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337 旧日本軍の砲についてですが、野砲、山砲、重砲(加農砲とりゅう弾砲のこと?)、歩兵砲の違い、特徴は何でしょうか?特に野砲と山砲の区別が分かりません。
taka

  1. 野砲、山砲は運用面からの分類で、一般に車輪を持った砲架に乗せられ、牽引が容易な砲が野砲、更に分解が容易で馬匹または人力での搬送が可能な砲が山砲で、通常陣地に固定して使用する要塞砲などと区別されます。
    重砲は口径で単純に分類した際の名称で、10cm以上の口径の砲を指し、それ以下の口径が軽砲です。また、加農砲であるか、榴弾砲であるかは無関係です。ですから、有名な10加や15榴は野砲であり重砲である野戦重砲に分類されます。
    歩兵砲は歩兵部隊が直接自部隊の戦闘で使用する砲のことを指します。
    BUN

  2. ありがとうございます。ふつうに野砲となってる場合(九○式とか)は軽砲と考えればいいわけですね。もう少し聞きたいのですが、野砲と山砲では一般に山砲のほうが威力が劣るみたいですがなぜでしょうか?(例えばおなじ三十一年式でも山砲の方が射程などで劣る)
    taka

  3. BUNさんの回答の中にもある通り、「分解が容易で、馬匹または人力での搬送が可能」な砲が山砲です。(九九式十糎山砲は、人力搬送をあきらめていますが)
    つまり、人が担いだり、馬の背中に載せたりして運べる程度に軽く作らなければならないのです。
    必然的に砲架は華奢になり、強度的に弱いものになります。
    砲身は薄く、砲身長も短くせざるを得ませんので、初速を大きくできません。
    閉鎖機も重くできないので、装薬もあまり多くできません。

    ところで師匠、九一式十榴は野砲兵ですよね。
    わたくしめは、榴弾砲は十二榴から重砲兵になるものと思っていたのですが?
    まなかじ

  4.  山砲は山岳地での運用が前提ですから、通常の野砲に較べ軽量かつ人力運搬容易でなければいけません。そのため、砲自体の軽量化や分解可能にするなどの処置が必要になります。(日本では運搬時の部品1個の重量制限は100kgだったかな。)そうすると、砲自体の強度にも支障が出てきてしまいます。そのため、初速を遅くするなど、発射時の砲への負担を減らすしかありません。この初速の差が性能に影響します。
     ちなみに、94式山砲は90式野砲と同じ弾丸を使用します。薬莢は違いますけどね。従って、射程や貫通力には違いがあるものの、榴弾威力は同等のはずです。
    tomo

  5. またまたかぶってしまった。あう〜。
    tomo

  6. いんにゃ、まなかじ氏、九一式10榴は例外的な軽量砲で、重砲の口径を持ちつつも野砲と同格の扱いを受けていたということであって、重砲の定義はやはり10cmで問題は無いんです。
    BUN

  7. 重砲なんですが、日本陸軍の定義では10加、12榴、15榴が野戦重砲で、15加、20榴以上が重砲のようです。
    舞弥

  8. 定義というのは「10cm以上」ということであって、どの砲が何に属したかでは無いでしょう。「軍直轄で運用される○式10センチ榴弾砲」というものが存在すれば、それは重砲意外の何者でも無いはずです。
    BUN

  9. あ、日本語おかしかったですね。「日本陸軍の区分では」でした。それから基本的な確認ですが、例えば「野戦重砲兵連隊に装備されるのが野戦重砲」ではなく「野戦重砲を装備する砲兵連隊が野戦重砲兵連隊」という事になると思います。

    それで定義なんですが「重いのが重砲で軽いのが軽砲(野砲、山砲等)」というのはどうでしょうか?

