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1265 ワルサーP38のマガジン・キャッチは下側ですが、その前に正式採用していたルガーP08は側面でしたよね?なぜ下側にうつしたのでしょうか??

また、床井さんの『ワルサー・ストーリー』を見たところ、その後のバリエーションにも側面についた型がないのはなぜでしょう。構造上の問題か、それともあまり実用的でなかったとか・・・?
バイラッハ

  1.  出勤前で時間がないので簡潔に(笑)
     ヨーロッパでは、グリップ下部にマガジン・キャッチを備える形式の方が、トリガー・ガード横のボタン式より確実にマガジンを保持できるとの意見が多かったようです。
     P38の流れを汲むP5のスタンダード・モデルはグリップ下部にマガジン・キャッチを備えていましたが、その後登場したコンパクト・モデルはトリガー・ガード横にボタン式キャッチを備えました。これはボタン式キャッチが主流のアメリカ市場向けを意識しての変更といわれます。同様の変更はSIG P220にも見られます。
    ブラック・タロン

  2. 前置1.種別呼称
        側面・マガジンキャッチ= サムタイプ(親指型)
        グリップ下部・マガジンキャッチ= ヒールタイプ(かかと型)
     
    前置2.ルガーの解説
    実用オートマチック第1号の”ボチャード”の時点で、マガジンキャッチボタンは、トリガー後方&左グリップ上方に
    備わっていました。(サムタイプ)  当然これを元にした”ルガー”シリーズも同位置に有るのですが、
    この”ルガー”シリーズは、構造的には、ハンマースプリングに強力な板バネを使用しグリップ後方に内蔵、
    初期にはグリップセフティ付きのタイプが有ったり、P04あたりからは、グリップ後方下部に
    ショルダーストック取り付けを考慮した関係で、ヒールタイプマガジンキャッチを取り付ける事は困難でした。

    マガジンキャッチ 一般論
    さて、P38に限らず、軍用拳銃のマガジンキャッチは、ヒールタイプが基本形です。
    むしろ、M1911カバのシリーズや 現行ベレッタM9(M92)でサムタイプを固執する米軍が異質なのです。
    (もつとも、 ブローニングタイプの拳銃のほとんどが、サムタイプてすが!!)
    ・軍用拳銃は、その採用時に過酷なテストを実施、クリアしなければなりませんが、その1つとして、
    約1.5mの高さより垂直落下させる試験も存在します。(その時の床材は何か?忘れました)
    このテストの場合 やはり、マガジンのホールド性ではヒールタイプが確実です。
    サムタイプでは、取り付けスペースや位置の関係で、強力なバネを使用しずらいですし、仮に可能ならしめても、
    親指での操作性が悪くなってしまいます。
    又、射撃時(片手撃ち、両手撃ち共に)、思わぬ時に指がボタンに触れてマガジンを落下させる事も、まま起きる事です。

    それでは,サムタイプはダメなのか? 
    現代では、左右から使用可能(アンビ)の物が考えられたり、スペース効率にすぐれています。
    逆にヒールタイプは、グリップ後方下部がどうしても、膨らみ気味になり(グリップの大型化)、
    拳銃の小型化には向いていません。 又、ポケットよりの出し入れで、このヒールが引っかかり易い面もあり、
    中小型拳銃では、サムタイプが主流になっています。

    と屁理屈は言うものの、結局、設計者の好みや使用側の用兵思想で、色々なんです。

    以上のサムかヒールかの妥協点として、ベレッタM1951やニュー南部M57Aの様に、
    グリップ下部にサムボタンを備えられた銃も有ります。

    軌跡の発動機?誉

  3. > 以上のサムかヒールかの妥協点として、ベレッタM1951やニュー南部M57Aの様に、
    > グリップ下部にサムボタンを備えられた銃も有ります。

     ちょっと変形っぽいシステムですが、S&Wのシグマ380(ベビー・シグマ)は、マガジンの底のプレートにマガジン・キャッチが付属していて、左右から指で摘んで押し込んでロックを外す構造になっています。結構力がいるそうですが・・・

     そーいえば、同じS&Wの.22口径オート各種(M22A、M2206等)は、グリップ正面(握ったときに中指か薬指が当たる部分)にボタン式のマガジン・キャッチが付いています。サムタイプの変形といえますが、.22口径だけなぜここにマガジン・キャッチを付けたんでしょうね?
    ブラック・タロン

  4. >3.S&Wのシグマ380(ベビー・シグマ)−−−−モデル名 SW380
        http://www.geocities.com/Yosemite/Trails/2200/swsigma.htm

     小さくしすぎて、こんな方法になってしまったのでしょう。 奇を狙った感あり。 
     大体マガジンと言う物は、半分は消耗品的に考えるべきで、コストアップになる様な構造は避けたいです。
     それにしても、バランス悪そうですね。 S&W唯一の.380ACPオート ですが、
     S&WのHPでは、紹介されていませんね。 最近製造中止したのでしようか?! 
     そうだとしても、納得! 世の中には、もっとまとまりの良い.380ACPオートがいっぱい有りますからね。

    S&WのM22A 
     これは、左右両利き(アンビ)操作の1つのチャレンジですが、これも「奇を狙った」と言えましょう。
     どうしたって、射撃中に触ってしまいます。
     操作マニュアル&分解図はここで見れます。  AcrobatReader 必須。
      http://www.smith-wesson.com/misc/pdf/22A_22S.pdf

    どちらのマガジンキャッチ・タイプも、真にGood な機構だったら、他社で猿真似が出て来るはずです。
    (ニセモノが出るという事は、オリジナルか優秀な事の証明) 100年待ちますか?!
    〜?誉


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