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142 ビームとレーザーの違いって何ですか?
ぱるぱる

  1. ビーム(BEAM)は「指向性を持つ電磁波」の意味。語源は「梁、桁、横材」で「一直線に長く伸びる」ことに由来します。
    レーザー(LASER)は「増幅された光学的励起放射(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)。
    高純度の発振剤(ガスや結晶)に電気的刺激を与え、原子の発する固有震動放射を共振管で増幅して放射するのがレーザーです。
    波長・位相が一定しており(コヒーレント;coherent という)拡散せずに長距離まで届く特長があります。つまりレーザー放射は必ずビームの特性を持ちますが、ビームは必ずしもレーザーとは限らず、可視光も電波も含みます。
    なお、あまり知られていませんが、共振管を使った電磁放射にはメーザー(Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation)というのもあります(殺獣光線砲ではありません^^;)

    ささき

  2. 付け加えると、「ビーム」は電磁波とは限りません。「電子ビーム」などの粒子ビームもあります(電子には波としての性質もあるけどね)。
    (N)

  3. LASER大好きですので少し補足させてください。「励起放射による光増幅」という言い方もあります。励起の手段はダイオードの場合は電流ですが,多くは光です(Xe管やレーザー)。また炭酸ガスのように分子を励起するレーザーもあります。励起された原子または分子の電子は励起エネルギーを吸収して高い軌道に移りますがこの時反転分布という特殊な状態を作るのがレーザー発振の条件です。反転分布を作れないと只の発光ダイオードになってしまいます。反転分布状態は狭くかつ不安定なので電子が基底状態に戻る時に放出するエネルギーの巾が狭く、光は特定の波長でかつ波長分布は極めて狭くなります。また、反転分布状態から基底状態になしくずしでなく一気に戻るので位相も揃います。固体や発振管から出たレーザー光はそのままでは角度を持って広がるのでビームにするにはレンズが必要です。反転分布がレーザーのキーワード。この条件は極めて限定されるので電球や蛍光灯から偶然でレーザー光が出る事はありません。レーザーダイオード(発光ダイオードも)に不可欠な元素ガリウムは地殻での存在が少なくこのまま乱用すると枯渇の心配があるとの声もあります。
    SHI

  4. 方向の揃ったナニモノかの流れであれば、それは全てビームと言うのです。そのナニモノかが光であればレーザー、素粒子や原子核であれば粒子ビームと呼ばれる。ただそれだけの違いなのです。
    すぎお

  5. 母機からの照射波に乗って飛ぶパッシブホーミング式のレーダー誘導ミサイルを「BEAM RIDER」と呼ぶこともありますね。
    ささき

  6. こりゃまたコマかいツッコミで申し訳ないですが、「ビームライダー」は、ホーミングではなく、指令誘導に類別されますね。
    (N)

  7. ↑そうか、Fire&Forget の効く「Homing Missile」と最後まで誘導してやらなければならない「Guided Missile」は違うんですね。
    ささき

  8. 多分、「ビームライダー」と「セミ・アクティヴ・ホーミング」とがごっちゃになってしまっているのだと思うのですが… 
    「ビームライダー」ではミサイルのコースを指示するのに(目標に向けて発射される)「ビーム」を使うわけです。ミサイルはこのビームから逸れないように、ビームを検知して操縦を行います(ですからビームを検出するセンサは後方を向いてないと行けない)。目標の移動によるミサイルのコースの修正は、ビームの発射側で計算して、ビームの方向を変える事で行われます。
    「ホーミング」式というのは、ミサイル自体(に搭載されているセンサ)が目標を補足して(ミサイル内部で)コースの修正量を計算、操縦する方式です。センサの形式により「アクティヴ」「パッシヴ」「セミ・アクティヴ」に類別することができます。
    「セミ・アクティヴ」は、航空機や地上の設備から目標に電波やレーザーを照射してやる必要があります(ので、一種の指令誘導と見なせなくもないですが)。目標から生ずる反射波をミサイルで検出する方式です。
    (なので「撃放し」に出来るのは「ホーミング」のうちでも「アクティヴ」と「セミ・アクティヴ」です)
    (N)

  9. ↑(N)さんも、こんがらがってる。打ちっ放し可能なのは「アクティブ(レーダー)ホーミング」と「パッシブ(赤外線)ホーミング」ですよね。
    itou


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