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2207 WWII対潜兵器の常道、爆雷。日本海軍は従来のドラム缶型爆雷では水中弾道性が悪く、大戦中期になって砲弾型に形状が洗練された二式爆雷が採用されていますが、Uボート関連の映画、戦記漫画を見ていると相手側(専ら米英ですが)駆逐艦は相も変わらずドラム缶型爆雷を使用しています。

諸外国では日本海軍の二式爆雷のような形状の爆雷は無く、「ドラム缶型爆雷→ヘッジホッグ」といった急な進化がなされたのでしょうか?
紀伊国屋

  1.  艦載用涙滴型爆雷としては米国のMk9爆雷(1942年採用)がありますが、ドラム缶型のMk6に比べて小型で危害半径が小さいことから、Mk6等と併用して使用されています。英国では前投兵器スキッド用の爆雷を除いて、艦載用爆雷に涙滴型はありません。

     なお、英米では既存のドラム缶爆雷に対して沈降速度を速める・炸薬の改良による危害半径を拡大する等の改正が行われているのも、この両国で艦載用の涙滴型爆雷が余り普及しなかった理由の一つになったと思います(大戦中期以降英艦が使用していた標準型爆雷であるMkVII Heavy爆雷の沈降速度は米のMk9爆雷初期型よりやや勝っていました)。
    大塚好古

  2.  二式爆雷は通常のドラム缶型で、沈降速度改善をしたのは三式爆雷です。
     日本軍が三式のような爆雷を開発したのは、日本軍の爆雷の沈降スペックが毎秒2mと相当に遅かったからなんです。
     日本軍の爆雷改良は主として沈降深度の増大と量産性改善が主であったのですが、沈降深度が浅かったので、沈降速度問題が深刻ではなかったのです(そして深深度に戦場が移行して、沈降速度問題が起こった)
     敢えて言うなら、従来型の改善をすっ飛ばして涙滴型爆雷へと急に進化してしまったのが日本の爆雷だったのです。

     日本軍の戦前からの対潜爆雷戦術は、潜望鏡発見>敵潜が深く遠くまで逃げる前に高速で突進>爆雷投射という流れが基本でした。
     この戦術では、爆雷は比較的浅い深度でばら撒きます。よって沈降速度問題は深刻ではなく、というか爆雷の爆発危険域が大きいので、浅深度で爆発させると爆雷投下艦にも被害がきます。爆雷が爆発する前に投下艦が危険域から脱出するには、あまり沈降速度の高い爆雷は困るのです(低速艦で投下する場合はパラシュート型のブレーキを爆雷につけたほどです)
     この浅深度爆雷戦を前提としていた日本軍の爆雷は大戦の実体に適合せず(突進して返り討ちにあう艦が続発)敵潜水艦をじっくり探してゆっくり追い詰める戦術へと移行せざるを得なくなり、結果として大深度戦に対応した高速沈降爆雷の必要性が出てきたのです。この戦術の切り替えが日本の爆雷の急速な変化の原因だったのです。
     日本が「今までの戦術はまずいじゃん」と気が付いたときには、日本の爆雷はあまりにも旧式なものだったので、色々必要な機能・性能を盛り込んだ結果、新型爆雷になってしまった訳だったのです。
    SUDO

  3. 質問者です。

    大塚好古様、SUDO様、ご回答ありがとうございます。涙滴型は二式ではなく三式でしたか。記憶違いで申し訳ありません。なお、その形状、スペックは「軍艦雑記帳(T模型刊)」「日本の駆逐艦(グランプリ出版?)」で知りました(本自体はかなり以前に多少開いた程度です)。

    諸外国でもドラム缶型はそれなりに長期間使用されていたわけですね。ドラム缶型が強威力という点、故に涙滴型と併用という点でも勉強になりました。重ねてお礼申し上げます。
    紀伊国屋


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