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トカレフの7.62×25mmや8mm南部等のボトルネックのピストルカードリッジの一部に施されているミリタリークランプはどのような効果があるのでしょうか。弾丸を抜けにくくするだけなのでしょうか。 スコフィールド |
この様なクランピング(かしめ)の事を指しているのでしょう。
http://members.nbci.com/shunpartx/ammo/8mm01.JPG
他にも、拳銃弾としては、.30モーゼルの弾が同様です。(トカレフ弾の親)
これは単に、携帯時、ポロッと弾頭が脱落しない為の防止策では有りません。
その理由は−−−
さて、クランピング゜されている弾(全周タイプを含めて)は、他にはどんな物が有るでしょうか?
大、中、小口径ライフル弾,44&357MAGNUM弾,そして22LR弾 等が有りますね。
ご質問の弾も含めて、これらの共通点は、高初速弾(少なくとも音速以上)な事です。
高初速弾の発射薬は、以外にも、低燃焼速度の火薬を多量に使用し、じわじわとその全エネルギーを弾頭に伝えさせる方法なんです。
雷管が発火して、発射薬に伝爆した直後(全火薬が燃焼しきっていない)から弾頭が薬莢よりぬけ出さないで、
ふんばってほしいんです。(数百分の1秒の世界ですが) その為のクランピング゜なのです。
この事を、「抜弾力(ばつだんりょく)は〜〜である」 という言い方をする場合も有ります。
ただ、ご質問のタイプの3点クランピングは、あまり進められません。以下が理由です。
・圧点が腔圧による薬莢切れの原因になり得る。
・リロードして使用するには不向き。
よって、現在クランピングが必要な場合、ほとんどの弾は、ラウンド・クランピング(全周タイプ)が主流です。
最後になりましたが、8mm南部弾の3点クランピングは、性能上見かけ倒しです。(モーゼルを真似ただけ)
軌跡の発動機?誉
ささき
8mm南部弾が7.63mmモーゼルを参考に高威力に作られていたら、100式短機関銃はもっと成功したサブマシンガンになったかもしれないというのが某書の推測です。
ブローバックで事足りる中型口径でありながらショート・リコイルといえば、コルトの.380ガバメントなんかもそうですね。
ブラック・タロン
中々、鋭いレスですね。 そうで有るかも知れないし?さて、ここで歴史の時間。世界初のボトルネック拳銃弾とは!?
1.何と、実用化された最初のオートピストル”ボチャード”の7.63mmBorchardt弾で1893年頃の事。
2.これに眼を付けたのがモーゼルで、この弾を小改造(ほとんど同一弾)して発表したのが
7.63mmモーゼル弾(30Mauser弾)なのです。(モーゼルミリタリー 1895年頃)
3.そして、ルガーがそのまた短小化して発表したのが7.65mmルガー弾(30Luger弾)です。
(パラベラムピストル1900 当然1900年)
4.そして日本で、南部式自動拳銃用として8mm南部弾が登場したのが1904年頃の事です。
この弾を帝国陸軍が制式採用したのは、後に、14年式拳銃採用と一緒の時です。(1925年)
1〜3.迄は深い繋がりが有ります。南部麒次郎がこれらを参考にしたのは、時期から言って当然考えられますし、
薬莢サイズが、7.65mmルガー弾に近いので、ブラック・タロンさんの説の通りかもしれませんね!
元を探れば異母兄弟みたいな物ですね。
ちなみに、本家ドイツでは、”30Luger”ではなく、”32Luger”と言っている場合が有ります。
〜?誉
スコフィールド
下記、レミントン社の弾薬解説を見ましょう。クランピング溝内の縦筋ギザギザは、
更にしっかりと、かしめる為の物です。
但し、この縦ギザギザは、コマーシャル用(民間販売用)の弾薬に多く見られる物で、
軍用弾(真に軍供給用弾)には、コスト低減の為、ここまではしないのが普通です。
http://www.remington.com/Ammo/ammobasics.htm
クランプじゃなくて、Crimp クリンプなんですね。 私も、再勉強になりました。
〜?誉