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1019 超甲巡用の31サンチ砲と36サンチ砲の、対舷側および対甲板の貫通力について、具体的な数値をご存知でしたら、教えて頂けないでしょうか?
mikey

  1. アメリカの12in/50と14in/50の対甲板を比較した場合、下記の様にほぼ同レベルの値を示しています。
     Range    12in/50 14in/50
     25,000yards 103mm  102mm
     30,000yards 135mm  130mm
     35,000yards 177mm  182mm
     Data From ”Battleships: United States Battleships 1935-1992”

    また、確かアメリカの12in Mark8より、日本の31サンチ砲の弾頭の方が重かったと記憶しているので、
    対甲板(のカタログ値)に関しては、31サンチ砲が36サンチ砲を上回っているのではないか?と思い、質問した次第です。
    mikey

  2. >1
    すいません、12in/50と14in/50のデータが逆になっていました。
    正しくは下記の様になります。
     Range    12in/50 14in/50
     25,000yards 102mm  103mm
     30,000yards 130mm  135mm
     35,000yards 182mm  177mm
     Data From ”Battleships: United States Battleships 1935-1992”
    mikey

  3. 実際に建造されていないのだから具体的な数字は出てこないでしょう

    SUDO

  4. ↑砲の試作もされてないんですか?
    taka

  5. 元々気にしているのは、貫通力、特に対甲板の値で「31サンチ砲が36サンチ砲を上回るのか否か」です。

    仮に、31サンチ砲の貫通力が36サンチ砲のを上回っていた場合、条件次第では、
    「31サンチ砲では貫通するが、36サンチ砲では貫けない」
    と言った事態も起こり得るかと思います。
    「貫通した31サンチ砲弾」と「貫けない36サンチ砲弾」とでは、31サンチの方が上と見なして良いですよね?

    この様な逆転現象は、起こり得るのか否か、
    起きた場合は、どの様な条件下でなのか、
    などといった事を検討する材料として、両者の貫通力の値を求めた訳です。

    具体的な数値が残っていない様でしたら、何か参考になるデータでもかまいません。
    ご教授の程、宜しくお願いします。
    mikey

  6.  超甲巡は一応外観のわかる図面も残ってますし、丸5計画の時に試製乙砲として主砲の制作が始まっていたそうです。ちなみに、試製甲砲は51cm砲です。
     砲塔は長門の16インチ連装砲塔並の1000tに達したとか、装甲に350t使ってたとかいう話がコーエーの「未完成艦名鑑」に出ているので、探せばありそうに思います。
    tomo

  7.  書き込んだあと、思い立って
    http://warships1.com/
    に行って見てみたら、
    http://www.warships1.com/Weapons/WNJAP_122-50.htm
     こんなデータがありました。やっぱすごいわ、このページ。
    tomo

  8.  Mk8、12インチ砲が、ある範囲の射距離において、甲板の装甲貫徹能力が14インチ砲を優越する。ということは7番で書かれているサイトにも記述があります。
     さて、そのサイトのデータからは、各砲の射距離別の浸透長は以下のようになりますね。
     甲板の装甲に対する貫徹力は、落角が関係してくるので(それと存速も多少)実際の浸透長とは異なる数値となり、「逆転」が生じる可能性がありますが、単なる浸透長にしても2インチも口径が違うとは思われない数値です。

    射距離  Mks7/Mk11/14/50      Mk8/12/50
    (m) 浸透長A(mm)/存速a(m/sec) 浸透長B/存速b   (a/b)^2*B/A
      0    690/800         622/762      .994
    5000    601/709         542/675      .995
    10000    512/622         464/594      .994
    15000    429/545         398/532      .973
    20000    357/484         332/472      .973
    25000    304/443         285/437      .959
    30000    271/424         265/427      .965
    35000    266/427         260/437      .897

     弾丸の重量はMks7/11で680kg、Mk8で517kg、随分違いますねえ。
     にも関わらず、運動エネルギーを補正した後の貫徹能力が殆ど同じ、というのはいまいち解せないです。
     特に、10000yd付近までは、ほぼ同じ貫徹力です。

    理由:
     砲弾の性能が違う。って、、
     Mkks7/11で測定された貫徹力はMk16AP弾で発揮された様ですが、こいつはその重量からしてSHSではないと考えられます。
     Mk8の場合には例のサイトにも記述がありますが、重量からも明白な通り新型のMk18「SHS」弾です。従って、従来型?のMk16に比べて、形状や材質を装甲貫徹に適したものとしている可能性が大きいのではないでしょうか?

