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126 2サイクルエンジンでターボを過給に使うので無く、すべて掃気に使って(完全掃気)ガソリンを筒内噴射にすれば、2サイクルエンジンの問題は大体解決できると思うのですが。
T.H

  1. 設問内容は 1)2ストローク機関の掃気にターボを使う,2)2ストにガソリン筒内噴射を併用する,の2点になると思いますので別々に。

    1)に関しては大型舶用ディーゼル等では常識になっています。この場合,ターボに加えて2段目に機械過給を併用しています。ターボだけで過給を行うと低負荷時に過給(掃気)が不十分になります。4ストなら過給圧が無くても掃気は行われますが,ターボ過給を前提にした2ストでは低負荷時の対策が必要になるようです。

    排気タービンの欠点は低負荷時に効果が低いことです。タービンは排気ガスの運動エネルギー(背圧)よりも,熱エネルギーを利用して動力を発生する一種の熱機関なので,排気温度の低い低負荷時は出力が激減するからです。背圧も積極的に利用する動圧過給と,熱エネルギーだけを利用する静圧過給の2種類があり,前者なら低負荷時もある程度効果はありますが,気筒数が3の倍数でないと難しいそうです。

    ちなみに動圧過給しか効かない場合(熱エネルギーを使わない場合)は,動力を「クランク軸→ピストン→排気ガス→タービン→過給機」と伝えているだけで,機械過給の「クランク軸→増速ギア→過給機」と本質的に同じことになり,タービンを付ける意味がありません。

    2)については(ディーゼルは当然筒内噴射ですが)2ストにガソリン筒内噴射を使えば燃料の未燃排出が無くなって,原理的には確かに良いと思います。ただし現実には2ストガソリン機関の需要は小型2輪車など小型・低価格のものに限られており,直噴のようにコストの掛かる方式は導入しにくいと思います(まして容積も増加するターボ化は無理でしょう)。
    isi


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