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155 例えば、艦船を建造する期間は、起工日と竣工日などから大体わかりますが、航空機や装甲車両の(本体の)組立てには、どのくらいの期間が必要になるのか教えて下さい。
いんとう

  1. 建築物を思わせるような船の場合と量産される戦車、飛行機の場合では事情が異なり、比較になりません。機体により、生産時期により、値のバラツキは軍艦の同型艦を比べた時よりも大きく異なります。悩んでもあまり意味がありません。たとえば零戦の工数から見て、何人/時間かかったかを調べるのなら方法はありますが、これも理論値であって、実際の生産は他に様々な理由によって速められたり、遅れたりするのです。一艦一回きりの歴史を持つ軍艦と量産品の違いです。いつ、何工場で、何の機体の、と来れば話は別なのですが。
    BUN

  2.  大量生産品の場合は、期間出荷数を調べた方が、戦史研究の観点からは役に立ちそうですね。
     工数(見積もり)は、むしろ設計の優劣の一指標となると考えた方が良いのでは。製造に手がかかりすぎるものの場合、工数削減=手抜きや設計変更で生産数を上げることも良くある、というのが1.の要因としては結構重いですし。
    Schump

  3. なるほど、そのように考えるものなんですね。今回このような質問をさせてもらったのは航空ファン2000年2月号P171のF-15最終号機納入の記事で、「F-15は1978年生産を開始、1981年12月11日に生産第1号機を納入……」との記事があり、納入までのテストに時間を要したのだろうけれど、それにしてもえらく時間がかかっているなと思ったからなんです。
    いんとう

  4. 国産の戦闘機のことだったんですか。
    日本の航空機産業は意外とすそ野が広く実に様々な企業が少しずつ関係しています。こんな工場が?と思えるようなところが部品の加工を行なっていたりしますが、その背景には高度な生産技術の定着と継承が意図されているのでしょう。
    生産ペースがのんびりしている印象を受けるのは、こうした生産設備、技術を維持保存してゆく目的が大きいと言えるでしょう。一時に生産を行なってしまうと、その後受注までの長い年月の中で、重要な生産技術などが失われる為と思います。装甲車両が非常にのんびりしたペースで生産されているのも同様の理由でしょう。
    だからコストダウンできない訳ですが、単に「国産兵器は高い」という批判だけでは切り捨てられない背景も考察すべきだと思います。
    BUN


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