     さて、超甲巡用の31p砲の細かい性能は判らないのですが、それ以上に判らないのが36p砲ですね。旧来の砲を用いようとしたのか?新規に製造しようとしたのか?
     また、砲塔形式に関しても「36p砲を搭載した場合には4万トンを超過するために、断念した」というのもあるんですが、それが連装なのか3連装なのか、「4万トン」からは3連装とも取れますが・・・連装、という説もあり、なんともいえません。
    tackow

  9. 「BATTLESHIPS AND BATTLE CLUSERS 1905-1970」には、連装バージョンの想像図が掲載されています。
    勝井

  10.  連装、とする説が多いのですが。先にも書いたとおり「3連装」という説もあるようです。

     状況証拠的には、、
     排水量は、対31p防御にするか、対36p防御にするのもポイントとなるでしょうが。極大雑把に、装甲の重量を10%増やしたとしても増加する重量は1000t以内。逆に、36pが6門か9門かでは下手すると砲塔一基当たりで500t近く変わる可能性もあります。
     それだけで既に2000〜2500t程度は元設計より増えちゃうし、(同じ3連装のママで)31→36p換装に伴う艦型の変化や、主機の強化なんかで4万トン越えたのかな、と。
     それとは反対に、36p連装とした場合には、砲塔重量は同じ位だろうし、艦型的には同じで行けるかもしれないしね。増えるのは装甲の重量程度ではなかろうかと、じゃ「4万トン超」はなんなんか、という疑問が生じる訳です。ま、妄想ですが。

     あと、8番「射距離」の単位は(m)じゃなくてヤードでした・・・
    tackow

  11. >5とか他
    たぶん、超甲巡の31サンチなら
    金剛の14/45と同等かやや勝る程度の甲板威力は出せるんじゃないでしょうかね
    36が新型なのか、それがどういった砲弾を使うつもりなのかで
    威力が逆転するのか差が広がるのかといった所はかわるでしょう

    SUDO

  12. 超甲巡って、31サンチ砲だけでなく、36サンチ砲も検討されていたのですか!?
    元々金剛の14in/45 を念頭において書いたのですが、読み返してみると、(それまで存在を認識していなかった)超甲巡用36サンチ砲について問い合わせている様に読めますね(^^;
    思わぬ事が元で、また一つ勉強になりました。

    >7
    ....本当にすごい。
    個人的に関心の高い「薬室容量」とかの記述もあり、色々と重宝しそうですが、
    今回は、日米英の弾頭重量を比較してみました。
    ちなみに、「口径」や「重量」の単位はそれぞれcmとkg、
    「比重?」は、口径1cmに置き換えた場合の重量です。

     国 名称       口径 重量 比重?
     英 16”/45 Mark I  40.6  929 0.0138
     
     日 41 cm/45 Type 3  41.0 1020 0.0148
     日 35 cm/45 Type 41 35.6  674 0.0149
     日 46 cm/45 Type 94 46.0 1460 0.0150
     日 51 cm/45 Type 98 51.0 2000 0.0151
     米 14”/45  Mark 8  35.6  680 0.0151
     米 16”/45  Mark 1,5 40.6 1016 0.0151
     
     英 15”/42 Mark I  38.1  879 0.0159
     英 14”/45 Mark VII 35.6  721 0.0160
     英 16”/45  Mark II 40.6 1080 0.0161
     
     米 16”/45  Mark 6  40.6 1223 0.0182
     米 12”/50 Mark 8  30.5  517 0.0183
     日 31 cm/50 Type 98 31.0  561 0.0188
     
     日 41 cm/45 Type 90 41.0 1460 0.0212

    大きく3つのグループが形成されている様が見て取れ、面白いです。
    あと、日本の31サンチと90式41サンチは、米国のSHS より重い様ですが....、
    特に41サンチについては、重過ぎませんか?(^^;

    >8
    使用する近似式にも因りますが、例えばクルップの場合、
     「浸透長」は、「運動エネルギーの 3/4乗」に比例し「弾径の 4/5乗」に反比例
    という関係になっているので、
    浸透長はtackowさんの計算値を用い、適用すべき弾径や弾頭重量を取りあえず、
     14in/50 → 弾径D:35.6cm、弾頭重量M:680kg
     12in/50 → 弾径d:30.5cm、弾頭重量m:517kg
    として計算すると、下記の様になります。

     距離(Yard) (Ma^2/mb^2)^0.75 *(d/D)^1.25 *(B/A)
       0    0.982
      5000    0.983
     10000    0.983
     15000    0.974
     20000    0.978
     25000    0.969
     30000    0.980
     35000    0.956

    傾向として、実測値の方が、近似式を元にした値より2・3%良さそうですね。
    口径に比して重い弾頭、Mk8 の性能向上に大きく寄与しているのはこの部分で、
    材質とかが貢献しているのは、2%程度ではないでしょうか。
    mikey

  13. 申し訳ありません、また記述をミスっていました。

    >使用する近似式にも因りますが、例えばクルップの場合、
    > 「浸透長」は、「運動エネルギーの 3/4乗」に比例し「弾径の 4/5乗」に反比例
    >という関係になっているので、

    ここにある 「弾径の 4/5乗」 は誤りで、正しくは 「弾径の 5/4乗」 です。
    mikey

  14. >12
    米軍のあれって実測値じゃなかったと思いましたけど?

