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2372 戦没商船のサイトを読んでいますと、「dutch submarine shinks」の記述に時々出会います。 潜水艦の作戦行動には それなりのバックヤードも必要ですが(全てをアメリカ・イギリスに依存しているとしても)、当時のオランダはナチ占領下のはずですが、そんな余力が有ったのでしょうか? 
本当の所はどんなものでしょうか? 
ご存知の方があれば、宜しくお願いします
甲標的

  1.  太平洋戦争開戦時蘭印に展開していた潜水艦部隊が対日戦で活動しています。蘭印陥落後も残存したオランダ潜水艦は、オーストラリア方面及びセイロン方面に下がってますが、その後も譲渡された元英潜水艦も含めて英海軍支援の下にオランダ潜水艦隊は対日戦での活動を継続しており、インド洋及びオーストラリア方面水域で哨戒任務に当たっています。この後大戦末期になると作戦水域が拡大しており、南シナ海方面においても作戦を行っています。
    大塚好古

  2. 甲標的さん、自分が蘭領スマトラの潜水艦乗員だったらどうしますか。本国からの訓令が出るのを待ちドイツの代表に、いまだ戦闘力を有す自艦を無瑕で引き渡すか、近辺の中立国である大日本帝国に投降して武装解除を受けるか、燃料の続く限り向かいの大陸にして英連邦、オーストラリアに脱出して活路を見出すか。
     軍艦と言うのは独立した一つの国家(の一部/を代表するもの)で、本国の余力やその存在実体とは無関係に活動しうるものだ、永年、ということを理解する必要があります。曰く自由ポーランド海軍、自由フランス海軍。
     祖国が解放されれば愛国者ですが、さもなくば傀儡の海賊という存在です。前者か、後者かは歴史が定めるものです。どちらの例にもいくつもの軍艦が存在します。
     最近の例では、イランのクウェート侵攻の頃は、甲標的さんはお幾つだったのでしょう、自由クエート空軍というのが、A-4スカイホーク(トムクルーズの映画'トップガン'では練習戦のアグレッサー(敵機)役以上のものではなかった)にクウェートマークをつけて空爆に参加していました。
     国に余力がなければその国民は何もできないと思うのは、おそらく日本人に特有の錯覚(therefore好きでeven ifがないと言われる)のような気がします。 そんなことがないのはどこの国でも同じで、この蘭潜水艦のような例は他にもあります。ぜひ海事史を興味を持って読まれることを願うものです。

    IWA

  3. >2. イランの → イラクの
    でした。 イランの方ごめんなさい。(汗;)
    IWA m(_ _;)m

  4. 早速の回答 有難うございました。 
    リタイア後のライフワークとして「戦没商船リスト(EXCEL?)」が出来ればなあ〜と、あらためて昔に収集した資料や各サイトを再読している初心者です。 宜しく ご教授、ご指導下さい。
    IWAさんの仰られる「軍艦は1つの国家」ですか・・ 日本なら、国民性や歴史から少し難しい発想なのかな・・ コミックで「沈黙の艦隊」とかが有りましたが・・ 私なら大西洋上で直接の敵、Uボートを狙いたい(条件を無視して)。 
    ついでで済みません。 何艘ぐらい活動していたのでしょうか? 船や食糧・弾薬は連合軍から補給できても、乗組員の補充は非常に難しかったのでは? 又、新たな疑問になりそうです。

    甲標的

  5. >2
    オランダ本国は対日戦争開始前にドイツに占領され、政府はイギリスに亡命しています。オランダ領東インドは、この亡命政府の指示に従い、アメリカ・イギリスと共に日本と戦うわけです。オランダ領東インドが日本に占領されても、ロンドンのオランダ政府が消滅するわけではありませんから、オランダ艦艇が、その後も政府の指示にしたがいアメリカ・イギリスと共に戦闘を継続するのは、ある意味当然のことでしょう。この点、政府が対独休戦したのに戦い続けようとする自由フランス軍などとは大分違うのではないでしょうか。
    カンタニャック

  6. >4

     蘭印陥落時に欧州・太平洋方面に残っていたオランダ潜水艦は8隻です。そのうち4隻が大戦中に解役、2隻が戦没していますが、英海軍から1943年以降4隻の潜水艦がオランダ海軍に転属となり、オランダ軍艦旗を上げて戦闘を行っています。。

    >2、5

     蘭印の場合は、其所に住むオランダ人にとっては祖国と一緒であり、蘭印を守るのは祖国を守るのと一緒だったという事を考える必要があるでしょう(蘭印方面のオランダ人は蘭印で生まれ育った人間が大半を占める)。
    大塚好古

  7. >6 
     オランダ領東インドのオランダ人の多くが、オランダ本国に帰るべき故郷を持たない人々であることは、おっしゃるとおりだと思います。
     ところで、オランダ東インド艦隊(東洋艦隊でしょうか?)に所属する海軍軍人のうち、地元植民地出身者はどの程度の割合を占めているのでしょうか。当方でわかるのは、カレル・ドールマンがユトレヒト出身というぐらいです。
    カンタニャック

  8. >7

     私も比率は知りませんが。

     ただ蘭印方面のオランダ海軍の最高指揮官(東インド方面艦隊司令長官)であるヘルフリッヒ中将が同方面で生まれ育った人なのを始め、蘭印陸海空軍所属者のうちそれなりの割合を蘭印出身者が占めていたこともあって、シンガポール陥落を含むマレー防衛線の崩壊に伴い、英米は蘭印防衛とはオランダの植民地を守ること程度にしか考えていなかったことから蘭印防衛への熱意が低下しますが、オランダ側にとっては蘭印は祖国と同等の扱いの土地であり、単なる植民地では無いという感情から、作戦指導を含めて英米蘭間に様々な軋轢が生じていたのは「スラバヤ沖海戦」等の書籍で書かれる様に確かな事実です。
    大塚好古

  9. >8
    ありがとうございました。勉強させて頂きました。

     「純」オランダ系10万、混血オランダ系30万、計40万のオランダ系人口では、東インド植民地軍の主流を占めるには至らないのではと思っていたのですが、無視できない割合を占め作戦計画にも影響を与えたというのは、なるほどもっともなお話です。

    カンタニャック

  10. 大塚様 的確な回答を有難うございます。大変参考になりwebで再勉強させて頂きました。
    私の体験では、フィリッピンでは日本(軍)は非常に嫌われており、旧宗主国アメリカは当然に解放軍。 しかし、文化・言語には旧旧宗主国スペインの影響が大きく残っている。
    蘭印(インドネシア)では逆に日本が解放軍。今では旧宗主国オランダの影は殆ど感じられない。
    馬來(マレーシア)は未だ大英帝国の傘下? 以上は私の個人的判断です
    艦船話題から大きく外れてしまいました。申し訳ありません
    結局、オランダ人が本国同等以上と戦っていても、現地の人は正反対に捉えていたのでは・・ 
    甲標的


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