| 469 | 仮想戦記からで申し訳ないのですが、戦車は異常なほど故障しやすい車両と いう記述があります。(まともな整備を受けなければ1週間持たないとか) それはWW2期の戦車一般に言えることでしょうか?(クルスク戦は有名ですが・・。) また現在のMBTや装甲車も同様のことが言えるんでしょうか? taka | 
また個々の例ですが、J.J.Fedrowicz Publishing社の「グロースドイッチェランド戦車連隊」(ドイツ語で書けません・・)では、80両のパンサーのうち稼動が8両なんて悲惨な時があったようです。ってわけですがどこまでが損傷でどこまでが故障なのかは判然といたしませんが、かなり故障が多かったのも事実だと思います。
M4シャーマン戦車の故障は少なくて、レンドリースの先のソ連でも評判だったとか。
バウアー中尉
不整地だけでなく舗装道路においても、かなり高い回転数でエンジンを動かさなくてはならないわけだから、燃費は食うしエンジンにもかなりの負担がかかる。もちろん、機械の耐久性向上への努力はなされてきているわけだが。
アリエフ
taka
後は負荷にもよるけど。
湾岸紛争時のMBT の馬鹿みあいな稼働率。あの数字の裏で補給や整備整備が過労死
寸前まで追い込まれいたんだなあ思うと涙が出ます(苦笑)
で、前に電子着火式ガスライターとフリント式オイルライターとの比喩をしたこと
があるんだけど、現代のまともな設計をしているMBT はとりあえず結構な信頼性で
動きます。ただし、常に最高性能を出せるかどうかは話は別。
90式に関しては運用側の悪名高い(?)セルフチェック機構がありますが (調子が悪
いと判定されると不良個所をデジタル表記した後エンジンも掛からない) これだっ
て普段使いってことで不良閾値を高くしているだけのことで、リミッタをはずせば
補機のおかげで多少のダメージはものとせず動いてくれると、まあ、そんな寸法で
す。
とか、とりあえず言ってみるよ(笑)
sorya
信頼性が向上と言うことは61式、74式、90式と新しくなる程よくなってる
と考えていいんでしょうか?また装甲車(89式とか96式)は一般に戦車より
信頼性は高いんですか?96式は車輪の分高そうですけど
taka
MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障発生周期)
MTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間)
と呼ばれるものがあります。
機械には寿命があり、いずれは壊れます。
壊れてしまうと故障ですが壊れる前に交換すれば故障にはなりません。
例えばMTBF=100H(100時間稼動したら壊れる可能性が高い)の部品を使っていたとしても
必ず100時間以内で交換するように整備が徹底されていれば故障は発生しません。
これが故障してから交換すればいいという整備体制ならいつか必ず故障が発生します。
・各部品(ユニット)のMTBFをきちんと把握できているか?
・交換用の部品が充分ストックされているか?
・定期的に交換が行えるような体制になっているか?
簡単に言うなら「故障間隔(MTBF)が長く、修理時間(MTTR)は短い」というのが理想的です。
私は戦車のMTBFなど知る由もありませんが、以前にどこかで
M1エイブラムスのエンジンのMTBFが2000Hというのを見た記憶があります。
これが本当なら戦車全体だと1000H以下でしょうね。きっと。
PT
厳密には半数が可動不能になる時間になるです。
だから一般的なMTBFとはチト違う。というか、先に述べた数字からMTBFを求めて
いるというのが実際のところ。(どっちにしても統計学的なもんなんだけど)
そんな訳でフル稼働しても、設計許容範囲内ならば一月はノーメンテで動くのが
現在のまともな設計をされたMBT の世界です。
sorya
「戦車隊は、多くの車両を機械的故障で失うことなしに長距離を(数百キロ以上)移動することは出来ない。(中略)ソ連の戦車は250キロごとに1回平均して故障することになっている。NATOの戦車は300キロごとである。(中略)クルーの整備訓練と戦車の手入れの効率化にもよるが、1時間の行進で1個師団は2〜20パーセントの戦車を失うことになる。(後略)」
「戦車はルーチンの整備を怠るわけにはいかない。(中略)1日に8マンアワーがトップコンディションに持っていくために必要である。」
なんて書いてありますが、これってレオ1だの、M60だの、チーフテンだのの時代の話なのでしょうか。
大戦中の悲惨な実例を言うと、ドイツ軍が1938年のオーストリア進駐時700キロを行軍して30パーセント近くが故障したとか、西方戦役時に失われたイギリス軍の戦車の内、戦闘によるものは25パーセントで、残りは機械的故障のためだとか、バルバロッサのときのソ連第32戦車師団は技量拙劣、予備部品・修理装備の不足などにより最初の1ヶ月で49輌のKVの内37輌、173輌のT−34の内146輌を失い、その内の半分が機械的故障によるものだ、なんていう話があります。
現在タミヤニュース誌上でドイツ軍戦車整備部隊の記事が連載中、話はティーガー整備部隊の話に移り、いよいよ佳境へ入っています。
バトゥ