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2236  第2次対戦で米英海軍が使った油圧式カタパルトの概略構造を教えてください。
 たぶん油圧ポンプでアキュムレーターに蓄圧し、射出時にはその油圧で油圧モーターを回し、モーターが増速装置を介したワイヤードラムを回してそのワイヤーがカタパルトのスリット内を動くサドルを移動させるのではないかと推定しています。しかし、そうであると確認できる資料を見つけられません。諸先輩方のご指導をお願いします。

gsz

  1. 質問者です。少し補足します。質問の1行目で対戦は大戦の誤りですので訂正します。スリット内を移動するサドルを引っ張るのは現在の技術ではローラーチェーンコンベヤまたは樹脂ベルトにでもしたいところですが、当時の技術ならばワイヤーではなっかったかと推定した次第です。また、過去のQ&Aでは油圧式カタパルトの欠点を射出間隔が長いこととしています。その原因はこのワイヤーの巻き戻しに時間がかかるためではないかとも思います。油圧の蓄圧に時間が必要ならばアキュムレータの本数を増せばよいので、その原因とはならないと考えています。
    gsz

  2. アキュムレータは蓄圧器でしかないので、本数を増やせば充填容積も増え、結果蓄圧に更に時間が掛かると思いますよ。それ以前にシステム的な脆弱性も増えますが。
    sorya

  3. 油圧モーターではなく油圧シリンダーではないでしょうか?!
    油圧シリンダーのほうが構造簡単で力も出ますが、ストロークが長く取れないので、滑車とロープの組合せでストロークを3倍程度にしていたようです。
    下図は2段掛け(ストローク2倍)の例です。
    ○が動滑車、←が油圧ピストンの作動方向、●が定滑車です。
    ロープを3段掛けにすりゃストローク3倍(力は1/3)になります。

             ==========−−−−−−(移動端)
            ≪○←       ●≫
    (固定端)−−−−==========

    アキュムレーターの充填容積は、油圧シリンダーのスウェプトボリューム以上である必要は無いので、油圧の蓄圧に時間が掛かるのは、油圧ポンプの能力不足によるものと考えられます。
    志郎家の番頭 




  4.          ==========−−−−−−(移動端)
            ≪○←       ●≫
             ==========−−−−−−(固定端)


    志郎家の番頭

  5. 質問者です。sorya様、志郎家の番頭様、早速の返答をありがとうございます。アキュムレーターに関してはその通りですね。
     志郎家の番頭様、シリンダーストロークの逓倍はそのようにできますね。私も昭和の時代に真空タンク中の動力用として耐熱エアシリンダーとチェーン、スプロケットの組み合わせでストロークを2倍にしてみたことがあります。まだトラブルなしで動いてはいますが、シリンダーストロークはせいぜい500mm程度でした。もしカタパルトのストロークを30mとすると3逓倍でも10m長さの油圧シリンダーが必要となります。使用圧力にも依るのかもしれませんが、1940年代にそのような長いシリンダー内面を必要公差内に加工できたのか。あるいはシリンダーを数本繋ぐのにしても少なくとも1/100mm単位の精度で加工してあったであろうシリンダーを組み合わせるのは大変だったろうと思います。また、ピストンは良いとして長いロッドの加工または組み合わせと言う点、また、ロッドの坐屈を思うと射出はシリンダーのロッド側から油を送るので受圧面積から不利でもあったろうと思います。更に射出速度の3倍になるピストンスピードにピストンシール等が耐えられたのかと言う点が疑問で今ひとつピンと来ません。そこを無理矢理、コスト無視でやるのが戦時中の技術なのかもしれませんね。もし、それらの一部でも出ている資料かホームページ(出来れば日本語、英語まで)をご存じならご教示下さい。
    gsz

  6. 3. は勘違いしてました。m(__)m
    下図の2段掛けだとストローク4倍です。

    <作動前>                   |
          ====−−−−−−−−−−(移動端)
         ≪○  ●≫
          ====−−(固定端)

    <作動後>           ←←←←←←←←|
        ======−−(移動端)
       ≪○←←  ●≫
        ======−−(固定端)
    志郎家の番頭

  7. 質問者様、勘違い(3.)およびミスカキコ(4.)済みません。
    なお、6.の例ですと、ピストンスピードは射出速度の1/4です。
    カキコに先だってGoogleで検索しましたが、英語、日本語とも(当板の旧スレを除き)、これはと云うのがヒットしませんでした。

    志郎家の番頭

  8.  志郎家の番頭様、お世話になっています。5.で書き込んだ「射出速度の3倍になるピストンスピード」は「射出速度の1/3倍」のミスでした。
     5.を書き込んでから「BEHIND ENEMY LINES」というビデオを見てきました。現代のスチーム式カタパルトのスリットを私の言うところのサドルが射出開始位置まで戻るシーンがありました。その戻りはゆっくりとしていて電気モーターで戻しているのかとも思いました。と言うのはエアのロッドレスシリンダではシリンダーに切ったスリットをピストンと一体になったパネルが動き前後を金属ベルトがシールするが少しエア漏れがするように、現代のカタパルトでは射出時には蒸気が漏れると聞いています。その戻りのシーンでは蒸気漏れはありませんでした。油圧式カタパルトでもサドルの戻し中は電動で戻していたのかとも考えます。もっともアメリカ空母では揮発性のある燃料への気づかいから電気モーターは控えられたとも聞いていますのではっきりと分かりません。ますます、油圧式カタパルトのメカが気になります。ゴールデンウィークは10連休中ですので明日はもう一度、図書館で調べてみます。
    gsz

  9.  英海軍が使用したBH系列のカタパルトの場合、使用する油圧シリンダーの数を増やすことによって射出間隔時間を短縮していますね(BH5の場合油圧シリンダー2本使用で1分間隔での射出、3本で40秒間隔)。

     なお、BH系列の場合はシャトルを戻すのも油圧モータの力をケーブルを通して伝えて戻しています。蒸気カタパルトのBS5やMk7の場合でも、シャトルを戻すのは蒸気カタパルトのシリンダーを押すのとは別系統にある回収用機構の油圧モータとケーブルで行っています(今のMk13もこの機構は特に変わってないと聞いています)。
    大塚好古


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