QQCCMMVVGGTT
1210 質問は計算機についてなのですが昔(戦前、戦中)の戦艦で使われていた
砲撃の弾道計算用計算機には機械式のものが使用されていたと聞きました
がこれはどのような代物だったのですか。
また機械式というとどうにも旧式で古臭いもののように思えるのですが
戦争中米国や英国ではどのような計算機が使われていたのでしょうか
やはり電気式ですか?
手動の計算機というと「計算尺」やそろばんくらいしか見たことが
ありませんが。
アルファ・ロメオ

  1. 射撃盤っていうのは、歯車式とか手回し式とかいわれる、いわゆる「タイガー計算機」を大規模複雑にしたようなもんです。
    砲撃にはいわゆる弾道計算はやりません。
    ある砲について既に得られている射表に基いて射撃盤は作られており、的針、的速、自針、自速、照準距離、方位角、を入力し、射距離と照準角を求め、更にそれを仰角と旋回角に変換して砲側に伝達します。
    タイガー計算機がどんなのかは、検索であたってみましょう。
    ぞろぞろ出てきます。
    電卓が普及してきたのは1960年代後半のことで、それまでは一般的な事務機器としてポピュラーだったものです。
    みてみればわかりますが、そろばんの達人の前にはまったく歯が立たないような代物ではあります。
    ちなみに、世界初の電子計算機ENIACはホントの弾道計算のためにIBMで開発されたものですね。

    運動盤っていうのは計算尺を応用したものです。
    初速と仰角と射程と、どれかふたつを設定すると残るひとつが出てくるというものですが、これはちゃんとした砲術科員はあまり使わなくて済みそうですね。
    まなかじ

  2. 現在主流のデジタル・コンピュータが発明される以前から使用されていたアナログ・コンピュータのことだと思います。大戦中の爆撃照準機や砲撃用の弾道計算機などを当時はコンピュータと呼んでいたわけです。
    艦艇の方はよく知りませんが、例えば航空機のジャイロ・コンピュータは人工水平儀として使われるジャイロを用いて、電磁石など用いてアナログ信号を処理するというような仕組みです(非常に大まかな説明です)。
    もちろん電気も使うわけですが、0と1のデジタル信号に変換して処理するわけではありません。
    アリエフ

  3. 射撃盤に入れる諸元はもっとあるですね。
    通算発砲回数(砲身の磨耗具合について)、風速風向、湿度、緯度(遠距離射撃ではコリオリの力もバカにならない)、薬温(発射薬の温度)といった要素も射撃諸元となります。
    まなかじ

  4. >1 当時の戦艦の射撃盤等の場合、リレーなど用いて電気信号伝えて処理するような方式では無かったのでしょうか?航空機のように小型化する必要は無いし、歯車などの機械駆動式の方が信頼性高かったからでしょうか。
    アリエフ

  5. うろ覚えですが、「米軍艦艇の計算機の方が電気式の部分が多かった。」
    「米軍は、艦艇の動揺に対して砲(あるいは方位盤)を自動的にスタビライズさせることができた。」
    という記述を見た記憶があります。
    又、英国でも暗号解読のために現在のコンピューターの元祖のようなものを開発していたとのことですので、英米では、アリエフさんが言われていたような方式の部品を日本より多用したものが使用されていた可能性はあると思います。
    ただ砲撃の振動等を考えると歯車等の部分を全廃できたかどうかは解りません。

    SAW

  6.  ↑×2 うろ覚えですが、真空管式のアナログ回路計算機(四則演算、微積分も可能)を米戦艦は搭載していたようです。
     また、アナログ計算回路自体は現在でもオーディオなどの分野で使用されています。
    安井 賢一

  7. ちなみに誤解されてる方もおられるかもしれないので。

    アナログ=連続系
    デジタル=離散系

    であり、電気式 vs 機械式、自動 vs 手動の違いとは関係ありません。

    算盤やタイガー計算機のように事象を「有効桁数を持つ数値」として扱う計算機は定義上「デジタル」です。アナログ計算機とは事象を「電圧」「周波数」「抵抗値」などの連続値として扱うもので、「長さ」を使う計算尺もアナログ計算機です。
    ささき

  8. 外観に関しては、現在発売中の「歴史群像」に大和の射撃盤のCG画像が出ているようです。

    昔の「世界の艦船」にアイオワの射撃盤らしい装置の写真が出てましたが、大和のと外観はあまり変わらないような印象でした。
    SAW


Back