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1492 対艦誘導弾について質問します。
対艦誘導弾はシースキミング型にせよ、高空巡航型にせよ、大気圏内飛行型しかない様に見えます。しかし現在、短・中距離弾道弾でも終末誘導を持つものならばCEP30mに達しており十分対艦攻撃に使用可能ではないかと思うのです。
飛翔時間も短く、洋上哨戒機又は海洋監視衛星からのデータで適当に発射すれば
あとは終末誘導(画像・ミリ波・レーダー発信源追尾など)で鉛直方向から突入、
CIWSに対処の時間無し、運動エネルギー大で大型空母でも轟沈・・・と
妄想を膨らますのですが、こういったものの実戦配備例はあるのでしょうか?
無いのであれば問題点は何なのでしょうか?
御回答宜しくお願い致します。
タイ駐在員

  1. 弾道弾はその名の通り放物線を描いて飛ぶ兵器ですから、発射点から標的までの弾道経路とそれに必要な飛行条件を算定してプログラムする必要があります。一旦プログラムが完了すれば「その地点」への到達率は極めて高いとしても、20 ノット以上の速度で不規則に動き回る機動目標を狙うのには不向きなのではないでしょうか。
    ささき

  2. 自分も以前同じ様なことを考えたのですが、やはり難しいんではないでしょうか。
    以下にパッと思いつく理由を挙げてみました。

    ・ミサイル自体が大型化し且つ弾頭重量が大きくできない。
    ・高速による空力加熱により光学センサが使い難い。(XASM-3では苦労してます)
    ・高速で高空を飛翔しするため、レーダー・赤外線等に発射後すぐに探知される。
    ・事実上、目標をロストした場合の再攻撃や再捜索が不可能。
    ・開発・生産コストが高い割には効果は?(核を使うならば元がとれるか。。)

    可能性としては揚陸作戦などで相手があまり動かない目標を地上から攻撃する
    といった場合等が考えられますが、その場合でもSSM-1(改)の方がコスト
    パフォーマンスが遥かに高いような気がします。

    AP1

  3. 核ミサイルの発射と誤認され、最悪の場合、核保有国による核攻撃を受ける危険はないでしょうか。
    でもアイデアとしてはなかなか興味深いですね。

    SAW

  4.  詳しい事は良く判らないのですが、旧ソ連で「SSNX-13」という潜水艦発射対艦弾道弾があり、(戦略兵器制限交渉に引っかかる)ヤンキー級に搭載するつもりだったと記憶します。が、試作(?)で終わったようですね。

     やはり、移動目標への終末誘導が問題だったんでしょうか。

     それと、いささか逆説的になりますが、現状ではSEPが数十m程度の弾道弾を自力で開発可能な国は事実上米国だけですから、「相手がいない」という事も考慮する必要があるかと思います。「もし」ソ連という国が存続していて、冷戦構造が継続していたならば、そのようなミサイルがあったとも思いますが。どうでしょう?
    tackow

  5. SEP→CEPでしたね。
    tackow

  6.  CEP数十mでは動くフネを狙えないじゃん。公算射撃でもしますか?
     核弾頭使うなら別ですけど・・・。
    SUDO

  7. ↑ 30m圏内に慣性誘導で投げ込んで、その後何らかの終末誘導で直撃、ってことを質問者の方はおっしゃってるのでは?

    ところで。
    2.で「ロストした場合の再攻撃」とありますが、もし外れた場合にそのままUターンしてもう一度突入を試みるようなプログラムがしてあったりするのでしょうか?
    Revi

  8. >7
     ああ、なるほど、別途終末誘導させるんですね。
     難しそうですがそれは一つの手でしょうね。

     ちなみに、全ての対艦ミサイルでは有りませんが、例えばハープーンは一度ロストすると再捜索し、二度目のロストで自爆だったと思います。
    (うろ覚えなので正確では有りませんが・・・)
    SUDO

  9. >Revi様
    ASM-2においても終末誘導時に目標を補足出来ない場合は旋回捜索を実施し、
    捉えられない場合は一定時間経過後に自爆するようになってます。
    http://jda-clearing.jda.go.jp/kunrei/i_fd/iz1993p1013.html
    AP1

  10. 今更ですが。
    R27K/4K-18(SS-NX-13)
    衛星からの(?)指令誘導+終末A(?)RH、射程370(540)浬、終末機動能力30哩。潜水艦発射戦術弾道弾、ゴルフ級SSGで試験するも実戦配備に至らず。とポルマー先生や大塚先生の本に書いてありました。
    tackow

