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331  「ミリタリーウソ話」でも話題にしていたのですが、価格を考慮外とするなら、
「89式小銃」は水準作なのでしょうか、それとも駄銃なのでしょうか。
常日頃は現代陸戦兵器にはあまり関心のない私ですが、何となく気になったもので。



W・アデマイド

  1. 実戦に投入されおらず、市販もされていない兵器の評価というは難しいものです。そもそもミリタリーライフルというものを極論すれば「弾さえ出れば第一義の目的は達成できる」のであり、操作性や命中精度や耐久性や量産性はその兵器を使う国情に応じて評価の優先度が変わります。
    伝聞による限り、89式について機構的な欠陥は指摘されていないようです。安全装置/射撃モードセレクターのレバーが操作しにくいとも言われていますが、それを言うなら「名銃」AK47 の安全装置はもっと操作しにくいです。分解/整備性についてはよく知りませんが、L85A1 や AR-180 より悪いということは無さそうです。耐久性、対塵性、対寒冷性、対暑熱性については寡聞にして知らないです。命中精度が高いという話なので部品の擦りあわせをタイトに造ってあるらしく、極端な温度条件下では動作不良を起こすのかも知れませんが、現在のところ我らが自衛隊が熱砂のアフリカや極寒のシベリアに89式を持って派遣するという事態が考えられない以上それをもって「欠陥」と指摘するのはナンセンスだと思います。
    全体的に見て、5.56mm 自動ライフルとしては極めてオーソドックスに作られた水準作だと思います。なお、同クラスの2〜3倍という価格は純国産・少数生産という政治的・経済的な理由によるもので、銃本来の性能とは直接関係がないと思います。
    ささき

  2.  床井雅美先生の著書に89式小銃のフィールド・ストリッピング(通常分解)状態の写真が載っていますが、これを見る限りでは構造的にはすっきりとまとまっているようです。元々AR-18等を参考に設計されているので。マガジンをM16系と共用可能にした点や、二脚架を着脱式にした点も個人的には得策と評価しています。
     機構的に評価が分かれるのは、3発バースト機能を組み込んでいるトリガー・メカですが、これもバースト関連のメカニズムはユニット・パーツ化されており、その点では評価できる気がします(H&KのG3シリーズのバースト付きトリガー・メカは、旧トリガー・メカにそのままバースト機構を組み込んだので複雑この上ない)。
     89式で唯一評価できない部分があるとすれば、右側配置になっているセレクターですが、64式のように引き回し式ではないので、テクニック次第で欠点にはならなくなるでしょう。グリップした右手の親指を使って操作している隊員がいると聞きます。

     まだ実物を拝んでいないわしが言うのも何ですが(苦笑)、実戦を経験していないとはいえ、89式小銃は64式小銃と比較すると様々な点で改良されており、充分世界水準に達したライフルであるといえると思います。ただ、それが実戦で実証される機会はまずないでしょうし、そんな機会があってもらっては困ります(^^;;;
    ブラック・タロン

  3. ささき様、ブラック・タロン様、どうもありがとうございました。これで「世界一高価なアサルトライフル」に対する、納税者としてのささやかなる不満感も多少はやわらいだ気がします。
    W・アデマイド

  4. 以前、レンジャー教官やつている自衛隊員に「もし選べるとしたら実戦に64と89のどちらを持っていくか」と聞いたら、「64式の照星を接着剤で固定して持っていく」とのことでした。機械的側面からみた評価と、使用感とはまた別のものかもしれませんね。
    はたの


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