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313 G11という小銃について教えてください。
メーカー 生産国 制式採用国 使用する弾薬 着剣の可否等
KAKURA

  1. 独の Heckler & Koch(H&K)社が試作した、ケースレス弾を利用するライフルです。実用化はされていません。弾丸の口径は4.7mmぐらいだったかな。

    (N)

  2. 一時ドイツ陸軍山岳部隊が試験採用したと聞きましたが、その後は噂も聞きません。
    たしかハンドガードにバヨネットラグがあり、着剣できたはずです。
    まぐまぐマグロ

  3.  H&K G11は、ドイツのH&K社が1970〜80年代にかけて開発した新世代アサルト・ライフルです。
     このライフルの特徴は、発射薬を固形化し薬莢を使用しない『ケースレス弾薬』を使用する点にあります。G11用ケースレス弾薬の開発は、独ダイナマイト・ノーベル社と共同で行われました。また、フル・オート射撃時の連射速度を460発/分として射撃コントロール性を高める一方、3点分射(バースト)モードでは2000発/分に高めて、1発目の発射反動が起きる前に3発を発射して命中精度を高める工夫が凝らされています。
     革新的なライフルとして開発されたG11ですが、いくつか欠点も抱えていました。一つは銃自体の構造が複雑な点。2つ目はケースレス弾薬にコックオフ(過熱された薬室に入った弾薬が自然発火する暴発現象)が起きやすい点。3つ目はそれらの要因から銃・弾薬ともにコストが高騰したことでした。
     ドイツ軍はG11をG3に代わる次期制式ライフルとして位置付け、一部部隊への試験配備まで行いましたが、冷戦終結後の国防予算削減等の事情により、結局G11の全面採用は見送られました(その後口径5.56mmのG36が次期制式ライフルとなる)。そもそも、ドイツ軍の制式ライフルの小口径化が遅れたのは、このG11の開発に全力を傾倒していたからでした。
     なお、G11は80年代にアメリカ軍で行われた新世代歩兵用ライフル開発計画『ACR計画』にも提出されていますが、こちらもテストのみで終わっています。

     ケースレス弾薬には省資源や軽量化といったメリットがありますが、現時点では、従来の薬莢式弾薬と比較して、それ以上のメリットが見出せず、また、現在の薬莢式弾薬にも実用上それほど大きなデメリットはありません。G11が軍用として日の目を見なかった理由はここにもありそうです。当分、薬莢がケースレス弾薬にその座を譲ることはないでしょう。

     最後に、G11の最終モデルであるG11K3のスペックを記しておきます。

    <G11K3基本スペック>
    口径:4.73mmX33 全長:755mm 銃身長:540mm 重量:3,400g
    装弾数:45発×2マガジン ライフリング:6条右回り
    ブラック・タロン


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