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1431 朝鮮戦争の折、参戦した米軍が北朝鮮軍のT−34/85に対して2.75 インチ M1 バズーカを撃ったところ、ことごとく跳ね返されたという記述をよく読みます。が、米軍は第二次世界大戦中の西部戦線で6号戦車などにも使用したはずです。データで見るかぎり、6号戦車の方が装甲が厚そうなのに、どういうことでしょうか?朝鮮戦争での米軍の士気が低かったのでしょうか?それともT−34/85に改造が加えられたのでしょうか?それとも他の理由があったのでしょうか?碩学各位の回答をお待ち申し上げます。
ウーフー

  1.  T34/85戦車の装甲厚については手元にデータがないんですが、2.36インチ・ロケットランチャーM1(バズーカ)の貫徹力は、直角命中時で13cmとのことです。ただし、相手戦車の装甲形状等によって実際の威力は変わってくるはずです(この辺は不得手なので他の方にお任せします(T^T))。

     1942年11月の北アフリカ戦線で初実戦投入され大きな成果を上げたM1バズーカですが、その後VI号戦車(ティーガー)等の大型戦車が登場すると威力不足を指摘されるようになりました。このため、1944年から口径をアップした改良型の開発が始められました。この計画はドイツの降伏で一旦中断されますが、設問の朝鮮戦争でのM1バズーカの苦戦を受けて、急遽口径3.5インチ(約89mm)の新型ロケットランチャーM20が投入され、北朝鮮軍のT34/85の約3割を撃破する成果を挙げました。M20は後に陸上自衛隊にも供与され使用されました。
    ブラック・タロン

  2. 確か−−−

    弾薬製造後10年近い事によるHEAT炸薬の劣化&朝鮮半島の冬季極低温(−40゜C近い)による、
    推進薬と炸薬の燃焼特性の低下。
     
    3.5インチは、炸薬量増加の他に、使用保証温度が(−40〜+50゜C)となる。
    初速も2.36インチの3割程度のUPとなり(100m/s) 遠射性、命中確立、の向上もありました。 

    軌跡の発動機?誉

  3. 質問者です。お答えありがとうございます。が、米軍が朝鮮半島版「T−34ショック」を受けたのは夏季だとおもいます。6月25日が開戦ですから。で、冬になる前に北唯一の戦車部隊「第105戦車旅団」は壊滅し、一両も38度線から北へは帰れなかったと記憶します。よって、冬季戦における対戦車使用例は少ないとおもうのですが。ということは生産後5−10年経ってHEAT炸薬が劣化しただけが原因なのでしょうか?そんなに早く劣化するものなのでしょうか?
    ウーフー

  4. HEATの傾斜装甲への侵徹特性は、APの場合と異なり、傾斜による
    見かけ上の厚さ分が装甲の厚さだと見てよいです。また、HEAT弾頭
    の特性として、着弾角度があまりに浅いと、信管が作動しない場
    合があります。
    T-34/85は、傾斜装甲と曲面装甲を多用しており、上記の点から
    みて、6号戦車より防御の効率が良いと思われます。

    それよりいくつか疑問が・・・

    1)言葉通りにとると、HEATが跳ね返されるとは、どういう意味な
    のでしょうか?跳弾するわけではないですよね?
    あと、「ことごとく」ってどの程度の確率なんでしょうか?

    2)朝鮮戦争の初期に使用されたバズーカは、「M9A1 2.36in Rocket
    Launcher」かしら?下記URLを見ると、そうなってたりします。

    http://rt66.com/~korteng/SmallArms/arms.htm

    3)ほんとうに、6号戦車に「2.75 インチ M1 バズーカ」は有効だった
    のでしょうか?ブラック・タロンさんも仰っていますが、6号へは
    威力不足だったのでは?

    4)「弾薬製造後10年近い事によるHEAT炸薬の劣化」とは、
    具体的には、どういうことなのでしょう?
    爆薬の経時変化(エージング)の一つに、感度の上昇(爆発しやすく
    なる)がありますが、結果として威力(爆轟速度)が下がるのかしら?

    こういったことから調べていくのも、疑問を解決する手段の一つだと
    思います。
    ある

  5. 跳ね返すとかいう記述は、成型炸薬から生成された高速金属流が装甲から弾かれる
    のではなく、「HEAT弾頭そのもの」が跳ね返ったと見るべきではと。

    これは前も回答したことがあると思うのだけど、昔のHEAT弾頭の先端形は現在の弾
    頭がことごとく踏襲しているスパイクノーズ形状ではなく、小銃弾等の形状に近い
    ラウンドノーズ形状を成しています。

    このラウンドノーズ形状はある程度以上の撃角で衝突すると、弾頭自体が弾道を偏
    向され、信管が作動しても有効打を与えにくいことが往々にしてありました。

    ところで…TNTは腹が立つくらい安定しているシロモンですよ。
    sorya

  6. >このラウンドノーズ形状はある程度以上の撃角で衝突すると、弾頭自体が弾道を偏
    向され、信管が作動しても有効打を与えにくいことが往々にしてありました。

