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1001 以前グアムで銃を打ったことがあるのですが、思ったより反動がありませんでした。(片手で357マグナムが撃てました)
店員に聞きましたら、炸薬が70パーセントしか入っていない、との事でした。炸薬を減らすと本来の性能よりどのくらい破壊力や飛距離がおちるものでしょうか。また、炸薬は簡単に減らせる物なのでしょうか。素人考えでは薬莢の中がスカスカで火薬が燃えて行かない気がするのですが。なにか燃焼するパウダーでも代わりに入れるのでしょうか。
M2型

  1. まず用語の間違いから。
    炸薬:砲弾・爆弾・魚雷などに装填し、発射してから爆発させる火薬。
    装薬:銃砲の弾丸を発射するため、銃砲の薬室内に火薬を装填すること。また、その火薬。発射薬。
    (広辞苑第四版より)

    >炸薬を減らすと本来の性能よりどのくらい破壊力や飛距離がおちるものでしょうか。
    近似的には、装薬を減らした割合だけ威力も落ちるでしょう。実際には装薬の燃焼効率も変わるためさらに増減します。
    >薬莢の中がスカスカで火薬が燃えて行かない気がする
    イメージがよくわかりませんが、火薬はなにもぎゅうぎゅう詰めにする必要はなく、地面に盛った状態でもよく燃えます。(但し銃砲用の装薬は粉末状の火薬より燃えにくいです。)そもそも薬莢の中の装薬は雷管からの伝播炎によって点火します。装薬無しの雷管だけの威力でも大したもので、弾頭を薬莢から押し出して銃身に食い込ませます。また357マグナムや38spl等のリボルバー用の弾はもともとスカスカです。(ここの999番14の誉さんのレス参照。)装薬を増やすのは危険ですが、減らすのはリボルバーでは難しくありません。但しオートでは回転不良の原因になります。

    観光用のシューティングレンジで装薬を減らした弾薬を使うことはよくあるそうです。
    epitaph

  2. 米本土のレンジでファクトリーロードの 38spl を M66 チーフスペシャルで撃ちましたが、両手で撃つより片手で撃ったほうが反動が逃がし易く楽でした。当たるかどうかは別問題として(苦笑)。
    ささき

  3.  .22口径のリムファイア弾薬の中には、発射薬(装薬)を充填せず雷管の火力だけで弾を発射するものがあります。.22BB.CAPと.22CB.CAPの2種で、いずれも室内射撃用に開発された弾です。.22LRを装填可能な薬室を持つ銃で撃てますが、言うまでもなくオートを作動させる力はありません。

     自衛隊の64式小銃は7.62mmX51弾を使用しますが、フル装薬の7.62mmX51弾はフル・オート射撃のコントロールが難しい欠点があるため、自衛隊では装薬量を80%に減じた減装弾薬を使用しています(フル装薬の弾も撃てるらしい)。同じ7.62mmX51口径のスペインのセトメ・モデロCも減装弾を使っているそうです。

     海外の射撃場の中には、装薬を減らして撃たせる所がよくあるようですが、装薬が少なすぎて銃身内で弾が止まってしまったという危ない話も聞いたことがあります。
    ブラック・タロン

  4. 蛇足ですが、火薬のことを英語ではパウダーと言った
    はずです。
    SAW

  5. >薬莢の中がスカスカで火薬が燃えて行かない気がする
    月刊ガン別冊によれば(いつもこればっかりですが,)38SPや45ACPなどはケ
    ースいっぱいにパウダーチャージすると規定の3倍程度つめられたと思います。
    これらのケースの容量はもう100年くらい前に決められた物なので,現代のパウダー
    ではケース容量いっぱいに充填する必要が無いのです。

    R

  6. 薬莢内で装薬が入っていない空間を「エア・スペース」と言います。『幻の機関銃』ではエア・スペースを無くすと、発射時のガス圧力が高くなりすぎて装薬の燃焼にバラツキが生じ、精度が落ちると述べられています。しかし、『GUN用語事典』のエア・スペースの項では、ライフル競技の選手は装薬をぎゅう詰め(100%かそれ以上)にする傾向にあるという記述があり、どちらが正しいのか混乱しています。

