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583 ロシア軍戦車の爆発反応装甲について質問です。
コンタクト5以前のものはIDFのブレイザーに似た感じで
靴箱状の物を多数(主装甲から距離をおいて)装備していました。
HEATに対するスタンドオフを取るという事で何となく納得していたのですが
コンタクト5ではより水平方向に対する傾斜を取る感じで砲塔全周に装備してます。
ある程度のAPFSDS対処能力も有ると言いますし、基本設計理念に変更
があった?とも思えます。
詳細な紹介が無いので(見つけられないので)推測しかできませんが、これは
HEATジェットについて爆発とスタンドオフ大によって微細突入体を防ぎ
APFSDS(t/d比の大きなもの)は斜め下方からの鋼板突入でへし折る?
という理解で良いんでしょうか?
すいません。質問というより確認といった感じになってしまいましたが
詳細ご存知の方が居ましたら何卒ご回答願います。
タイ駐在員

  1. えーと。ごめん。ちょっとERAの基本からでしゃばるですよ(笑)

    ERA の侵徹阻止機構を分析すると爆圧による直接干渉というファクターはほとんど
    無視可能であることが分かります。

    正確には爆薬の爆発によって駆動された金属板が動く(爆圧によって吹き飛ぶ)こと
    で、干渉を起こし、ジェット流を乱したり、弾芯を変形・破壊(こっちは難しい)さ
    せるといったところ。

    これから分かること。ERA を有効に動作させるには、

    ・駆動板を大きくすることで相互作用時間を増大させる
    ・ERAを主装甲から離して接地することでERA 裏板の相互作用時間を増大させる

    ということがわかると思うです。

    この基本理論を鑑みて現在のロシア製ERA …kontakt-5の外観から分析するとこう
    なります。

    ・パッケージ大きさ及びアスペクトが変更…相互作用時間を増やした
    ・取り付け方が変わった…形状変更(巨大化)による取り付け方の変更

    こんな感じ。

    で、またERA の基本に戻りますが、HEAT/APFSDS弾兼用のERA を作るためにはタン
    デム(副層)式ERA にする必要性がどうしても生じます。と、いうのは爆薬を使用す
    るからですよ。

    HEATに最適化した爆薬は感度が低すぎてAPFSDS が当たっても爆発せずに燃えて終
    了してしまうんです。だからこそAPFSDS弾に最適化させた層が絶対的に必要になり
    ます。

    一般的には1層目HEAT用、2層目APFSDS用って感じにERA を配置させるのがセオリー
    です。こうすることで感度の高い2層目が小口径弾(WA製20mm+級APDS)の着弾によっ
    て作動することが少なくなります。(1層目を貫通することでエネルギーが減る)

    なんか纏まってないけどこんな感じで。
    sorya

  2. ERAの作用というものは、爆薬により金属板(容器の蓋になりますが)を飛翔させることにより同一軸上に並ぼうとするメタルジェットの進行をずらせ、これにより貫徹効果を減少させるものです。ブレイザーの場合、HEATの貫徹力を85%防げるとされています。

    したがって、スタンドオフを取るというのとはちょっと違うように思います。
    HEAT弾の場合十分なスタンドオフ(1m以上ぐらいかな?)を取らないと逆に貫徹力を増してしまうことになりかねません。

    ERAの効果は、水平面より30度の角度で当たった場合が最大とされ、垂直に命中した場合、その効果は、ほぼ得られないと言います。
    このことからERAはある程度の角度を持って着けられています。
    T−72Bへのコンタクトの取り付け方は砲塔形状に沿って取り付けてありますが、T−55、T−62、T−64、T−80へはコンタクト5と同じような楔形に取り付けるようになっています。

    コンタクト5は、重爆発反応装甲(heavyERA)と呼ばれています。細部の構造は分りませんが飛翔板を大きく厚くするとともに2重とすることによりAPFSDSに対応できるようにしたようです。というか、対APFSDS用に作られたといった方が正しい感じを受けました。
    もっともsorya氏の言うように、2重の厚い板と見えるのは2枚のERAという考え方も出来ますが。

    あるサイト(Modern Russian Armorっていうところ。)によれば、コンタクトが1.5tなのに対しコンタクト5は3トンの重量増加になると記載されていました。しかしながらコンタクトはHEATに対し350〜400mmの装甲厚と同程度の効果があるが、APFSDSには効果がないとされ、コンタクト5は、HEATに対しては約600mm、APFSDSに対しては250〜300mmの装甲厚と同程度の効果が期待できるとあります。
    このサイトにはコンタクトがHEATジェットにより作動しているX線写真や、コンタクト5により破壊されているAPFSDSのX線写真が掲載されていました。

    URLを掲載して良いか分りませんでしたので検索してみてください。
    ちなみにERAではぜんぜん引っかからなかったのですが、APFSDSで検索したら何故か偶然にも当たった所です。(英語なので翻訳ソフト使ったんだけど、どうもいまいち)

