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1368 水中発射について質問させてください。
銃を水中で発射するとどうなるのですか?暴発とかしますか?
よく冬山で銃口に雪が詰まったまま発射すると暴発する、なんて言われてますが、
雪も水も密度は同じくらいだから、銃身内に詰まったときの薬室内の負担って同じくらいだと思うんですが、実際のとこどうなんでしょう?
あと、上手く発射できる場合は、どのくらい飛ぶ(というか進む?)のですか?

toku

  1.  結論だけ先に言うと、水中でも銃は発砲できます。ただし、水という多大な抵抗がかかるため、地上に比べて弾の威力や射程等は大きく削がれることになります。

     以前、Gun誌でターク氏がコルト・ガバメント(口径.45ACP)を用いて水中発射をテストしたことがあります。水深約35cmで、銃口から50cmと1mの場所に松板(19mm厚)を37mm間隔で3枚セットして撃ち込みました。10発ほど発射したところで汚れ等により不発となったため、撃針を前進させるスプリングを若干切断して撃針が前進しやすくなるようにしたところ発火するようになりました。ただし、その後も撃針の雷管への打撃力不足により時々不発が出たそうです。水中の松板に対する貫通力ですが、距離50cmで1枚貫通、距離1mでは1枚目で跳ね返ったとのことです。
     なお、オーストリアのグロック社では、水中発射に使える形状の撃針を試作したそうです(米海軍SEALSからの要請らしい)。

     雪山で銃口に雪が詰まって云々の話ですが、銃身内に異物が入ったまま射撃すると、リング・ウェーブ(波動圧)と呼ばれる腔圧の異常変化が発生し、最悪の場合、銃身の変形や破損が起きる危険があります。この辺はまだ素人なので断言はできませんが、銃身内に入った雪の塊が凍り付いてしまうと、射撃時にリング・ウェーブ等が発生して銃身がダメージを受ける可能性はあります。
    ブラック・タロン

  2.  雪に関していうと、『歴史に見る火器開発裏面史』で記述がありました。細かいところは何年も前に見た本なので曖昧ですが、概ねブラックタロン氏のおっしゃった通りではないかと。
     水中での銃発射はそれ専用に開発された銃以外では非常に危険です。射程距離については参考までにいうと、ロシア製の水中用突撃銃では確か100mも飛ばなかったのではないかと。これについては発射時の水深などの条件により変化します。
    Cz75

  3. 補足、主要な水中発射可能銃です。

    HK P11 Underwater Pistol
     口径7.62×36mm
     有効射程
      空気中      20m
      水中(水深不明) 10-15m

    http://www.hkpro.com/peleven.htmより

    APS Underwater Assault Rifle
     口径5.66mm
     殺傷距離
      空気中  100m
      水深 5m 30m
      水深20m 20m
      水深40m 11m

    SPP-1M Underwater Pistol
     口径4.5mm
     殺傷距離
      空気中  20m
      水深 5m 17m
      水深10m 14m
      水深20m 11m

    以上2つ http://www.rusarm.ru/comp.htmより
    (「Company Info」→「Complete List」から「Special Forces Weapons and Equipment」の項目)
    epitaph

  4. 単純な疑問ですが、その時、銃身内の水は弾丸をピストンとして押し出されてしまうのでしょうか。
    だとすると、銃身長も大きなファクターになるような気がしますが。
    吉本

  5. >『歴史に見る火器開発裏面史』で記述がありました
    三八式歩兵銃に何の障碍も無かったそうです。銃身膨脹もなし。
    (確か、雪を銃身に押し込んで発射、もしかしたら凍土に向けて????)
    ずぶの素人

  6. 過去のAnsQ.1180が、似た様なテーマでした。 重複しますが、私の回答で重要なところを抜粋します。

    「又、銃身内部の異常腔圧も起きるでしょう。
     なぜなら、発射ガスの影響で、銃身内の水の一部が瞬間的に水蒸気に変換します。
     水は、液体状態から、気体(水蒸気)状態に変化すると、体積はおおよそ1000倍になります。
     瞬間的に超異常腔圧になるわけです。一種の水蒸気爆発とも言えます。」

    信ずる者は、救われる。 とにかく、水中での火薬の爆発、燃焼は、尋常ではありません。

    軌跡の発動機?誉

  7. >液体状態から、気体(水蒸気)状態に変化すると、体積はおおよそ1000倍になります。
    一般的な、条件(273.15K、1kg、1MPa)の水における水から乾き飽和気体への比容積の変化は、v=0.001(m^3/kg) v’=0.194(m^3/kg)で、v’/v≒200倍ですよね。1000倍ってのは、同状況のときなんでしょう?手持ちの熱力学の蒸気表見ても、過熱蒸気にしろ873.15K(600℃)までしか載ってなく、その状況における比容積比は約400倍です。


  8. 一般的ですか?その条件?それボイラーか何かじゃないかな?
    1MPaでしょ?10ataですよね約。

    うん?

  9. >8
    >それボイラーか何かじゃないかな?
    読み返してみました。
    シリンダでした(^^;
    勘違いをば失礼しました。


  10. >5 フォローありがとうございました。
     その後大学の図書館で読み返してみると、「銃口からサク丈が動かなくなるまで雪を詰め、大地に向かって発射しても何ら異常がなかった。」との記述を発見しました。つまり、この場合に限って言えば、銃腔ボーチョーは起きなかった事になります。
    Cz75


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