    なるほど。ラウンドノーズもさることながら、当時のこの手の弾頭は、現在のような、ピエゾ素子を使った弾頭信管(起爆は弾底だけど)ではなかった(ですよね?)ので、着弾時に炸薬の起爆に時間がかかって、弾頭が偏向してから、起爆することが多々あったということかな・・・。

    >ところで…TNTは腹が立つくらい安定しているシロモンですよ。
    私もそういう認識だったんで、妙な話だなと思っていました。
    ある

  7. >4〜6
    > M9A1 2.36in Rocket Launcher
     M1の改良型(前後に2分割して運べるようになっている)の一つですね。
     ま、どっちにしろ弾頭は同じもののはずなので、T34/85には太刀打ちできなかったのでしょう。

    > 昔のHEAT弾頭の先端形は現在の弾
    > 頭がことごとく踏襲しているスパイクノーズ形状ではなく、小銃弾等の形状に近い
    > ラウンドノーズ形状を成しています。
     M1の初期の2.36インチ弾頭は先端が尖った形状でしたが、後部の飛行安定フィンが変形しやすかったらしく改良が加えられ、その改良弾頭は丸い先端形状となりました。
     soryaさんのレスを見ると、この改良弾頭がかえって装甲に当たって偏向しやすかったということになりますかね。
    ブラック・タロン

  8. 弾頭自体が偏向しちゃった理由として、信管の動作時間の長さもあったんじゃない
    かな?と思う。

    これはあくまでも記憶を頼りにした話だけど、発射後AIM にならずに、衝突後AIM
    そして起爆という手順を踏んでいたはず。昔見た米国の教範で見た機構図だけど。

    多分に、発射時の加速度が足りないが故に、動作的に不安定な発射衝撃による信管
    作動をやめたんでは?なんて思う。(間違ってたらごめんして)
    sorya

  9. >5.TNT〜
    HEAT炸薬は、TNTでしたっけ?  2.36インチ=WWIIの頃でしたら”ペントライト爆薬”、
    3.5インチの頃は”Comp.B爆薬”に移り変わりつつある時期ではないでしょうか。
    どちらにしても、自然分解し難い非常に安定した爆薬ですので、経年劣化の件は怪しい。ゴメンです。
    寒さは、無視出来ない様です。 最下段のHP参照。

    >8.信管と弾頭形状の件
    3.5インチも、初期のM28ロケット弾は、まだ2.36インチ用M6ロケット弾と同じ 
    ラウンドノーズ形状&M6と同じ M401系慣性式弾底信管です。(砲弾とちがって遠心式でない)
    ロケットは、遠心力の他に発射時加速力も弱いので、安全解除の為の慣性体が設計通りスラスト方向に作動せず、
    AIMタイミングが安定しなかったんでしょう。 3.5インチ後期のM35ロケット弾は、先端ピエゾ信管を採用しています。

    *英語のHPですが、下記2件を読んでいくと、2.36インチが独重戦車及びT34に対して、
    ギリギリの性能だった事がわかります。

      http://rt66.com/~korteng/SmallArms/bazooka.htm
       仕様項目中、M7A1は、HEAT弾ではなく、演習弾のはずです。 誤記?

      http://www.ukans.edu/~ibetext/korean-war-l/20000301/msg00017.html
     信管が、腐食していたり、凍結して作動しなかった様な事が書いてあります。

    〜?誉

  10. M1 バズーガでヤクトティーガーを撃破したというのは「丸」の記事に出ていた話だったのですが(吹っ飛んでベロンベロンになった残骸の写真つき)・・・ガセなんでしょうか?
    ささき

  11. 質問者です。
    数々のご回答、ありがとうございます。まず、「跳ね返された」についてですが、「通用しなかった」にするべきでした。おそらく実戦においては弾頭の問題と、装甲をHEATが貫けなかったの両方があったと思います。

    そしていわゆる「T−34ショック」については、
    1、北の奇襲を受けたので、ヨーロッパ戦線では「戦車と戦うにはこっちも戦車と対戦車砲とバズーカとなにより空中支援」という図式があまり成立せず「バズーカだけで戦車と戦う」という状況が多くなった(米軍上層部は「北」の攻撃を知っていたということも考えられる>萩原遼 著 朝鮮戦争より)
    2、ヨーロッパではバズーカで歯が立たない戦車の比率が少なかったが朝鮮では敵戦車が殆どT−34だった
    3、1,2両方の理由により「バズーカが通用しないぞ!!」という場面が多くなった
    と思いますが、いかがでしょうか?

    ウーフー

  12. 10>
    ヤークトタイガーの側面装甲は、上部が80mmで65°(直立が90°として)
    下部が、80mmで90°の平面の装甲鋼板で構成されてますんで、真横近い
    角度から程よい距離(装甲の傾斜と合う落角が得られる距離)で、当て
    られれば、貫ける可能性は、十分にあります。
    だから、ガセと決め付けることはできないと思います。
    ただ、その条件をそろえるのは、非常に難しい。よって、必ずしも有効な
    兵器ではなかったと。

    11>
    そう考えると、なんとなく納得がいきますね。ただ、真相は神のみぞ知るかな・・・。
    ある


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