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1529 またもやマンガネタで申し訳ありません。
かわぐちかいじ「ジパング」5巻において「みらい」が発射したミサイルを
米国のNACAにおいて解析中という記述がありますが電子顕微鏡がこの当時
あったかどうかはわかりませんが真空管はあってもトランジスターさえ無い時代
に統合型MPUなんかのセンサー部分の解析など可能なのでしょうか・・・。
私にはそういう電子部品の役割はわかったとしても製造方法や詳しい構造は
解らないと思うのですが。
タ弾のひとりごと

  1. 解析して何を知るかということにもよるが、LSI等の電子部品内部のアルゴリズムを解析するというのであれば、その電子部品の入力部に特定の電気信号を入れて、どの端子から出力されるか、どのような信号に変換されるか、といったことを調べて、そのデータから凡そのアルゴリズム構造を推定する方法がある(いわゆるリバース・エンジニアリングの一つ)。
    コンピュータは特定の機能を達成するために最も効率的なアルゴリズム、数学的処理方法を用いるものなので、こうした信号変換、出入力の状況から大体、この手法のアルゴリズムを使っているな、と専門家が見たらわかるわけ。
    ただ、アルゴリズムに関するテクニックもコンピュータの発達と共に進展してきたわけで、第二次大戦中にこれやるには全国の大学から優秀な数学者を総動員して長時間かけないと難しいだろうな。戦後のアメリカでフィールズ賞(ノーベル賞の数学版)貰う数学者が多数輩出されるのだろうけど。
    アリエフ

  2. 電子顕微鏡でなくとも光学顕微鏡で集積回路基板の回路パターン見ることはできるのではないかな?集積度にもよるが。
    ただ当時の研究者が、基板上の模様のように見えるものが電子回路であることに気づき、そして一つ一つの回路がどんな機能を担っているか解析できるか?が問題。
    そしてショックレーによるトランジスタ効果の発見・発明以前だから、この小さな電子回路の中にトランジスタが入っていると気づくのは、かなり難しいのではなかろうか、と思えます。でも、わかっちゃったらショックレーがノーベル賞貰えなくなるよね。
    アリエフ

  3. アリエフさん回答ありがとうございます。
    なるほど解析は非常に難しいが可能ではあるということですか。全国から数学者
    を集めるのならそれ相応の研究施設とか必要になりますねそういった施設に対して
    攻撃を行えば運が良ければ敵の優秀な頭脳を奪うことができますね・・・。
    タ弾のひとりごと

  4.  アリエフさんのおっしゃる解析手法でも、MPUとかになるとまず無理でしょう。

     MPUでは内部のレジスタ等の状態によって入力信号に対する応答が変わりますし、それ以前にどれが入力ピンでどれが出力ピンかを調べるのも難しいでしょう。
     それがわかったとして、次は電圧の大小を二進数と考えて数字やコマンドを表現する、ということに気付くかどうか、と言う問題があります。
     それに気付いたとして、今度は動作周波数に追随して信号を入力できる信号源が必要ですが、アナログのレーダーがやっとできてきた時代に(劇中の電子部品がどの程度のスピードかわかりませんが例えば)100Mhzオーダーのデジタル入出力を扱える機器はありません。

     物理解析に関しても、確かに光学顕微鏡でもICチップの上の方の配線は見えます。しかし現在のアルミ4層とかの多層配線になってくると、下の方の層は上の層に隠されてまず見えません。
     上の層を弗化水素酸などの薬品やドライエッチングなどの装置類を駆使して剥がせば下も見られますが、破壊検査なので元の動作する状態に戻せません。それに上の層だけ剥がす、というのは詳しい構造が判っていても非常に困難です。(そう言う仕事してたのよ)
     それ以前にICのチップが見える状態にするまでが大変ですね。むき出しになってるものもありますが、メモリやら汎用のロジックICなんかは黒いプラスチックで固めてありますしね。

     ちなみに電子顕微鏡は1930年代に発明されています。しかし当時は資料をスライスして調べる透過型が主で、あまりICなどの構造解析には向きません。走査型電子顕微鏡も表面形状はよくわかりますが、内部構造を知るにはやはり破壊検査が必要です。恐らく解像度も足りないでしょう。
    http://www.u-gakugei.ac.jp/~mayama/diatoms/EM-history.htm

     そういうわけで、できるとしても例えば「前に熱源を置くと、そっちに舵を切りますね」とか(壊れたハープーンじゃ無理か)、おおざっぱな機能ブロックで「これがセンサーでこの辺が制御部でこれが駆動部でしょう」程度だと思います。要するにシステムとしての機能解析はできても、部品レベルでの解析は不可能だろうと言うことです。
    石垣

  5. 石垣さん回答ありがとうございます。
    現代の技術によって作られた集積回路は当時の技術力では完全なオーバーテクノロジーなのですね。マンガを見て疑問に思っていたことが判明し納得がいきました。
    ほんとうにありがとうございます。
    タ弾のひとりごと

  6. うーん・・・俺はかわぐちかいじはエンターティナーだと思っているのだが・・・
    最近の人はモルデカイ・ロシュワルトなんぞ読まないのかなあ?
    (あっサンリオも早川も絶版か・・・)
    strafe


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