    それだじゃあんまりなので、もっと細かく言うと「馬6頭でそのまま曳ける2トン以下の砲が野砲、それ以上が重砲」
    舞弥

  10. 重砲というのは、口径の外に、馬何匹で引く(既に後期の砲は馬で牽けない)という定義はありません。しかし、原則的に野戦重砲兵は師団ではなく、その上の軍か方面軍に直属する砲兵のことを指します。野戦重砲甲、が榴弾砲、乙が加農砲とされていますが、それぞれ何トン、牽引の馬匹がどれだけ、といった定義がある訳では無く、性能、仕様よりも、むしろ運用上の問題なのです。ですから舞弥さんの認識は合理的ではありますが実態とは正反対であって「野戦重砲兵連隊に装備されるの大砲が野戦重砲である」とした方が、まだ現実に近い表現となります。
    以上のようなことなのですが、話を戻せば、九一式は特別に姉妹砲の九〇式野砲と同格の扱いを受け、師団砲兵にも配備された砲であっって、この事例を以て「榴弾砲だけは12cmから重砲」とするのは間違いです。
    BUN

  11. ちなみに戦後日本の兵器関連方面でも、そうした分類の重要性は薄れて来ましたが、重砲の定義は榴弾砲、カノン砲にかかわらず、口径10cmを境界にしていることには変化がありません。
    BUN

  12. 一応以下のような区分があります。

    軽砲 口径115mm以下 重量3トン以下
    中砲 口径155mm以下 重量8トン以下
    重砲 口径155mm超  重量8トン超

    概ね日本陸軍で言う野砲、野戦重砲、重砲がそれぞれに対応しますが、日本陸軍での実際の区分とは多少違います
    実際問題、日本陸軍での野砲の基準は重量2トン以下というもの。なぜかというとこれが日本の馬6頭で曳ける限界だからです。馬の数を増やせばもっと重い砲も曳けそうですが、実際には馭方上の問題から6頭が限界で、それ以上増やせば馬のコントロールが困難になります。従ってそれ以上の重さの砲を運ぶには砲を二つ以上に分解して運び現地で組み立てるという事が必要になります。軍団砲兵とかならともかく師団砲兵クラスでは機動性も要求されるので、結果的に6頭−2トンの限界に縛られてしまいます。これが野砲(軽砲)というカテゴリーの正体で、逆に言えば馬ではなく自動車による索引を前提とするならば野砲というカテゴリーの存在理由がなくなる事になります。
    つまり重砲云々の区分の基準になるのは主に重量の問題であって、口径ではありません。野砲が75mmクラスだったのは単に2トンの範囲で納めるにはそれが限界だっただけであって、105mmであっても重量が2トン以内に収める事が可能なら別にかまわないのです。
    また口径だけを基準にして榴弾砲も加農砲も同じという言い方では、また別の問題が出てきます。同じ口径であっても榴弾砲と加農砲では重量が一クラス以上違ってしまうのです。例えば15cmを例にとると、96式15榴が4トン程度なのに対して15加は89式で10トン以上、96式で25トンにもなります。区分も前者が野戦重砲であるのに対して後者は重砲となります。
    舞弥

  13. 蛇足ですが、日本軍には99式10cm山砲というのもありました。
    舞弥

  14. 何度も繰り返して恐縮ですが、野戦砲=野砲というのは戦車砲、艦砲といった用途別の分類名であって、重砲と対をなす分類名称ではありません。重砲、軽砲は口径別の分類名称であって、砲の総合的性能、仕様を区別する名称では無いのです。重砲、軽砲の分類が現在でも有効かどうかは別として、防衛技術協会編「火器弾薬技術ハンドブック」等にもこうした分類が解りやすく載っていますので、この説を採らせてもらっています。ですから自動車での牽引が行われると野砲の存在理由が無くなる、ということでもありません。もちろん舞弥さんの説くところは理解できます。状況としてはまさにそうした物だと思います。しかし、それには何か明文化された規定が存在するのでしょうか?それとも御自身の考察の結果なのでしょうか?
    それと、何も例外を好んで求めて発言する訳では無いのですが、例えば十四年式十加は多分、分解せずに前車を接続して馬八頭で牽けるのではないでしょうか?
    BUN

