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2415 戦闘艦艇の“寿命”が気になったので質問します。
記録に残っている中で、最も長い間現役に有った艦艇は何なのですか?
個人的には、退役とモスボール保存を繰り返したアイオワ級戦艦のどれかだろうか、と想像しているのですが。
また、現存する最古の戦闘艦艇は何なのですか?
個人的にはネルソン提督の旗艦であったヴィクトリーかなと思っているのですが(アレって書類の中では未だ現役だったっけ?)。
きっど

  1.  フレッチャー級とかギアリング級の駆逐艦で、まだ現役のが居たと思います。
     ずっと現役となると、例えば我が海軍の八雲は45年ぐらい現役で行動力を維持していました。恐らく各国にもこのような例はあると思います。

     また現存する戦闘用艦艇ですが、ノルウェーの博物館に発掘されたヴァイキング船があるそうです。
     他にもヴィクトリーより古いスペインの戦列艦が海底から引き上げられて復元されて博物館になってるとか(ヴァーサだっけ?)
     現役云々では、オールドアイアンサイドことコンステレーションはまだ一応現役ですね、まあヴィクトリーより全然新しいけど。
    SUDO

  2. ヴァーサはスウェーデンの軍艦ですよ。
    1628年処女航海で横転沈没。
    1961年引き上げ。
    http://sw-kidoairaku.hp.infoseek.co.jp/sub75.htm
    昔不沈艦

  3. フレッチャー級駆逐艦 DD-574 John Rogers
    1943.2.9 就役
    1947.5.25 退役
    1968.5.1 メキシコ行き
    未だ現役(?)
    ギアリング級駆逐艦 DD-714 William R. Rush
    1945.09.21 就役
    1978.1.1 韓国行き
    未だ現役(?)

    このあたりが最長不倒かなあ。
    tac

  4.  木造船は意外に耐久性があります。SUDOさんがあげられたバイキングシップは権力者の墓として埋められる前に50年ぐらい使用されていたと推定されていますし、ビクトリーもトラファルガーの時点で艦齢40年程度だった筈です。
     ということで、以下はまったくの憶測モードのゴミレスですが、16世紀から18世紀頃までに作られた木造戦闘艦のなかには、一世紀近く実際に使用されていたものがあるのではないかと、夢想しています。
    カンタニャック

  5. >4 補足
    ヴィクトリー、進水から約40年ということです。就役まで10年以上かかっていたとは…。
    カンタニャック

  6. まあ、カンタニャック様に更に付け足しをさせていただけるのでしたら、木造船の耐久性は、実はそれほど高くはありませんでしたが、ほとんど作り直しと言ったほうが良いような大修理により、長い間就役していたというのが実状です。現在の鉄船では、機関の寿命や経済効率などの問題からあまり長寿の船はおおくありませんが、当時の木造帆船では性能が新造しても変わらないため、少しでも安く、かつ短期間で新造船と同じものが手に入る”大修理”は比較的当たり前でした。また、17世紀以降ですと、イギリス国内の大木資源の枯渇も非常に問題であり、また、新造艦は非常に”余計な”出費(ご祝儀、根回し、賄賂、その他)も多く、一部でも昔からの部分を使ってほぼ新造の”大修理”も行われていました。
    ちなみに、木造部分の耐用年数は、場所によりかなり違いますが、2〜3年も持てば良いほうだったようです。(フナクイムシをなめてはいけない)
    Lachesis

  7. HMS Victory ですが、http://www.hms-victory.com/ によれば、
    「現在も現役にある世界で最も古い艦であり、第二海軍卿及び本国部隊司令長官(基地部隊の総司令官?)の旗艦である」となってます。今でも現役の海軍士官・水兵が配属されてるし、1812〜1823 の一時期を除き、艦長が途切れてません。British Army もそうですが、歴史という点では本当に桁違いですね。
    #何よりすごいのは、トラファルガー会戦時の乗組員名簿があるあたりが……
    tac

  8. >6
    おお、これは良いお方が。
    ご教授ありがとうございます。
    木造船のメンテナンスについては、ずっと疑問に思っていたので、このスレッドの主旨からはややはずれるかも知れませんが、質問させていただきます。
     竜骨や肋材は、修理せずにどの程度持ったのでしょうか。
     また、最終的に船が廃船となるのは、竜骨や肋材のつぎはぎが限界に達したときと考えて良いのでしょうか? それとも竜骨そのものを全面的に交換したりする場合もあるのでしょうか? 
    カンタニャック

  9. 泥の中にあった木材と違い、常時水にある木材は中の樹脂分が出来きるまでは、案外持つようです。貯木場の木材なんかは、その目的で”寝かせて”あるのですから。当時、木材は加工されてから実際に使用されるまで、一年ぐらいは最低でも(陸地で)寝かせていました。これによりあらゆる条件にも耐える物になると、当時は信じられていたようです。しかし、実際には早いものでは一年で腐朽が進み、浸水したものもあったとか。フナクイムシ対策には、一度船を陸地に上げて完全に木材を乾かすのが有効だったようですが、大型の船ではそうもいかず、ご存知の通り”焚船”を出来る限り行うことにより、対応していました。(船を傾けて、片側ずつ船底を煙でいぶし、乾かすなど)
    それでも、木材の耐久性は、結局はフナクイムシとの戦いであったようです。
    ちなみに、木材自身の耐久性は、種類にもよりますが、一般的に50〜100年程度たったところで強度が最大となり、以後、数百年単位で劣化しますが、大事にすれば千年たっても十分使用に耐えます。ただし、板状の木材はそうはいかず、濡れれば腐りやすく、竜骨などはともかく、船板は交換の必要があります。竜骨そのものについては、フナクイムシ被害のほかにも、加重による疲労も考えられますので、一般的に何年、といった耐久年数はわかりませんが、数十年以内と考えております。実際のデータがあまり無いので、推定デ申し訳ありません。
    基本的に廃船になる理由の多くは、台風などの気象条件による破壊や戦闘による損傷、船火事(これも割りと多かったらしいですね)などがあります。また、経済的理由で、放棄される例も考えられます。もし、これらの条件をクリアーできた船なら、竜骨等のつぎはぎによる強度の限界が、船の寿命だったのでしょう。やろうと思えば、竜骨の全面交換も可能ですし、実際に完全に解体してから再度組み立てて再就役させた例もあります。(記念艦の多くが、その経験者です)
    現在のように優れた塗料の無い時代、フナクイムシと腐朽は非常に重要な廃船の要素だったと考えられます。
    Lachesis

  10. >9 丁寧なご説明ありがとうございました。スッキリしました。
    カンタニャック


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