット弾発射機です。

    hush

  3. ご紹介いただいたページに載っていたものだと思います。
    ヘッジホックって、イギリスの奴でしたよね?あれにUボートが散々苦しめられたという・・
    五十六

  4.  ロケット弾と書いてしまいましたが、迫撃砲ですね。http://www.warships1.com/Weapons/WAMBR_ASW.htm(定番のページ)に解説が載っておりますが、イギリス海軍が開発した対潜兵器です。
     ソナー(イギリス海軍ですからアスディックと書くべきかな)は艦首側にありますが、これは推進器音に紛れて潜水艦を探知できないからです。一方、爆雷は艦尾側に置かれます。爆発時の衝撃により船体に被害が生じないように速やかに離脱する必要があるからです。
     前方の潜水艦は探知できるが、後方の潜水艦は推進器音に紛れて探知できないので、爆雷発射直前には目標の探知が出来ないことになります。この問題を解決するために、爆雷を前方に飛ばすというアイデアが考え出されます。
     この考えで実用化されたのがヘッジホッグ(hedgehog、針鼠)で、一度に24発の小型爆雷を37mから183m前方に発射することが可能でした。直径18cm、自重29.5kgの爆雷はボーリングのピン状の形状をしており、15.9kgのトーペックス火薬を収めていました。24発のうち1発でも爆発すると、残りも爆発するようになっていました。
     しかし、爆発音によってソナーが一時的に使えなくなるのことにより、その間に潜水艦が逃れてしまうことが問題となり、船体に命中したもののみ爆発するようにした物が開発されました。これがスキッド(squid、イカ)で、誘爆効果を期待できないので炸薬量は94kgと約3倍とされ、これを305mmの迫撃砲で打ち出されることになりました。沈降スピードも毎秒13.3mとヘッジホッグの約7m毎秒より約2倍に向上しましたが、大型化した関係で3門しか装備できないことになりました。リンボーもアスロックもこのアイデアにそって開発されております。

    hush

  5. ご丁寧に解説ありがとうございます。
    なぜ江田島にあるのか調べてみます。

    五十六

  6. 便乗質問です。
    以前から疑問に思っていたのですが、ヘッジホッグの誘爆機構はどんなものだったんでしょう?
    satoski

  7. >5
     江田島で屋外展示されている兵器の一部は、昭和46年に退役した護衛艦『わかば』(DE261)に装備されていたものと聞いています(同艦は江田島で解体されたそうな)。ヘッジホッグもその一つだったかと。ちなみに『わかば』は旧海軍駆逐艦『梨』を戦後引き上げ再生した艦でした。
    ブラック・タロン

  8. >7アァ、そうなのですか。調べなくても分かりました。ありがとうございます。
    本当にすばらしいページだと思います。ここは。
    これからもここでお勉強させていただきたいと思います。
    五十六

  9.  はるかぜ級、あやなみ級、むらさめ級、あきづき級、あけぼの級、いかづち級等、海上自衛隊の初期の護衛艦のほとんどがヘッジホッグを搭載しておりました。いすず級ではヘッジホッグに代わって1、2番艦がMk-108、ロケット・ランチャー、3、4番艦がボフォース・ロケット・ランチャーを装備(1、2番艦も後日換装)しており、やまぐも級になるとアスロックも装備するようになります。このあたりで、ヘッジホッグは駆逐されるわけですが、多くの艦艇に搭載され、最後まで搭載していた艦艇が多いようです。
     以上、補足です。

    hush


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