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969  質問、というか疑問なんですけど、FN P90の5.56mm版はなぜ作られないのでしょう?完全アンビでブルパップ特有の左手で射撃した際の排莢問題もないし、そのままスケールアップすれば、かなり魅力的な製品ができると思うのですが。(弾倉の左右幅が広くなりますが、どうにかできる問題だと思います。)
 個人的にはマーケッティングの問題(作ってもそれに見合う売上げが見込めるか)かなと思うのですが。
epitaph

  1.  「5.56mm」を「いわゆる西側アサルトライフルのタマ」と解して話をします。
     P90は所詮「サブマシンガン」の仲間なので、自動装填機構の動作はストレート・ブローバックによっています。つまり、銃身内のガス圧が下がるまで遊底(ボルト)をロックしておくメカニズムがなくても、ボルトの質量とバネだけでガスの逆流をふせぐことができる程度のタマを使っているということです。
     しかし、火薬量が段違いに多いライフル弾ではそうはいかず、ガス圧作動機構(一般的)、摩擦力・斜面傾斜(ローラーロッキング等)等の手段でボルトの開放を遅らせないと発射ガスが逆流して射手を焼いたり弾倉内のタマを誘爆させたりすることになります。このボルトのロック・開放のための機構を納めるスペースがP90の内部にはありません。単なる拡大版にするとしても、ライフル弾のガス圧を押さえておけるだけの質量のボルトとスプリングでは重量や取扱い(コッキングできない!)の点で実用品にはなりえないでしょう。
     結局全く別の銃を設計することになり、同級機が多い市場でもあるので、おいそれとは開発に手を出せないでしょう。
     P90が商品として成立したのは、拳銃弾サブマシンガンでは倒しきれない(防弾チョッキ・車両内等)が、さりとてアサルトライフルでは自分の小回りが効かない状況で使う、という一種の隙間商品(といっても結構大きい隙間ですが)を作ったということに尽きると思います。
    Schump

  2.  なるほど、ストレート・ブローバックだったのですね。気付きませんでした。おかげですっきりしました。ありがとうございました。
    epitaph

  3.  手元にある床井先生のP90レポを見ながら書いてるんですが、P90の5.56mmX45版は『作ろうと思えば作れないこともない』って感じがします。
     構造的には、ガス圧作動機構を組み込む余裕はありません。一番無難な方法は、全長を拡大してクリアランスを取り、ボルトを大型化してFA MASやG3系のようなディレード・ブローバックにすることでしょう。P90の特徴たる並列マガジンですが、5.56mmX45弾は5.7mmX28弾の2倍近い弾薬サイズなので、M16用マガジンと同じ幅のものをそのまま横に寝かせるというのは、(銃本体の幅がどれくらいになるかにもよるが)頬付けで構えたときにかなり違和感があるんじゃないかと思います。どっちにしろ、銃本体は再設計が必要になります。
     元々、『拳銃弾を使うサブマシンガンより高威力で、且つアサルト・ライフルより扱いやすい、単純でコンパクトな個人防護用武器』をコンセプトに、弾から本体まで設計したP90です。5.56mm版を作ったとしても、ある意味このコンセプトから逸脱する存在となる可能性があります。各種5.56mmライフルが乱立する市場において、すでにFNCという製品を持っているFN社が、社内競合してまでP90の5.56mm版を作る必要性は薄いと思います。

     ちなみに、P90の開発初期に作られた操作性確認用の試作品は9mmX19で設計されていたそうです。
    ブラック・タロン

  4. FN P90て何? という人の為に下記HP!
    このコーナーをROMしている常連さん達なら当然 P90知ってますよね。
     http://www.remtek.com/arms/fn/p90/data/concept.htm

    で ここを丹念に見ると−−
    1.P90の売りの1つが、”射撃反動が M16シリーズ(5.56mmX45)の1/3でしか無い。”
      事だそうです。 超軽量高速弾のコンセプトだから当然ですね。
      こう言っといて、5.56mmX45版を販売したら 本末転倒になってしまいますね!!

