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243 僕の爺様は,38式小銃は重いけど良く当たる,と言っていました。
この銃は優秀だったのですか?
フッフール

  1.  38式歩兵銃は、日露戦争講和の翌年明治39年に旧日本陸軍制式となった歩兵ライフルです。30年式歩兵銃をベースに南部麒次郎が改良を加えたものです。
     38式がよく当たると言われる理由は、6.5mmX50という当時としては小型の弾薬に対して銃が大型(全長1280mm、銃身長797mm、重量4kg)な点にあると思われます。7mmクラスの大口径のライフルになると、発射時に肩にかかる反動が強く、射手はその一瞬を予期して身を堅くしてしまい、指に力を込めてトリガーを引く”ガク引き”を起こしてしまいます。ガク引きは銃をブレさせるため、当然命中を期するのは難しくなります。その点、38式歩兵銃は、小型の弾薬を銃身が長く重さのある銃から撃つため、肩に掛かる反動が小さく、その分リラックスしてトリガーを引けるのです。
     38式歩兵銃は、性能的には当時の他国の歩兵ライフルと比較して、決して劣る銃ではなかったと思います。特に、機関部の堅牢さと安全構造は、軍用ボルト・アクション・ライフルの中では最高レベルとも評価されています。ボルトに付属するダスト・カバーも、動かすと音がするという難はあるもののユニークな特徴といえます。他方欠点としては、造兵廠の精密工業の基盤が未熟で、部品の最終調整を熟練工の手作業に頼っていたため、製造した工廠が違うと再調整なしでは部品を組み込めないという、工業製品にあるまじき問題がありました(これは38式歩兵銃に限ったことではなかったが)。このため、次期歩兵ライフル(99式小銃)の制定にあたっては、ドイツの精密加工規格を導入するなどして製造ラインの精密化に努力したと聞きます。

    ブラック・タロン

  2. 有り難うございました。
    フッフール


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