  11. 皆様御回答有難う御座います。
    皆さんの御回答を読みながら再度考えをまとめてみました。

    ささき様⇒射程500qの短距離弾道弾の場合、発射から着弾まで約5分程度です。20ノットでも5分では3.1qしか進めません。終末機動能力次第ですが
    十分追従可能ではないかと考えました。

    AP1様
    ・ミサイルのサイズについて⇒現在配備されている地対艦誘導弾は大型トレーラーに搭載されている物が多いですが、短距離弾道弾も同様です。特に運用上問題になる事は無いと思います。弾頭につきましても通常の対艦誘導弾が150〜300s程度(旧ソ連のゲテモノは1000sぐらいありますが・・・)ですので、短距離弾道弾の標準サイズ500sの方がむしろ大きいです。
    また、質問にも書きましたがマッハ5の衝撃エネルギーはかなり効果的ではないでしょうか?
    ・光学センサ耐久性⇒それはありそうですね。気が付きませんでした。
    ・発射の非探知性⇒発射は探知されても弾道追尾は困難では?
    ・失探対策⇒確かに無理ですね。
    ・費用対効果比⇒他の対艦攻撃手段との比較をすると確かに難しい判断ですね。
            しかし航空機+誘導弾、潜水艦+誘導弾 等々と比較すると
            それほど損な取引ではないような気もします。

    SAW様⇒核発射と誤認される可能性は確かにありますね・・・。
         多分に政治的な判断を必要とされる(使いずらい)兵器にはなりそうです。
    tackow様⇒確かにアメリカ以外でこれらの技術・動機を持つのは旧ソ連ぐらいですね。開発まではしていたのが分かりなんだか嬉しいです。
    ダメだったのは資金か、終末誘導精度か、設計局間の派閥抗争か、興味は尽きません。

    短時間の間に多数の回答を頂き有難う御座いました。


    タイ駐在員

  12. >11
     マッハ5であろうがなんだろうが、炸裂しなくちゃ何の意味も無いですがな・・・。
     弾頭の運動エネルギーは船内奥深くに弾頭を送り込むための手段であり、運動エネルギー自体が齎す破壊効果なんてのは微々たる物です。マッハ5で500kgが当たって大型空母がどうにかなるのなら、サマール沖海戦は開始十分で護衛空母全滅で終わったでしょう。

     勿論大きく重たいものが高速で当たる事による破壊効果は決して無視できるものではありませんが。弾頭の突入でブロックが一つか二つ破壊されるだけの事、弾頭炸裂による破壊と比べられるほどのもにはならないと思います。

     それにマッハ5とはAPFSDS並ですよね。弾頭の構造とか仕組みがそもそも難しいと言うか・・・。そんな速度で突っ込んで弾頭壊れちゃいませんか? もしかしたら「すだま」? そうでなくても遅動かけたら対象次第ではサマール沖海戦の二の舞で、遅延無しならその強大な運動エネルギーは事実上無意味です。なんか技術的なハードルが高い割にはイマイチ魅力が無いような・・・。
    SUDO

  13. アメリカがディープスロートの試験をしたら、船体をつき抜いてしまいました。
    ダメコン無理っす(笑)

    sorya

  14. ひとつお聞きしたいのですが、どのミサイルを「標準的な最近のSRBM」と
    お考えでしょうか? 
    複数あげていただいても良いのですが。
    露西亜艦まにあ

  15. >12
    SS-NX-13は核弾頭前提のようですね。なんぼなんでも当時の技術では弾道弾で直撃→轟沈はムシが良すぎると思います(笑)
    tackow

  16. 皆様のお考えを伺い考えが深まります。刺激的です。

    SUDO様
    弾頭の着弾時破壊までは考えが及びませんでした。
    着発では確かに(弾頭構造材がよっぽど大きくなければ)運動エネルギーを生かせませんね。遅動ではすっぽ抜け・・・。いっそのことクラスタ化して(運動エネルギは捨てて)遅動信管にするぐらいが適当でしょうか。これならCEP30mでも
    直撃狙えそうですし。

    sorya様
    ディープスロートは対艦攻撃試験までしていたんですか?地下構造物専用だと思っていました。それとも衝撃カウント信管の試験に船がちょうど良いって事でしょうか?