    はいどーも

  3. んーん。一つの爆薬と工作方法で多弾種対応なんてことは、爆薬の爆発理論を調べ
    てみれば不可能であることが分かりますですよ(笑)。

    端的に言うと、わしらの世界で使う爆発理論はホットスポット理論を代表とした、
    断熱圧縮圧力(温度)−持続時間に関するモノで、いわゆる C-Jパラメータなんてシ
    ロモノは、持続時間が限りなく0に近い状態であっても、爆発する圧力の事であっ
    たりします。(すごい大雑把で正確でない説明だこと)

    と、いうことは持続時間のファクターが無視できるくらい長く、相互作用面の圧力
    が同じ(=衝突速度が同じ)であったら、WA製小口径弾であろうが、大口径APFSDSで
    あろうが、分け隔てなくキッチリと動いてしまうわけですよ。C-J パラメータ主眼
    の爆薬の設計をしてしまうと。
    (主爆薬+反応抑制材の配合で簡単にできるのがこれ)

    これから考えると、第1層が小口径弾の運動エネルギー減衰(=速度低下)と、HEAT
    ジェット対応とした感度の低い(C-J パラメータが高い爆薬を用いる)ものに第2層
    がADFSDS弾対応とした感度の高い(C-J パラメータが低い爆薬を用いる)ものを空間
    を空けた積層を行ったパッケージにするのが極めて常識的であり、手堅い設計にな
    るです。

    個人的にはkontakt-5が小口径APDSにも作動してしまうくらい凄い設計であった方
    が助かるのだけどね。いくらでも対処のしようがあるから(笑)。

    でも、ロシア製MBT のERA必須的装着というのはどういうことか?を考えてみると、
    間違っても小口径AP弾でも作動してしまうような設計にはなってないと思います。
    (後は言わぬが華)
    sorya

  4. sorya様、はいどーも様、ご回答有難う御座います。
    HEATジェットと爆発反応装甲板の干渉時間を増やすために
    角度を付けて装着する必要がある事が理解できました。
    コンタクト5ではAPFSDS対処の為にさらに2重爆発反応装甲になっている
    というのは目から鱗です。
    T-72Bで砲塔前面装甲が対APFSDS520o相当としてコンタクト5追加で
    720〜770mm。う〜ん、これだと最新設計のDU・WA合金APFSDSは
    阻止出来そうに無いですね。
    ロシア戦車が主装甲の強化ではなくERA装備に走ったのは、鋳鉄砲塔に
    複合装甲を鋳込む方式に限界があったから?それともロシア複合装甲の
    性能そのものが良くない?興味は尽きません。

    あと追加で質問なのですが、ロシア戦車の車体側面に装備されているERAには
    傾斜が付いていません。箱の中の鋼板が斜めにセットされているという事でしょうか?


    タイ駐在員

  5. その情報だけでは、ちょっと分からないので色々なERA(モドキ含む)について。

    比較的最近(T-72以降)の車体側面の増加装甲は操縦席横あたりのサイドスカートに
    おおよそ500□の大きな板を3枚程度取り付けてる例がありますが、あれはERAでは
    なく、所謂パッシブアーマーと言われている奴です。非爆発性です。

    そいで、昔のkontakt(Blazerマネッコの弁当箱タイプ)には実際色々な種類があり
    まして、箱の中にオフセット角を取り付けたものと、飛翔板内面(爆薬と接する面)
    に特殊な機械加工を行うことで、射角0度に対応したものがあります。

    いずれにしても、効果の程は?ではあるんですが、真横から攻撃されんだろうとい
    う前提と、主に中口径APDS弾に対応させようとしているが想像に難くないです。
    (最後の部分はやや根拠薄なのだけど、原理を考えればちょっとなあと)
    sorya

  6. >ロシア戦車の車体側面に装備されているERAには傾斜が付いていません。
    一つの理由として、傾斜をつけて取り付けられない。
    もう一つは、sorya氏と同様で真横から打たれることは少ない。つまり、斜射に対応させているんだと思います。
    どこの国の戦車も同じですが、それなりのHEAT弾に(歩兵携帯ミサイルを含む)真横からスカート撃たれたら車体貫徹します。(スタンドオフが少ないんで)

    sorya氏>
    表面にそれなりの厚さの装甲板を用いて小口径APDSに対応させることは無理なんでしょうか。(ちょっと無理っぽいですが)


    sorya氏
    はいどーも

  7. 鉄を使ってるという時点で駄目かもしれない。

    数センチの厚さでも相互作用面の圧力はほとんど変化ないですね。
    これが単層で5cm厚の板を使用!…とまでいけば話は違いますが。

    手っ取り早く小口径弾の運動エネルギ(=速度)を落とすには、空間装甲が一番効率が良いです。
    sorya

  8. 真横からの大口径HEAT被弾をあまり想定していない
    (小威力M72程度ならOK?)または斜射対策という事ですね。
    如何なるAFVでも全周囲完全防御は諦めてるという事で納得しました。
    それでも執拗に全周囲にERAを装備しているロシア戦車の運用思想
    に興味深々です。
    敵歩兵の排除に自信がないのか?それとも設計上ダメコンに問題があって
    ちょっとした被弾で炎上しやすいのか??
    有意義な回答を有難う御座いました。
    タイ駐在員


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