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口径5.56ミリ .223どちらも半端な数字ですが、なぜわざわざこんな寸法なのでしょうか? それと.223インチは5.66ミリだと思うのですが、.223はインチでは無いのでしょうか? 陵風 |
- 223Remington/NATO 5.56mm の由来は .22S&W の口径を踏襲していると思います。.22 の由来は 2/9 インチなんじゃないかな?
またインチ口径表記については必ずしもミリ表記と一致しません。7.62mm NATO の原形は .308 ですが、0.308 インチは 7.82mm ですよね?ところが英軍 7.7mm は .300 口径と言われますが、0.300 インチは 7.62mm です。
インチで口径を表記する場合ライフリングの谷側を計るのか山側を計るのか両者の中間なのか、はたまた弾頭口径を示すのか明確な基準がないのです。
あとは弾薬会社やガンメーカーの都合で.38spl と .357mag みたいに同じ口径でもわざと変えて表記する場合もあれば、.44Magnum みたいに真の口径(.425in)とはかけ離れた語呂の良い数字を使うこともありますしね。
ささき
- 便乗質問失礼。
NATOの5.56×45mm弾とアメリカ軍の5.56×45mm弾は互換性がない(少なくともバレル交換。兼用バレルはあるにはあるが推奨されない)らしいのですが、なぜでしょうか。弾薬の見た目上の構造・寸法は全く同じに見えるんですが。
Schump
- 元の設計・規格は同じだと思います。バーミント(キツネとかプレーリードッグとかの小「害獣」)
用)の弾ですので。ボルトアクションレバーアクションなら互換性がないはずないので、ガス圧その他の理由で自動銃だとマズイ、ということではないでしょうか。弾頭・薬莢が完全に同一でも、薬莢内に詰め込む火薬のメーカー・品番
が異なれば、自動銃が作動不良を起こす可能性はあります(極端な場合、同一製品てロットの差でトラブります)。ま、普通は、微調整でなんとかなるはずですが。
はたの
- SS109(NATO弾)はそれまでの物と比べて、遠射性能を上げるために弾頭重量を増加しました。そのためライフリングのピッチを重い弾頭用に変えてやらないと、まともに当たらないのです。
で、現在のアメリカ軍用弾(M855)は、ほぼSS109と同じモノのはずですので問題は無いかと思います。
M16A2からSS109(M855)対応のはずです。
まぐまぐマグロ
- ありがとうございます。確かに調べてみたら「兼用バレル」なるもののライフリングピッチは両者の中間ぐらいでした。ライフリングの回転が緩すぎると回転が付かないし、さりとてきつければ抜弾抵抗が大きいし、というところなんでしょうか。
Schump
- >.223インチは5.66ミリだと思うのですが、.223はインチでは無いのでしょうか?
単純にメートル法に換算するとそうなるのですが、それには理由があります。.223インチの実際の口径は
いわゆる22口径で、メートル法では当然5.56ミリです。この弾薬は狩猟用に以前からあった222Remington
というカートリッジをベースにして作られたものです。弾頭重量をすこし増やした他、自動火器に使用する
関係だと思うのですが、薬莢のネック部分のサイズが少し変更されましたので薬莢長が違いますが、ネック
から下の部分は同じです。
米軍でも正式名ではメートル法を使ってますので、223RemingtonというのはRemington社での商品名です。
このカートリッジを一般に商品として売り出す時に、既にに.222Remingtonというのがありますので便宜上
区別するために223Remingtonとした訳で、実際の口径は222Remingtonと同じです。(ややこしい話ですが
この222Remington の222 もメートル法に換算すると5.64mm で5.56mmにはなりません。これもそれ以前に
22Remingtonという別のカートリッジがあり、それと区別する口径を谷径(グループダイアメーター)の
方で表示してある為にこうなってます。山径(ボアダイアメーター)は.22で5.56mmです。
このような表示の仕方はアメリカの弾薬メーカーがよくやる方法で、7.62mmNATOはウインチェスター社が
