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FG42は突撃銃=アサルトライフルに分類される銃なのでしょうか? 実際の運用面から見た場合はそれで正しい気がしますが、 開発経緯&コンセプトから見た場合は、 異なる銃種とした方が正しいようにも思えます。 WR |
戦後、FG42のボルト・メカニズムがアメリカのM60汎用機関銃に大きな影響を与えたのはよく知られているところです。
基本的に、FG42は『空挺部隊用に作られたセレクティブ・ファイアの特殊なライフル』ですが、マガジン式の軽機関銃的な色彩が強いといえます。ただ、これをアサルト・ライフルの範疇に含めていいかどうかは、人によって解釈が異なると思うので何とも言えません。わしの私見ですが、アサルト・ライフルは基本的に短小ライフル弾薬を使うものであり、フルサイズの歩兵用ライフル弾を使うFG42をアサルト・ライフルと呼ぶのはどうかと思います。
ブラック・タロン
1.セミオート射撃時:クローズドボルト・ファイヤ(命中精度の為),フルオート時:オープンボルト・ファイヤ
(銃身廻りの冷却の為)という先見性。
2.ストックが直銃床 且つ スプリング伸縮式で反動を吸収する。
3.ストックが直銃床なので、アイポイントが高くなってしまった。(フロント&リア サイトが高いという短所)
4.大型のマズルブレーキが付属し、これも反動吸収を狙っている。
5.ショートタイプ(短い)のガスピストンとし、軽量化している。
6.英ルイス機銃のボルト・メカを改良したロイティングボルトは、軽量小型、且つ確実な物で、
戦後のUS.M60GPMGにコピーされている。
7.銃全長が限られているの制約の中で(約94cm)、たくみな設計により銃身長約50cmを得ている。
8.スパイク形(針形)銃剣を付属している。 (これは、??!)
コンセプトの差異は有っても、出来上がった銃は、US.BARと似たような性能、機能の銃に成りましたが、
これほど革新的なFG42の方は、なぜ、独軍広く装備されなかったのでしょうか!
WRさんも、ブラック・タロンさんも、アサルトライフルを話題にした事が鋭いところです。
独軍広く装備されなかった理由は、ライフル弾(フルロード弾)の連射反動に耐えるには、この銃が軽量すぎたのです。
訓練された兵が撃つにしても ライフル弾(フルロード弾)の連射には、経験上10kg前後の銃重量を必要とします。
当初の”一般小銃並のサイズ&重量”の要求が裏目に出たわけです。(FG42:約4.7kg BAR:約9kg)
この辺が、後のMP44(StG44)短小弾(減装弾)使用コンセプト、つまりアサルトライフルになって行くわけです。
戦後第一世代のミリタリーライフル(フルロード弾使用) M14,FAL 等も、連射時の実用性は諦めました。
ドイツは10年早く、この点を気が付いたのでした。
まとめ、 FG42のカテゴリーは?
元々名の由来が Fallschirmjager Gewehr (降下猟兵小銃)より来ています。
英語では Paratrooper Rifle (空挺小銃)となります。
現代では、軍の基幹アサルトライフルのストック折りたたみ型 或いは、ブルパップ型が、これに置き換わります。
ドイツ人&FG42は、新しい銃のカテゴリーを、永遠に創設しそこなったわけです。
軌跡の発動機?誉