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2441 初めて質問させていただきます。こちらに質問すればよいのか迷いましたが、
酸素魚雷と通常魚雷の性能差はすばらしいものがありますが、何かの本で、
「90式」や「8年式」魚雷に高濃度酸素(40〜60%)を使用してかなりの性能向上を果たした・・と記載されていたようにおもったのですが、真実でしょうか?
 もしそうなら、どのような性能になったのか、実戦での使用はあったのでしょうか?
 よろしくお願いします。
UBS52

  1.  酸素魚雷の開発実験の初期に、8年式魚雷に酸素を混用した空気で実験したりしてます。38ノット20000mの射程を計算上は出せる性能で、5000m射程に調停した上で試験し、無事完走しています。
     但し、実験の目的は、純酸素魚雷の開発でしたので、これらは予備実験でしかなく、勿論実戦には投入されてもいません。
     90式魚雷をベースにした酸素強化実験等は行われておりません。

     これらとは別に、大戦中に製造取り扱い能力の関係で、酸素強化空気で運用する96式&98式魚雷が開発されていますが、量産には入っていないようです。
    SUDO

  2.  なんか不親切だなと思ったので、簡単に、この時代の魚雷開発の流れをば。
    ・大正五年 44式魚雷(45cm)で酸素強化空気を用いた陸上実験
     単に酸素を強化しただけで、他は何ら改造せず。全装気の30%を純酸素にした試験で爆発事故。
    ・大正十五年 英国ホチキス社から新型機関(横置き二気筒)を採用した魚雷を試験購入。
     これをベースに高速魚雷の開発開始(試製魚雷丙)
     昭和三年 九○式魚雷として兵器採用
    ・昭和四年 8年式魚雷をベースに試験魚雷製作(特殊魚雷B)
     全装気の50%を純酸素に、通常空気で始動させた後酸素強化空気にスイッチする構造
     計算スペックは38ノット20,000m
     試験場の広さから5000m射程に設定して実験し成功(昭和七年)
    ・昭和五年頃 8年式魚雷の射程延長型(試製魚雷庚)開発開始
     上記特殊魚雷Bは燃料積載の都合上、従来用いていた清水を海水にしており、この構造を摘要し、併せて装気圧も高めた空気魚雷。
     予定スペックは40ノット12,000m
    ・昭和七年 純酸素魚雷開発開始
     初期実験として上記試製魚雷庚を改造して酸素魚雷実験に用いられる。
     計算スペックは40ノット30,000m。
    ・昭和七年 試製魚雷A開発開始
     上記試製魚雷庚の実験結果をフィードバックしつつ設計開発が進む。
     90式魚雷と同様の2気筒横置き機関。
     昭和八年 発射実験開始。
     昭和十年 九三式魚雷として兵器に採用。

    SUDO

  3. とても詳しく説明いただき、ありがとうございます。SUDO様。
    予備実験のお話だったんですね。道理で聞かないはずです。
    それこそ夜も眠れず・・になりかけてたので、ようやく安眠出来ます。

    UBS52


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