    構造面で考えると−−− >1.Schump 氏  >2.ブラック・タロン氏 が 鋭く考察していますね。 
    2.やっぱり あの特徴有る並列マガジンが異様な形状、サイズになってしまう。
    3.特徴的な半?回転送弾方式で、5.56mmX45弾を可能にする機関部スペース有るかな?
    4.意外だったんですが、5.56mmX45弾でロッキング(ディレード)無しストレートブローバックは
      ちよっと手を加えれば可能かもしれません。 P90専用弾 5.7x28仕様
      http://www.remtek.com/arms/fn/p90/ammo/index.htm   を見ますと、
      腔圧 345MPa= 3400kg/cm2 で 5.56mmX45弾の通常腔圧3650と近似値です。
      5.7x28の時点で、重めブリーチボルトと超強力リコイルスプリングで 抑えている様です。
      重いボルトが前後する動揺、初弾装填時コッキング力を考えると、いやになっちゃうが!
      
    結局、私見1.〜4.及び ブラック・タロン氏が指摘している様に、元々のコンセプトから
    5.56mmX45版は考えてないのでしょう。

    蛇足、 一緒に紹介されているP90サイレンサー用専用弾。
      軽量弾をここまで初速落として迄使用したら 威力かなり落ちて、元のコンセプトと矛盾して来ますね。
      それでも 拳銃弾よりは貫通力有りそう!! この弾の腔圧も345MPa というのは、ウソでしょう!!


    軌跡の発動機?誉

  5.  蛇足2。
     P90とペアを組むサイドアームとして『ファイブ・セブン』ピストルがあります。この銃の開発にあたって、FN社は5.7mmX28弾をSS90からSS190にマイナーチェンジしています。理由は、P90用に開発されたSS90(弾頭重量1.5g、初速850m/秒)をそのままピストルに適用するには、大きさ(全長43.2mm)と腔圧の面で無理があったからです。
     このため、P90とファイブ・セブン双方に使え、且つ当初の性能も維持できるよう、弾頭を短くして全長を約40mmとし、弾頭重量を2gに増やしたSS190(初速715m/秒)が開発されました。
     それでも、ストレート・ブローバックでこの弾を使うのは無理があり、ファイブ・セブンはフレーム後端にカムを備えてスライドの後退スピードを殺すディレード・ブローバックを採用しました。

     ちなみに、現在の5.7mmX28弾には、通常弾SS190の他、トレーサー(曳光弾)L191(弾頭を赤で着色)、サイレンサー用サブソニック弾Sb193(弾頭を白で着色)が用意されています。
     当初のSS90には、弾頭をさらに細くしてプラスチック・サボで包んだ高初速弾が用意されていましたが、通常弾が充分な性能を持っているため廃されたようです。
    ブラック・タロン

  6. >5.ブラック・タロン 氏 紹介の Five−SeveN ピストルは これ!
    ディレート装置内蔵。−−−>片手(操作&射撃)が 基本のハンドガンで、重いボルト(スライド)や
    超強力リコイルスプリングでは、たまんないものね!
      http://www.remtek.com/arms/fn/57/index.htm

    本家メーカー FNのHPでは ここです。
    P90         http://www.fnmfg.com/products/p90/p90.htm
    Five−SeveN http://www.fnmfg.com/products/fivesevn/fivesevn.htm
    5.7mm弾     http://www.fnmfg.com/lawenf/ss190/ss190.htm

    蛇足3. P90 と Five−SeveN の銃身長−銃口初速を比較すると−−
     ・P90    10.35インチ(26.3cm), 715m/s  
     ・Five−SeveN  4.82インチ(12.25cm), 650m/s

    銃身長さが半分以下になっても こんなに(650m/s)出ている。 怪しい?!
    ちなみに 5.56mmX45 は 850〜950m/sぐらいかな! M16シリーズ、各銃身長による。

    〜?誉

  7.  間抜けな質問にもかかわらず数多くのレスを頂きありがとうございますm(_ _)m。少し調べればわかったものを、てっきり「ガスオペレーションだろう」と思い込んでました(反省)。めげずに精進いたしますので今後もよろしくお願いします。
    epitaph


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