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2471 イタリアの未完成空母「アキラ」の紹介では
「カタパルトと着艦装置はドイツ空母『グラーフ・ツェッペリン』のものを装備した」
とありますが・・・
1.もし『グラーフ・ツェッペリン』が竣工していたなら、『アキラ』はカタパルトと着艦装置なしで竣工することになるのでしょうか?
2.改装当初から『アキラ』はカタパルトを装備する予定だったのでしょうか?
この二点について教えて下さい。
カーフ

  1. カタパルトはともかく、着艦装置なしの空母になんの意義があるのでしょう?
    勝井

  2. 航空機輸送艦として意義があるかも
    ワインバーガー

  3. 自己レス&又聞きですが、「アキラ」の搭載機は着艦訓練するだけの燃料を空軍がくれないので発艦のみ。
    艦載機は陸上基地に下りるという使い捨て運用を予定していたそうです。
    これについての真偽も知りたいのですが・・・

    カーフ

  4.  ツェッペリンのカタパルトが、ツェッペリンの工事中止後イタリアに送られたのは事実みたいですが、時期が結構遅いんですよね。
     それ以前の1942年中に、イタリアはRE2001戦闘機をカタパルト発進させるテストを成功させており、戦艦に配備を計画するところに進んでいます(実際に乗せたのかどうかは知りません)
     この戦闘機はアクィラに搭載を予定した機種でもあり、また同空母のカタパルトは台座に機体を乗せて発進するタイプだったそうですから、これは戦艦等のものと同様のものであろうと考えられます。ドイツのカタパルトは恐らく参考品にはなったでしょうが、別にドイツのカタパルトが無くてもイタリア戦闘機を発射できるカタパルトと、カタパルト発射に適合した戦闘機を既に持っていたので、大して困らなかったでしょう。
     また着艦の問題は判りませんが、元々戦艦から陸上戦闘機を発進させようとしてますので、着艦できなくても許容できる部分はあったと考えても良いでしょう。
     ただ、それなら別に空母を作る必要も無い訳ですから、やや疑念を感じます。
     恐らく戦艦巡洋艦での使い捨て的運用等との混乱もあるのではないでしょうか(ただし確証は得られず)
    SUDO

  5. イタリアの単座戦闘機カタパルト射出運用の研究は開戦直後から開始されていて、1940年中にはカタパルト射出用に強化されたRe2000セリエ2「カタパルタビーレ」12機を発注、1941年早々にギドニアの空軍実験部にしつらえられたカタパルト実験施設で予備実験を開始しています。
    1942年には洋上射出実験に進み、貨物船ジュゼッペ・ミラーリアの船上の特設カタパルトからの射出に成功。
    更に「カタパルタビーレ」のうちあまり使い込んでなかった6機を、戦艦リットリオ、V・ヴェネト、(及びローマ)に実戦配備しています。
    イタリア海軍のカタパルトは1920年代のハインケル式圧搾空気カタパルトの改良型で、歴史もけっこうあります。
    ミラーリアに搭載されたものは空母用の試作タイプで、とくに性能が劣ったとか不足だったということもないようですから、まずイタリアは空母にカタパルトを積むつもりであり、そのカタパルトを造る能力もあったわけですね。
    ツェッペリンのカタパルトはとくにアクィラないしスパルビエロに搭載するというはっきりした目的があったというわけではないのかもしれません。

    アクィラ、スパルビエロに搭載予定のRe2001は、Re2000のエンジンをDB601に換装したものなわけですが、イソッタフラスキーニ・デルタ搭載のRe2001Deltaが母体になっているとか、翼内ラジエータ装備のRe2001bisに準ずるとかいろんな説があります。
    実際のところ、艦上型Re2001ORは中古のRe2001にRe2000「カタパルタビーレ」に準ずる機体強化を施して、イギリス風のV字着艦フックを追加したもので、1943年に10機が試験用に改造されて作られましたが、本気で実戦運用に準備していたものではないようです。
    他にも艦上運用実験機としてはフィアットG50B(G50の複座練習機)の改造機とか、どうもけっこう悠長なというか、もうどうでもいいや的な諦めというか、とりあえずやっとくか的な惰性がそこはかとなく感じられる取組みになっています。
    たぶん、チュニジアの独伊軍が全滅したあたりで空母計画の優先度が大暴落しちゃったのではないかと思います。
    地中海中央部・・・というか要するにイタリア本土に米陸軍航空軍や英空軍機が乱舞するような状況では、艦上機の試験に燃料が回ってこないというのも、十分ありえた話ではなかろうかと。

    とはいえ、着艦フックを持つ艦上機として試作機を作っているわけですから、着艦は考えているようですね(ぉ
    ただ、イタリアの空母整備はマタパン岬沖でフォーミダブルの攻撃隊からV・ヴェネトを守れなかったことに対しての緊急対策であり、艦隊直衛艦としてこれを使う方向性です。搭載機は戦闘機のみ、索敵や触接は空軍の基地航空隊に頼るわけですね。
    イタリア艦隊の出動は長くても数日、ほとんどが3日以内に作戦行動が終わるわけで、数機ずつの直衛機を上空に出して、基地へ帰投というやりかたでも搭載51機あればイギリス地中海艦隊の母艦航空隊程度の攻撃ならば間に合ってしまうかもしれないわけで。
    カタパルト装備も緊急発進能力を重視してのことかもしれません。
    まなかじ


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