    SHSの威力が大きいのは長いからですよね>つまり弾径に比して重たい
    まあ、その表の弾丸重量のあれは全然違う数字も有りますし(例えば46サンチのね・・・)
    貫徹力も資料によってかなり異なる数字が存在しますから
    数字を追いかけるだけでは意味が無いような気がします
    まあ、カタログ数値の9割程度は発揮確実でしょうが
    条件次第で1割程度は簡単にばらつきますし、それは撃たれる側の装甲にも言えることで
    比較的近い威力の両者を比較して、どっちが優位とは言いがたいでしょう

    甲板に対しては大体同じぐらい、近距離での貫徹力ではちょっと劣ると見ておけばそれで充分では?

    SUDO

  15. それと、warships1.comの31サンチ砲の記述の最初を良く読みましょうね>ALL

    >Planned for the never built B-65 class Battlecruisers, no prototypes of the 31 cm/50 (12.2”) caliber gun were ever built.
    >Information on these weapons is based entirely upon the B-65 preliminary design, completed in September 1940.
    >Type 98 (M1938) is my estimate.

    SUDO

  16.  まず、おわび。8番の計算結果、思いっきり違ってます。忘れてください。

     さて、mikeyさん。確かに、貫徹力の計算式には色々あって、なんともいえない部分が多いのですが、とりあえず、単純化して試算してみました。勿論、貫徹力は「単位面積当たり」の重量が効いてくるでしょうから、各種の式もそれに基づいているのは判るのですが・・・ただ、この方法でも、クルップやド・マールの式よりも実測値に近い数値を出す場合もあるので、、困ったものです。今回の場合だと20000ヤード以上だとそうなんですが。どうしたものでしょう。

     #この辺は色々と深そうなのですが、ここで深く続けるよりも、メールを頂いた方が宜しいとも思うんですが。

     我が海軍の36p砲ですが、昭和8年に50口径のものが試作されているようです。が、これと超甲巡との関係は判りません。関係ないとも思います。
    tackow

  17. > 日 41 cm/45 Type 90 41.0 1460 0.0212


    これは94式40サンチ砲、すなわち大和の46サンチ砲なんでは?
    Navy

  18. >14
    「カタログ値」と書くべきでしたね。
    「近似値」との対比なもので、筆の勢いで「実測値」としてました(^^;

    浸透長を稼ぐには、「より速く、より重く、より細く」が基本ですよね。
    まぁ、「より速く」については、対甲板との絡みがあり、無闇に速度を引き上げる訳にはいかない様ですが。
    「より重く」については、「タングステン合金等の使用」という解は流石に無いでしょうから、「弾長対弾径の比(以下、l/d と表記)」の増大が多分王道でしょう。
    そして、l/d の値が大きくなると、
    先ず、同一速度領域での空気抵抗係数が若干小さくなり、その上、断面積に対する「単位面積当たりの質量」も向上するので、撃速の低下防止に貢献、
    また、同一質量の弾と比較した場合、l/d の大きいものは「より細く」の項目をも満たすので、良い事ずくめの様に見えます。
    もっとも、安定性とか強度の絡みがあり、l/d は無闇に大きく出来ない様で、
    ジャイロ安定系では、l/d の実用上の限界は5とか6位だったでしょうか?
    warships1.com のデータに因るとSHS のl/d は4.5 なので、限界が5辺りだった場合、限界付近までがんばった事になりますね。

    >16
    高校の物理とかの様に、扱う物が「理想的」なものだったら、
     「弾芯の運動エネルギー」と「浸透長と断面積の積」は比例
    との関係になるのでしょうが、現実の系ではその様な訳にはいかず、そこで色々な近似式の登場となるのですが、
    近似式が複数あると言うことは、それぞれの式に得意分野があるのでしょうし、
    また条件次第では「理想状態」に近い振る舞いをするケースもあるのかもしれませんね。
    考えてもいませんでした。
    確かに奥深そうですね、というか、もしかして正解は無いのかも(^^;

    色々と試算してみて、その上で疑問に思うような事があれば、また別の機会に改めてご教授お願いするかと思いますが、
    その前に、今回の12in/50 と14in/50 だけでなく、他の砲との比較も行ってみたいので、8番で示された浸透長の見積りについて興味があります。
    見積り方法はどの様にして行うのでしょう。
    例えば、距離を求めるのと同じ要領で
     t=(x^2 + y^2)^0.5
     t:浸透長
     x:対舷側貫通力
     y:対甲板貫通力
    といった感じで良いのでしょうか?

    >17
    下記の様に46サンチ砲と同じ重量だし、
    口径を41.0cmとして計算したのが多分誤りなのでしょうね。

    > 国 名称       口径 重量 比重?
    > 日 41 cm/45 Type 90 41.0 1460 0.0212
    > 日 46 cm/45 Type 94 46.0 1460 0.0150

    ただ、94式そのものではなく、名称は忘れましたが(^^;、その前に試験で用いられたものの様ですね。
    mikey


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