    小石川

  7. 武器、装備 AnsQ.も1000を超えましたね!
    こちらの質問も、AnsQ.999の続きみたいな感じになりました。

    エアースペースの件、補足します。 説明不足でした。  
    メーカー製の弾、一般論ですが−−−当然、無煙火薬。
    1.旧式REV用カートリッジ : 速燃性発射薬(装薬)を、ケース容積の1/2〜1/3ぐらい充填。
    2.REV用マグナムカートリッジ: 中燃性発射薬を、ケース容積の3/4〜2/3ぐらい充填。
    3.AUTO用カートリッジ: ほぼ REV用マグナムに同様。
    4.小口径高速ライフルカートリッジ : やや遅燃性発射薬を、ケース容積の100〜90%ぐらい充填。
    5.通常ライフルカートリッジ : 遅燃性発射薬を、ケース容積の100〜90%ぐらい充填。

    *ライフル弾は、ほぼ満タンに発射薬を充填しており、初速が700や800m/s以上出る訳です。
      燃焼速度の説明は難しいので、今回はPASS。

    >6.小石川氏の疑問。 回答しにくいです。
       一般論ですが−−−
    1.増装弾にする事によって、腔圧上昇−−>初速向上−−>更に低伸弾道かつ
    短飛翔時間になり、
      風、重力の外部影響を受けにくくなり命中精度向上する。
    2.但し、腔圧上昇すればするほど、この圧力にバラツキが出やすくなります。−−>初速のバラツキ
      −−>命中精度の低下。
    3.増装弾にする事によって、射撃反動も大きくなり−−>命中精度の低下。
    4.初速が向上するのに会わせて、ライフリングピッチ(腔旋転度)も変更、ピッチをゆるい方向で合致する必要あり。
    5.腔圧&初速が向上しない様に、発射薬の種類(燃焼性質)を変更し、100%充填=エアスペース零に近づけるか?
      <−−これでは、別の弾を製造している様なもの! 切りがない。

    結局、ケースbyケースではないでしょうか!!
    AnsQ1001質問: 弱装弾(減装弾)の性能低下の件は、その逆説という事で!!

    AnsQ1001 変な結論。私見。 
    単純に考えれば、使用目的が極端なベンチレスト射撃競技やオリンピック競技でもない限り、
    弾薬メーカーが何万発も試射して、その弾頭、初速、命中精度、価格、等 ベストバランス(妥協?)させた物を
    製造している(筈)ですから、いじらないのが1番良いと思います。

    軌跡の発動機?誉

  8. 一般的な砲内弾道学では、air spaceは弾速を一定にする働きがあるとされていま
    す。ただし、砲口速度は下がるけどね。

    薬室内において(銃の場合は薬莢)装薬を発火させたとき、この空気層がバッファに
    なり(transientな領域では燃焼ガスと簡単には混じらんのです)、薬室内圧力が一
    気にあがることで弾頭が動いてしまうことを防ぎます。

    大まかなダイナミックス(理想状態)はこんな感じ。
    [装薬点火点(線)]→[未燃装薬]←→[空気層]←→[弾頭底部]
            (衝撃波の反射によって徐々に圧力があがる)

    火薬という物は現在人類が比較的楽に手に入れられるものでは、一番コンパクトな
    エネルギー源であることを忘れてはいけません。と、いうことは案外ちょっとした
    ことで幾らでも理想的維持点火状態が崩れることを意味します。

    これが競技者用弾薬や軍用弾薬のように熟練者が慎重に填薬したり等、性能をひた
    すら突き詰める使用法ならばコストを掛けた点火方法を用いた最大薬量での填薬方
    法も選択肢として生きてきますが、そうじゃないコンシューマレベルで運用コスト
    を重要視した場合、当然ながらそのような方法は使用できず、ラインの製造効率を
    求めるという観点から、比較的一定の性能が求めやすいエアスペースを用いた構造
    を使用するのは決して悪いことではないと思うです。

    sorya

  9. ご回答ありがとうございます。一括レスで失礼いたします。

    減装弾、ということについて良く理解できました。薬莢の規格は過去の物であり、現在の火薬の性能は満タンに満たす必要がない。なるほど、そう思います。雷管の火力だけで撃てる銃、目からウロコです。知らなかった‥‥。装薬の量と銃の関係など、たくさんの情報、感謝いたします。
    M2型


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