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2291 例えば戦艦陸奥は長門型戦艦、って言い方しますが長門級とも言います。級≠ニ型≠ヘどのように使い分けているのでしょうか?確か旧海軍でも海上自衛隊でもこんごう型とは言ってもこんごう級とは言っていないはずですが。
(日本艦艇の場合です。私の場合英米艦は〜級、日本及びその他の国では〜型と呼んでます)
ロックマン

  1. 前弩級、弩級、超弩級の例がわかりやすいですが、本来「級」は「そのくらいに匹敵分類できる規模だよ」と言うニュアンスで使われます。
    艦艇を明確に分類するなら「型」というのが正しいのです。
    だーくまたー

  2. 日本海軍の公式の命令や通達の文面上は「長門型」「ヨークタウン型」と書かれていますが、「級」が使われなかった訳ではありません。「長門級」「伊勢級」といった呼称も報告書等では多く見られます。今、我々がどちらを使うべきかと言えば、より公式な「型」だと思いますが、「級」と呼ぶことが全くの間違いという訳でもありません。
    BUN

  3. 公式図面などでも『型』となっていますので『型』が正確かと。
    個人的な意見ですが、私の場合は以下のように使い分けています。

    ・竣工時などほぼ同様の形態をしている時は『型』
    ・後天的な改装、製造時期によって明らかに艦容が異なる時は『クラス』

    例えば

    ・レイテ沖海戦時点の『高雄』と『愛宕』は『高雄』型、左記2艦に『鳥海』・『摩耶』を加えると『高雄』クラス
    ・護衛駆逐艦の『松』型と『橘(改松)』型を総称する時は『松』クラス
    1kdF

  4. もはや歴史的な用語について個人で用法を考え出しても混乱を重ねるだけではないでしょうか。
    実際に当時の文書上で「型」と「級」は混用されていますし、用例としてはむしろ「級」の方が多いような印象さえ受ける程です。両者とも「型」という意味で使われており、意味に違いはありません。
    BUN

  5. 私の知識の範囲内の事ではありますが、ご説明させて戴きます。
    結論から言ってしまうと、日本語表記における『級』と『型』の明確な使用法の線引きは存在していない模様です。

    これは、本来『級』が"Group"と"Class"、『型』が"Type"と"Model"をそれぞれ意味しているためで、
    級(Group)≧型(Type)≧級(Class)≧型(Model)というような関係になってしまっているのです。

    予備知識として、「同型艦/準同型艦」の定義を少々。
    「同型艦」 は、「船体線図、構造物の基本構造、機関・砲噴等の主要艤装が同一のもの」を指し、
    「準同型艦」は、「基本的に同一の船体線図を使用して建造されたもの」を指します。

    これは、船の建造に年単位の時間が必要であり、1隻1隻が手作りに近い多大な工数の建造物であるため、
    ボルトの1本1本まで全く同じ細部艤装を施す事が不可能であるためです。
    従って、文字通りの「同型艦(船)」というものは存在しません。

    つまり、「同型艦」は、"Class"または"Model"に該当し、「準同型艦」は"Group"または"Type"に該当することになります。

    例をあげますと、
    "Group"としてのスプルアンス『級』は、"Class"としてのスプルアンス『級』、キッド『級』、タイコンデロガ『級』を
    全て含むことになります。

    また、"Class"としてのスプルアンス『級』は、改装後の状況により"Model"としての原『型』、VLS装備『型』、
    トマホーク装甲ランチャー装備『型』に分類できます。

    英国の42型駆逐艦や22型フリゲイト等についても、"Type"と"BATCH"="Class"と考えれば説明が付くと考えます。

    さて、問題の海自艦艇の『型』表記ですが、これは基本的には"Type"としての『型』を表していると思われます。
    これは、機関艤装以外は全く同一の駆潜艇「わかたか型」と「みずとり型」が分離識別されていること、
    一・二番艦の建造時期が7年も異なり、細部艤装は全く別物の海洋観測艦「ふたみ」「わかさ」が分離識別されていないこと、
    また、煙路配置という基幹艤装が変更になっているのに分離識別されていない「あさぎり」からも推察できます。

    ただ、7〜8年前位のジェーン海軍年鑑には、「ちくご型」が "Frigate River Class"(川級フリゲイト)と記載されていましたので、
    (ちなみに、「あぶくま型」は"Frigate Abukuma Class"と記載されていました。)
    現在の巡洋艦-駆逐艦-フリゲイト-コルベットの艦種区分と同様に、各国それぞれで国際的にも用法は固まっていないようです。

    実は、日本国(自衛隊)内において『級』と『型』表記について具体的な規約が存在するものがあります。
    (ただし、私が在職中(12年前)の事なので、今現在はどうなっているかは不明ですが。)

    それは、主に旧ソ連・中国を代表とする共産圏の艦艇に対する呼称に関しての事項であり、
    ネームシップの艦名が明確なものをネームシップ名+『級』とし、
    (例:軽巡ジェルジンスキー『級』、ヘリ巡モスクワ『級』、空母キエフ『級』、北鮮フリゲイト ナジン『級』等)
    ネームシップの艦名が不明確なものは西側コードネーム+『型』とすると言うものです。
    (例:ミサイル巡カーラ『型』、フリゲイト クリバックI/II/III『型』、中国フリゲイト チャンフI/II『型』等)
    しかし、潜水艦についてはコード呼称+『級』と言う表記になっているので、やはり混乱が見られます。
    (例:アルファ『級』、ウィスキー『級』、ゴルフ『級』、ウィスキー『級』、タイフーン『級』等)
    このうち、アクラ 及び タイフーン 以外は「欧文通話表」の A〜Z がコードネームとして割り当てられています。
    また、既成艦改造の派生型については『型』表記となっています。
    (例:ウィスキー/キャンバスバッグ『型』、ウィスキー/ロングビン『型』等)

    ただ、これは西側諸国の艦艇の場合、ネームシップ名が進水時に明白となるために『型』表記の必要性が無いとも考えられます。

    以上、拙い説明でしたが、御容赦ください。

    元むらくも乗員


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