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526 第二次大戦時、ドイツが開発していた爆弾魚雷とはどのような物なのでしょうか。簡単な仕組みなど、わかりましたらお教え願います。
tomo

  1.  爆弾魚雷とは、ドイツ語の「Bonbentorpedo」を直訳したものですが、本来は魚雷型
    爆弾と訳すべき兵器で、通常は「BT1400」などのように表され、後ろの数値が重量を示
    しています。小型のBT200からBT1850まで予定されており、Fw190などの単発戦闘機
    や双発機に搭載され、軽装甲艦から重装甲艦を目標とする対艦攻撃用爆弾でした。
     BTは無動力でありながら魚雷のように水中を進むことのできる爆弾で、その投下
    方法と独特の形に秘密があります。円筒形の爆弾本体の先は、小さな重量のものはで
    は大変細長い円錐台をしており、大きな重量のものではほぼ円筒形で、それぞれの先
    端部は魚雷のように丸くはなく、またとがってもいません。小さなものでは平ら、大
    きなものでは緩やかな曲面をもった円盤状になっており、これが秘密の一つです。
     円筒形の中央部の後部は後ろに向かって絞られた円錐台で、そこに一枚が折り畳み
    式となった、3枚の空中姿勢を安定させるためのフィンが等間隔でつけられています。
     一定の高度から約20から30度の角度で、一定の速度で降下し目標のかなり手前で投
    弾すると、先端部の形状のおかげで水面から跳ね返ることもなく、また潜りすぎるこ
    ともなく、水中を魚雷の3倍ほどの速度で進み、BT200など小さなものは直接目標の
    舷側に命中させ、また大型のものはさらに深い深度を進み、磁気式近接信管によって
    艦底の真下で爆発するようになっています。
     先端部の平らな部分は、日本では戦後になって捕鯨に使用された捕鯨砲のモリ、
    つまり「平頭モリ」と同じ原理であり、この原理をすでにドイツでは研究から導き出し
    ており、その効果を爆弾に利用したものです。
     小型、中型のものがFw190によってテストされており、自動投弾をさせるため、当時
    もっとも進んだジャイロサイトEZ42(2軸ジャイロ)と急降下爆撃用自動装置TSAと組み
    合わせて、実験、研究が魚雷兵器研究所(TWA)において1944年ごろされていました。 
    国江

  2.  なるほど。なかなかに興味深い物ですね。実戦使用されなかったのが残念です。
     よく分かりました。ありがとうございます。
    tomo

  3. 日本海軍の九一式徹甲弾の航空爆弾バージョンって感じですね。
    taka


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