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2387  機動部隊の補給について質問です。昭和19年10月11日の話ですが、
この日は、米機動部隊が午前中から夕方6時ごろまで、洋上給油や
護衛空母からの補充機(61機)の補充を行っていたとのことです。
 前に「日本側は正午ごろに敵機動部隊を発見していながら、
距離が遠かったために攻撃しなかった。この時攻撃していれば、
補給作業中だったから、大打撃を与えられた」という記述を
読んだことがあるのですが、実際にこのような攻撃が発生した
場合、どのような結果が想定されるのか、と思いまして。
 「補給中の攻撃」という状況が成立するとしたら、潜水艦を
考えなければ、

(1)補給中では、直援戦闘機は上げられない
(2)補給作業は、敵攻撃機発見後からの短時間では中断できない

 という条件を満たす必要があるかと思います。実際の所、日米
海軍は、「補給中の攻撃」への対処を、どのように想定していた
のでしょうか。詳しい方がおられたら、教えて頂けると幸いです。
高村 駿明

  1.  (1)がまず成立しないのは、この日の午後にマッケイン・デヴィソン両隊から発艦した攻撃隊が台湾への航空攻撃を実施したり、上空直掩機が艦隊に近接した日本軍航空機を撃墜している、という事実を見れば良いのではないかと。
     (2)も英海軍の北氷洋船団護衛艦が空襲を察知すると同時に補給を中断して護衛に復帰している例等を見れば、奇襲を喰ったとかでなければ、まあそうそう簡単には成立しないと思っても良いのでは無いでしょうか。
    大塚好古

  2.  補給は、艦隊内の全部隊が同時に補給作業に入るわけではありません。
     そして、補給作業を開始した部隊も、その全艦艇が一度に補給に入るわけではありません。ちゃんと警戒出来るだけの兵力を残しながら、順番に補給を行います。
     そして、大規模な物資移送等では多少手間取りますが、警報が出た瞬間に補給を打ち切ることは、そう難しいことではありません。
     繋がっていた給油ホースを抜いて、速度を上げて本隊に向かうだけの事です。
     よって補給中とはいえ、艦隊の大半の艦艇は完全に戦闘能力を発揮可能な状態であり、残る補給作業に入った艦艇も短時間で復帰できるものです。
     補給作業中の艦隊は、主として補給艦艇の行動力や、上記補給ローテーションの都合から能動的な行動が難しく、また一部艦艇が補給作業で不在になるので戦力も低下します。ですが、無力になる訳ではありません。
    SUDO

  3.  そりゃ無警戒なんてことはないですよね。どうもありがとうございました。
    高村 駿明

  4. 一応、落ちてる視点があるかも知れないということで蛇足。

    あるいは、補給作業中の艦隊は高速機動できないので、一度位置をつかんでしまえばそうそうロストしないだろうという計算の上での発言かも知れません。
    とにかく攻撃隊を敵艦隊上空付近に持っていけなければ始まりませんから、接触や誘導の成否は、対空母戦には大きなウェイトを占めます。
    また、艦隊が補給作業を行なっているということは、通常の補給のほか、燃料弾薬欠乏のため戦闘に支障が出る可能性がないわけではありません。

    ま、大戦末期の米機動部隊は冗談みたいな大艦隊の集合体ですから、多少のアレやソレはほとんど影響しないでしょうけども。
    電波怪獣ビーコン猫

  5. 更に蛇足。

    >大戦末期の米機動部隊は冗談みたいな大艦隊の集合体ですから、多少のアレやソレはほとんど影響しないでしょうけども。

    ボクもそう思いますが、書いてる人の計算には、輪形陣を解いているだろうという視点もかなりのウェイトを占めているだろうと。
    補給作業中だろうが戦闘隊形だろうが、艦隊外周のピケット艦の警戒線がある限りは状況に大差はないんですけどね。
    まなかじ

  6. 蛇足3番(笑)

    > 輪形陣を解いているだろうという視点もかなりのウェイトを占めている
    「大打撃」が誰の言だかわからないですが、モリソン戦史の引用っぽいです(私は見つけられませんでした)。
    電波怪獣ビーコン猫

  7. >6

     モリソンの「Leyte」にはこの時に関する記述がありますけど、確か「大打撃」云々は書いて無かったですよ。
    宇宙刑事ワショーイ

  8.  記憶モードでの質問、失礼しました。あの後、調べましたが「レイテ沖の日米決戦」です(佐藤和正著/光人社)。同じ著者の他のレイテ戦関連の著作にも、同様の記述があります。前述の本であれば、122ページに「この補給中が、機動部隊の唯一の弱点であった。もし福留長官が、攻撃距離にとらわれず、果敢に攻撃命令を下していたなら、米機動部隊は大損害をまぬがれることはできなかったはずである」という記述があります。
     同書の参考文献には、モリソン戦史はないようです。ですから、何を根拠にしての発言なのか、までは、ちょっとわかりませんでした。
    高村 駿明

  9. > 7
    良かった、私の英語力不足が原因じゃなかった。

    > 8
    戦史叢書・海軍捷号作戦(1)付記・連合軍の作戦の概要を参照して下さい。
    モリソン戦史の引用として「米機動部隊はえらい目に遭ったかも知れない」との記述があります。
    で、振り出しに戻るわけです。。。モリソン戦史のどこに。。。
    電波怪獣ビーコン猫


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