  15. 確かに用語の混乱がありますね。「野砲」というのは本来、最初にBUNさんが書かれたように、要塞砲や攻城砲のような機動性を考慮しない大型の砲に対して機動性を考慮した野戦用の砲を意味します。ところが日本陸軍はfield gun としての野砲を「野(戦)砲」「野戦重砲」という言葉で二分してしまったのでややこしい事になったのだと思います。とか書いてる最中にBook Shelfで「野砲」の項目を引いてみたら「野戦砲の一種。師団の編制内で歩兵支援用に用いられる口七五ないし一〇五ミリメートルの榴弾砲。砲兵の標準主力火砲。」なんて説明がある、、ややこしい。
    それから日本陸軍の野砲の前車を接続した全備重量を並べると、38式(1734kg)、改造38式(1909kg)、90式(2000kg)、95式(1933kg)、94式10榴(1980kg)となり、なんとか2トン以内に納めようとした形跡が伺えると思います。これらは全部6馬輓曳です。8馬輓曳の例がない訳ではなく38式のの15榴(全備重量不明)及び10加(3215kg)は8馬です。ただしこれは失敗とされて、次の15榴である4年式15榴は6馬X2の分解式、また10加の方は14年式(3730kg)が5トントラクターによる牽引となりました。
    参考資料としては、光人社NF文庫の「大砲入門」佐山二郎 とかです。

    舞弥

  16. 「94式10榴」→「91式10榴」
    舞弥

  17. 明文化された規定があるのではなく、舞弥さんが考察の結果として上記の分類を提起されているのでしたら、私は何も言うべき事はありません。

    けれど最後につけ加えれば、私は野戦重砲の大砲としての定義にあまり細かく拘ることはない、と思います。野砲と野戦重砲の違いは砲種に重点があるのではなくて、主にそれを運用する部隊の違いに重点があるのです。野戦重砲は野砲で重砲に属する砲という程の意味ですが、日本軍の場合、軍直轄砲兵である野戦重砲連隊と師団に属する通常の野砲連隊とでは部隊の格のような物が異なる、ということです。一般的に早くから自動車化が促進されていた野戦重砲連隊の砲が、一般の野砲連隊よりも機動性には富む傾向にあったことは動かし難い事実ですので、御説の機動性についての考え方では説明できなくなりますし、また野砲連隊が重砲を装備して戦闘に参加した例もあります。だからといって「かほど帝国陸軍は不可思議な装備を行っていた」と考えるのも身も蓋もない事だと思います。
    BUN

  18. 「明文化した規定」というのはどの部分についてでしょうか?
    それから野戦重砲兵も野砲兵も所属が違うだけで装備する砲に違いはないという説には正直驚きました。第2次大戦レベルでいえば各国とも師団砲兵は75mmクラス、あるいは自動車牽引を前提とした10榴クラスでそれ以上の砲は軍団歩兵になります。今の自衛隊でも師団特科は15Hで特科群は20Hですね。余りにも実体を無視した、根拠を見つけがたい説ではないかと思います。それに日本軍に話を戻せば野戦重砲兵というのは重砲兵(要塞砲や攻城砲)から分化したものだという事をご存じでしょうか?
    「野戦重砲連隊の砲が、一般の野砲連隊よりも機動性には富む傾向にあったことは動かし難い事実」という部分にも基本的な誤認があるように思えます。野重がいちはやく自動車牽引になったのは先にも書いたように他に移動手段がなかっただけの話であって部隊の機械化とは関連はありません。アメリカから輸入した農業用トラクターでの移動は8馬輓曳よりはマシというだけの話で6馬輓曳の野砲や徒歩の歩兵より別に早かった訳ではありません。日本軍の砲兵で本当に機械化と関連するのは自走砲を除けば、機動90式野砲や機動91式10榴だけです。これらの砲はゴムタイヤに本格的な緩衝装置付きで40km/h程度の牽引が可能です。
    それから「野砲連隊が重砲を装備して戦闘に参加した例」というとどの例でしょう?10榴は基本的に重砲である、という説には反するようですが、おそらく昭和15年平時編制の野砲兵連隊の甲編成(の1と2)にある15榴を言ってらっしゃるのだと思います。これは従来の野砲(10榴含む)3個大隊に加えて重砲兵連隊で用廃になった4年式15榴による第4大隊を加えたもので、連隊砲としてリサイクルされた41式山砲の例に似ています。41式山砲を歩兵が装備したからといって、歩兵砲と山砲が同じという事は言えないのと同じであまり適切な例とは思えません。師団砲兵に15榴を装備した例は当時少なく、たぶん日本軍が師団を戦略単位と考えていたのと、元々15榴以上の「重砲」の比率が世界的に極端に少なかったのを意識して旧式でもいいからとにかく「重砲」の数をふやしたかったのでしょう。いずれにせよこれは本来の師団砲兵とは別枠の特別な存在です。他の国の例では余り聞きませんし、日本軍でも4大隊の甲編成を組めた野砲兵連隊はごく少数です。ただこれは自衛隊特科には引き継がれていますね。師団特科連隊における全般支援大隊です。
    ところで「重砲は10cm以上」という説の根拠を探したのですが、残念ながら発見する事が出来ませんでした。近いのは戦前火砲の教科書によくある「小口径9cm以下、中口径19cm以下、大口径19cm超」という区分ですが、重砲/軽砲の区別とは関係がありません。また自衛隊では10Hを軽砲、15Hを中砲として区分しています。