    露西亜艦まにあ様
    標準的ではないのですが、この質問をした時は以下の弾道弾が念頭にありました。
    @ロシアSS−X−26 射程400q 弾頭重量480s CEP30m
     誘導方式GSP アクティブレーダー終末誘導
    AロシアSS23 射程500q以上 弾頭重量450s CEP30m
     誘導方式 慣性 アクティブレーダー終末誘導
    BフランスHADES 射程480q 弾頭重量不明 CEP5m(真偽不明)
     誘導方式 慣性 GPS 画像照合終末誘導

    tackow様
    命中精度の低さは核でカバーという事ですね。
    現在でも弾道弾の誘導技術は難しいものみたいですから、まして当時のソ連では・・・。それだけ米空母機動部隊殲滅に執念を燃やしていたんですね。
    (ソ連対艦巡航ミサイルも核弾頭型が多いですし。)


    タイ駐在員

  17. やはりスパイダーでしたか。
    ところで、お書きになった要目には肝心な情報が抜けています。
    1.SS-26 スパイダーB 発射重量3.8トン
    2.SS-23 スパイダー 発射重量4.7トン
    3.ハーデス 発射重量1.85トン
    スパイダーBはスパイダーのスペックダウン版ですので、不明なデータの
    多いハーデスを除くと一系列しか残らないのですが・・・。
    とにかく、ご覧の通りの重量ですから、対艦誘導弾との弾頭重量比較の際、
    旧ソ連のゲテモノ呼ばわりして除外してしまった大型対艦巡航ミサイルと
    同大なわけです。
    弾頭重量150〜300kgというのは、エグゾゼやハープーンあたりのデータ、
    つまり発射重量600〜900kg級のミサイルですから、比較の際の取捨選択が
    恣意的過ぎるのではないでしょうか?
    露西亜艦まにあ

  18. 難しいというか、無理だとは思いますが・・・・。
    目標を空母とかに限定しないのなら、設問にもある艦載レーダーを狙う弾道弾というのも有りかなと思うのですがどうでしょうか?
    発射プラットホームは限られると思いますが、ASATよろしく空中発射型にすればプロペラントが減る分弾頭重量も稼げると思いますし、誘導方式も初期プログラム、終末複合シーカー(アクティブ&パッシブレーダー)とすれば、当たりそうな気がするのですが・・・(汗)。
    弾頭は材質が柔らかく潰れ易い構造体とか、
    終末誘導の複合シーカーは幾つかモードがあって、例えば最優先目標をイージス艦(相当)とした場合にはアクティブシーカーで捕らえた目標の内、その中で最も強いレーダー発振をしている艦をロックするとか、最優先目標をRCSの最も強い艦に設定して放てば、空母を要する艦隊なら必然的に空母にロックされる(空母を擁しない艦隊では揚陸艦とかのその艦隊で最もRCS値の高い艦にロックされる)のではないかな??
    空母の場合、甲板に大穴を空ける事ができればかなり長時間において作戦行動能力を削ぐことが出来ると思うし、終末誘導モード(終末誘導時の軌道修正はLOSAT宜しくアポジモーターになるのかな)で、「最もRCSが高い艦のレーダー発信源を狙う」というモードにすれば空母の対空レーダー/マストに直撃、つまり対空レーダーが設置されている艦橋にも被害が及ぶのでは?と勝手に想像してしまいます(笑)。
    507

  19. 個人的なことなのでゴミレスになるのかも知れませんが…。

    私はそのミサイルの存在をいままで知らなかったのですが、
    同様の発想の弾道対艦ミサイルを自作の架空戦記で登場させる予定でした。
    戦艦の主砲弾の延長線上といえる発想で、総重量10t超の大型ミサイル、
    主目的は空母や戦艦(この世界では一応大艦巨砲主義が生き残っている)で、
    大落角弾(ほぼ垂直降下!)で水平装甲をぶち破る、という設定です。
    誘導方式は、最初は慣性誘導、目標近辺200Km前後からは、
    後方のAWACS機ないし偵察機から指向性があるレーダー波を発射し、
    最も強い反射目標を追跡するという設定にしていました。
    (つまりスパローなどの誘導方式。艦船発射、母機誘導だが)

    このようなミサイルが成立するかどうかはわかりませんが(完全に架空ですから)、
    一応参考までに。
    zono


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