開発した弾薬ですが、これも商品として売られる時に既に300ウインチェスターというのがあったために
谷径表示で308ウインチェスターとして発売されました。ご承知のように7.62mmNATOは30-06のケースを
流用して弾薬長を短くしただけと言ってもいいものですので、口径(山径)は30-06と全く同じ.30です。
ついでですが、ささきさんが38spl と .357mag 、44Magnum の口径について書かれていますが、リボル
バーの場合はちょっと事情が違います。リボルバーの口径表示が実際の口径とは違うのはパーカッション
リボルバー時代の遺産のようなものです。パーカッションリボルバーの頃から32、38、41、44というのが
口径の定番のようになっていたのですが、パーカッションリボルバーには当然薬莢はなく、シリンダーに
火薬と弾丸を直接装填するので、弾丸径(つまり口径)すなわちシリンダーの内径だった訳です。1870年
代に金属薬莢の弾薬が開発され始めた時に、銃器メーカーはそれまでの生産設備を流用するためにパーカ
ッションリボルバーのシリンダーの内径に合うように弾薬を作りました。従って38spl(これの元祖?は
38S&Wですが)の38は口径(弾頭径)ではなくてシリンダーの内径の寸法なんです。38splの実際の弾頭径
はインチ表示では.357となります。口径が小さくなると威力が落ちるような印象をさける為と思いますが
弾薬名としてシリンダーの内径表示を使用したのが現在まで続いています。
S&Wが38splの薬莢を少し長くして.357magを作った時、これもまた便宜上区別するために(というより安全
上38spl用の銃に装填されないように)実際の口径表示をしたために、38splと実際は同じ口径でありながら
口径表示が異なっています。44MagnumはRemington社が作ったものですが、これも44Remingtonという元の
カートリッジがあるのですが、これは何故か昔からのシリンダー内径表示のままです。ですから実際の
口径はささきさんが書かれているように.425となります。別に語呂が良いからではありません(笑)。
Colt45
- 細かい事を言って申し訳ないのですが、.22は5.59ミリでは?5.56ミリは.219だと思いますが?(1インチ25.4ミリで換算しました)
陵風
- Colt45 さん詳細な説明サンクス!.44 の口径は黒色火薬リボルバーの遺産でしたか。だからメタルカートリッジ式になってから発明された .41Mag の口径はぴったり .41 口径なんですね。
ささき
- >アメちゃんの5.56とNATOの5.56は違う?
これはM193ボールとSS109の違いを言っているのでしょう。
ライフリングツイスト長の違いです。
SS109のほうがツイスト(ライフリングが何MMで1旋転するか)
がきつくしてあるのです。
M193はこれはM16A1の時代のはなしで
いまはM16A2,M4A1の時代、SS109に統一されているはずです。
官納入業者
- ところで製作する時は、アメリカはインチ単位で、ヨーロッパはメートル単位で造るのでしょうか?
陵風
- ↑だと思います。ハンドガンではないですが、フランス製イスパノ 20mm 機関砲をイギリスがライセンス生産したとき最初はフランスの図面をそのまま使ったのですが(MK.I)、イギリスの町工場ではメートル法の図面が使えないためインチ単位に書き直しています(Mk.II)。
またドイツ MG42 をアメリカでクローン製造しようとしたとき、製図工がメートル→インチ換算を間違えて(バカだねぇ^^;)失敗したという話を聞いたこともあります。
ささき
- インチ・メートル換算のミスはつい最近のNASA関連でもありましたよね。
はたの
- もしインチとメートルで別に造っていると、アメリカ製とNATO製は微妙にサイズが違っていたりするのでしょうか?(差がでない程こまかい単位で造るとか?)
陵風
- そういえば91式戦闘機の試作時にテストパイロットが「弾が当たらないぞ!」とクレームを付け、調べたところ、フランス系技術の機体(メートル法)にイギリス系技術の機銃(ヤード・ポンド法)を装備したために、飛行中にどんどんゆるんでしまってきていたことが発覚した、という話もありますね。
Schump