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1151 いつもお世話になっております。
今回は狙撃銃のスコープについて質問したいのですが、スターリングラードに出てきたモシン・ナガンライフルや、独逸空挺隊用FG−42等のスコープは何故に十字でなく上の線の無いT字の照準方式を採っているのでしょうか? 私には上線が無くなることでy軸で照準がずれるだけで良いところが一つもないように思えるのです。
紅葉饅頭

  1. 第二次大戦中のソ連やドイツの(高倍率)軍用照準眼鏡のレティクルは、正確にはT字ではなくてサイドバー&ポストサイト式といい、真ん中には空白があります。
    というのは、目標が遠くなると視野の中で小さくなりますね。たとえば、400メートルも離れると、十字線の交点が邪魔になって敵兵の頭がほとんど見えなくなります。
    これはT字にしても同じことですね。

    また、その空白の幅と、中で目標がどのくらいの大きさに見えるかによっておおよその測距をすることもできます。

    十字線を使う場合も、交点の部分を切って中心は空白にしてあるはずですが、それならば視界の上部に余計な線は入っていない方がよく、T字になっていくものと。
    ただ、距離可変式の照準眼鏡の場合、視野内で横線が移動しますから、交点がしっかり入ってしまうタイプもあります。
    まなかじ

  2. 本当に、クロスヘアの交点部分は、空白になった
    タイプが主流なのでしょうか。

    SAW

  3. 細くなっているだけではないですか。
    少なくても現代ではそうなっているように
    思いますが。


    SAW

  4. お後が続かない様ですので、私からちょっと−−−
    1.スターリングラードという事で、モシン・ナガン用スコープ ”PUtelescopic Sight”の解説は、ここ。
      http://snipercountry.com/PU_Scope.html

      ちょっと難しいでしょうから、本件に関する重要なところを抜粋。

    three-post system consisting of a sharply pointed vertical post
    and equally thick square side posts that end just short of the vertical post.
    The gap between the horizontal posts can be used for range estimation and leads.
      要約
      「レティクルは、ポインテッド垂直ポスト&角サイドポストの組み合わせ。水平方向の空白(ギャップ)は、
       距離把握とリード(見越し)に使用。」

      上の説明でも、形状が想像出来ない人の為に画像掲示板2に PUスコープのレティクル図をUPしました。
      この図は、標的射撃時の黒点照準の場合です。 照準の基本、黒点の ”6時白一線”は、望遠照準器の時にも、
      適用する事を意味しています。
      こういうポストサイトの時は、標的(黒点)のど真ん中を合わせる訳では無い事を理解して下さい。

    2.さて、それでは現代のロシアのスナイパースコープのレティクルは、どうかと言うと!!
      下記のところは、ドラグノフ狙撃銃の取り扱いマニュアル中の、付属スコープ解説です。
       http://kalashnikov.guns.ru/manual/english/svd/1.4.html#17

      >1,まなかじ氏 距離可変式の照準眼鏡の場合、視野内で横線が移動しますから、
       交点がしっかり入ってしまうタイプもあります。 −−−−という事でしょうね!!
      一見、T62タンク や RPG−7対戦車ロケットの照準器と 同様な物ですね。

    3.それでは、完全クロスヘアータイプのレティクルは、ダメなのかというと−−−
      初心者にはなじみ易いですし、超プロ用 mil-dot scope の解説を見ましょう。!!
       http://snipercountry.com/mil-moa.html

      ここは、更に難しく書いてありますので、話をまとめれば−−−
      潜水艦潜望鏡の様に、”ミル”スケールが備わっているおかげで、標的の高さが解って入れは、
      目標迄の大まかな距離が把握出来、移動目標に対するリード(見越し)や偏琉補正がし易い、
      着弾点の確認、調整や、着弾グルーピング=集弾のサイズがスコープを通して、把握可能な訳です。

