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27 日本はドイツみたいに石炭から人造石油を作ることはしなかったのですか?松の油なんか焼き付けを起こしそうですが。

  1. ・一応研究はしていたみたいです。その結果はと言うと”第二次大戦中これほど人と資源を無駄にした物はなかった”・・・T_T)


  2. 「その他の質問」の14に同種の質問があって、答えがあります。


  3. 水から石油を作ろうとしてた事があったようです(^^;


  4. 一番下の訂正”単なる失敗ではなく、資源と人材を浪費した高価な失敗であった。”D・ヤーギン著石油の世紀より


  5. (2つ下)「水から石油を作ろうとした」って、いくらなんでもそれは無いでしょう。ただ戦時中に「燃料省」を作った時、東条英機が「水から石油が作れるんでなければ、そんなもんはいらん!」と怒ったそうな・・・・なにしろ管理しようにも、当の石油が無いんだから^^;


  6. ↑「山本五十六」に書いてあったエピソードです。「水から石油を作る事に成功した!」という発明家を海軍省に連れてきて公開実験させたとの事。結局は手の込んだすり替え詐欺だった訳ですが。周囲が「嘘に決まっている」と止めるのも聞かず強引に実験させたこの話を山本の石油に対する執着心を示す談話として紹介しています。


  7. ↑なるほど、そんな事件があったんですか?、勉強になりました。(しかしいい度胸ですな^^。その後、その詐欺師はどうなったんだろう?)


  8. 松根油て音だけ聞いてると根性油とも聞こえるんだけど。日本らしい。


  9. ちなみに日本での人造石油の生産量は昭和16年の実績で重油16万トン、ガソリン2万5千トン(オクタン価等は不明)だったそうです。あと、松根油はジェット燃料として使用するはずだったのでは??(橘花はこれが当てにされていました)


  10. 昭和12年に商工省が立てた7ヶ年計画で年間200万リットル(当時の日本の需要の約半分、重油とガソリンが半分づつ)、昭和16年度はガソリン約51万リットル、重油約69万リットルの予定だったのですが、実績は下の方が書かれた通り(ただし単位はリットルでは?)で、達成率は重油23.2%、ガソリン4.7%でした。重油に比べてガソリンの達成率が低い事がわかります。(少なくともこの時点では)重油に優先度が高かった海軍と違って、陸軍ではガソリン(特に航空用)が全てなので、特に影響は大きかったようです(EOS)


  11. 昭和19年初めの時点でそれまではうまくいっていた南方からの石油の還送が危機状態(実績で原油80万t+製品53万t=総需要の1/4、この他に国産原油+人造石油が合わせて50万t)に陥った時に海軍から提案されたのが松根油でした。海軍の試算によれば日本各地に広く分布している松の量からみて乾留で得られる松根油は年間50万t。この数字は魅力的で、さっそく物資動員計画に組み込まれました。最終的に日本全国で掘り起こされた松根は約84万t、そこから生産された松根油は4.2万t程度です。


  12. ちなみに陸軍の研究によれば、「松根油の300度以下の溜分はすこぶる優秀な水素添加材料であり、硫化モリブデン触媒を使い、50%前後の収率でオクタン価89程度の航空ガソリンが得られた」そうです。その他、接触蒸留、接触リフォーミング、接触分解等の方法で人造ガソリンの製造が研究されましたが、施設が次々と爆撃で破壊されたため、陸軍では実用化はできませんでした。海軍は進んでいたのである程度はガソリンも製造できていたのかもしれませんが、よくわかりません(EOS)


  13. 地元に海軍燃料廠があったので(追浜と藤沢の中間点、現JR本郷台駅付近)その資料関係をあさってみると、ここでは松根油はジェット燃料として研究されていたように取れる記述があります。また付近に量は微量ですが泥炭がとれる場所が数カ所有り燃料廠側で根こそぎ持っていったようですので、泥炭→なにかの燃料という研究はしていた模様。出典が地方史なので信憑性がいまいちですが。


  14. (蛇足)この燃料廠、何故か戦略爆撃の目標とされず、しばしば銃撃をうけていますが終戦時まで良好な状態にあったようです。戦後は進駐軍のPXとして昭和30年代まで使用され、施設の一部は現在でも残っています(地下研究施設跡等)


  15. 人造石油について肝心な事を書くのを忘れていました。勘違いされている方も多いと思いますが、当時「人造石油」としてドイツや日本を含む各国で作られたほとんどは石油を原料としたものです。どういう事かと言うと、原油のうちで蒸留を経て精製されてガソリンとなるのは2割、重油が3割ぐらい、その他当時余り使い道のないナフサや残油のようなものも出来てしまいます。そこでそうした物の中から接触分解や水素添加といった手法を使ってガソリン等を生成させましょうというのが当時の人造石油なのです。


  16. こうした事は現在では当たり前に行われていて、どこの石油コンビナートでもそうした過程が組み込まれています。石油以外の物から石油を生み出す事は、石炭油化を含めて実験では可能であっても、大規模に充分に経済性を持って行う事は当時も今も難しい事です(EOS)



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