    舞弥

  19. 「15榴以上の「重砲」の比率が世界的に極端に少なかった」→「15榴以上の「重砲」の比率が世界レベルと比較して極端に小さかった」
    舞弥

  20. 申し訳ありませんが、私は、そのようなことを主張している訳ではありません。舞弥さんのおっしゃる具体的に数字を挙げた、重量何トンから何トンといった詳細に渡る区分が、舞弥さん御自身の想像ではなく、明文化された規定として存在していたのか?もし、あるならぜひ参考にしたいので教えていただきたい、ということなのです。御理解ください。
    BUN

  21. 了解です。12の冒頭であげたやつですね。
    これは「図説 帝国陸軍」太平洋戦争研究会編著 翔泳社 からの引用です。一応裏とろうと思って「砲兵沿革史」やら「日本砲兵史」やら「砲兵操典」やらあたりましたが、これに関する記述はありませんでした。「日本の大砲」は見てません。重砲といえば要塞砲や攻城砲として重砲兵が装備していた砲の事になってしまうし、重砲/軽砲と区別した表とかみても多分に便宜的で、その時々の筆者がアバウトに括っている例が多いです。
    それからどうでもいいことなのかもしれませんが、「武器等製造法施行規則」通商産業省令43号に武器の種類として火器の区分があります。
    (1)小口径砲(口径が20mm〜40mm)
    (2)中口径砲(口径が40mm超〜90mm 迫撃砲は除く)
    (3)大口径砲(口径が90mm超    迫撃砲は除く)
    (4)迫撃砲

    舞弥

  22. 仕事をサボって恵比寿まで行って半日潰して探しましたが、重砲と軽砲の区分を重量まで定めた文書には出会えませんでした。ですから、当面、個人的には「重砲、軽砲を重量、牽引法等でで区分した公式文書は多分無い」との判断でいきたいと思います。
    また、陸軍省九一式十榴の取扱法の総論を参考までに転記します。
    「本砲は概ね野砲と同一の運動性と更に大なる威力とを有し野戦において主として野砲の射撃し得ざる遮蔽目標等を射撃するに適するべく設計せられたる軽榴弾砲にして砲車及び前車より成る」
    更に試製九一式十榴取扱法の概説には
    「本砲は近世戦闘の要求による野戦軽榴弾砲として必要なる威力を具備せしめ且運動性上其の重量を極度に減少することを主眼として設計したるものなり」

    とあります。
    この総論、概説にあるように、10cmクラスの榴弾砲が最初から軽砲として分類されるべき砲であるなら、わざわざこんな注記を含んだ書き方はしません。この砲が従来の区分に対して異例の砲であったことが理解できると思います。

    これでは納得していただけませんか?
    BUN

  23. 了解です。例の区分も、結局確かな裏付けがとれなかったので自分としても保留としておきます。恵比寿にもなかったとしたらお手上げですから。
    91式10榴ですが、確かに「91式野戦砲」ではないのですから、やはり純粋の野砲とは区別しなければならないのかもしれないと思います。他国の10榴、例えばアメリカのM2やドイツのle FH18の意味合い等も含めて、後で考えてみます。
    とりあえずお疲れさまでした。私ももう若くはないのにむきになりすぎました。失礼な表現があった事はお詫びします。
    舞弥

  24. 僕としては、お二方のやりとりのおかげで、貴重な情報&考察を手にすることができました。
    BUN親方、舞弥さん、お二人ともご苦労様でした。
    そして、ありがとうございました。
    勝井

  25. 爽やかなファイトの後を汚す、出しゃばりなレポーターといったところか・・・。よそで受け売りするときはせめて正確に受け売りするように。
    BUN


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