    4.参考−−現代ブルパップ型アサルトライフルに付属のスコープレティクルは!!
      ・STEYR AUG   倍率1.5倍  リングタイプ (DOT や クロスヘア のオプション可)
      ・L85A1       倍率 4倍   ポストタイプ

    結局、どのレティクルが良いかは、射手の経験度、射撃に対するその国や、銃器メーカーの思想の違いなどで、
    一概に言える物では無いと考えます。

    軌跡の発動機?誉

  5. >4−3 潜水艦潜望鏡の様に、”ミル”スケールが備わっている−−−

    潜水艦潜望鏡スケールが、”ミル”で出来ている。 という意味では有りません。日本語難しい!
    〜?誉

  6. 誉さんご教示ありがとうございます。

    クロスヘア中央が中空のスコープは見聞したことがなく、個人的経験からいっても異様に照準しにくい(同じ中空でもリングサイトの方がずっと使いやすいと思う。)と思われるため、垂直ポストはアイアンサイトのフロントサイト部分と同様の使用法だと想像しておりましたが、スコープはあまり経験がないので、碩学のご意見をおまちしました。
    個人的に言えば、サイドポストは、銃の傾斜のチェックにも使いたいところですね。
    又、ポストサイトの利点は、「照準視点を、ポスト先端一点と標的との距離の把握に集中できる。」ことらしいので「6時照準白一線」がポスト直上できれいに維持できる状態で射撃したいところです。

    リューポルド等のサイトをみると垂直ポスト&サイドポストのタイプは「ジャーマンタイプ」とか「ユーロピアンスタイル」とか書かれているようですので、欧州の方では好まれているのでしょうか。

    米国SWATでは、近距離狙撃が主体のためか単純にクロスヘアの交点付近が細くなったデュプレックスが多用され、ミリタリー用にミルドットや肩幅で距離測定を行うレクチル(リューポルドにこういうタイプがあるそうですが。)を備えたものが準備されているようですが、つたない英語力ではいまいち理解不足です。

    もし米国公用機関用スコープについて情報をお持ちであれば、ご教示くださされれば幸いです。

    SAW

  7. 「米国公用機関」でなく「各国(当然米国も含まれますが)公用機関」でした。
    失礼しました。
    SAW

  8. 「照準視点を、ポスト先端一点と標的との距離の把握に集中できる。」
    よりも、「照準視点を、ポスト先端一点と標的との間隔の把握に集中できる。」
    の方が正確ですね。
    なんどもすいません。

    SAW

  9. SAW さんへ
    >.米国(各国)公用機関用スコープについて情報をお持ちであれば、ご教示くださされれば幸いです。

    それって、中々難しいです。 そもそも、こういう類は、超極秘な訳ですからね!!
    何処何処の軍の狙撃部隊、或いは、特殊部隊が どこのメーカーの狙撃銃を使用(購入)したかの、
    断片的情報が有ったとしても、スコープは別途購入−取り付け可能ですし、特別仕様も当然考えられます。
    スコープ自体、独自の精密工業製品で、銃砲屋さんの仕事では、ないでしょう!
    むしろ、カタログ品(既製品)のスナイパーライフル&スコープのセット購入をしている、某国公安の方が珍しいです。
    〜?誉

  10. たしかに言われてみればその通りですね。
    米国に留学したことのある警官や自衛官の話によれば、
    自宅に数十丁の私物銃を所持する警官や軍人はごろごろしてるそうです。
    一家言のある専門家が
    「おれは○○じゃないと。」とか言ったり
    資金のある機関だったら。
    「こういう機能のあるのを作れ」
    とか、そういうのもありでしょうね。

    日本じゃSATやSSTはドイツの「あれ」らしいので、セットもの
    だとしてもそれなりに「解った人」がいると思いますが、JSDFの
    いままでの歩みを見ると上記の「対人狙撃銃」がM9のような代物
    を無理やり国産することにならないように祈りたいものです。
    300mの日本記録は、○ーワの射撃競技銃で何回か出て
    いますので、「言われた通りに造る」技術はそこそこみたいなんです
    けどね。
    SAW


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