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1606 みなさま、他の部分での勘違いや誤りの訂正やフォローありがとうございます。
さて、ちょっと気になっていてお聞きしたいことがございます。

関東大震災の際、歩兵57連隊が警備のため東京に派遣されましたが途中で実包を持ってくるように連絡があり騎兵旅団で入手しようとしたところ弾が違ったそうです。おなじ6.5mm弾のはずですので都市伝説みたいなものと思っていましたが、津野瀬氏の著作のなかで三十年式実包のライフリングままだと三八式実包は横転弾になるとかかれていました。
初期の三八式歩兵銃は三十年式の機関部を変えたようなものだそうですからライフリングの切り方(施条が一回転する長さ)が三十年式のままの場合が有ると考えればさきの様なこともあり得たと思われますが、銃身の改正交換はいつ頃終了したのでしょうか?
素人の空耳モード

  1.  あまりにも手元の資料が乏しくてまともなネタが書けないんですが・・・(涙)

     手元の資料によれば、38式歩兵銃のライフリングは当初30年式歩兵銃と同じ6条で、ツイストは30.5口径長1回転(疑問:この30.5口径長とは火砲の砲身長で言う口径【銃腔内径の倍数】と同じ意味? それとも単に30.5インチの意?)だったが、その後4条に変更され、ツイストも35.4口径長1回転と緩めに変更されたそうです。38式実包の制定に合わせて変更されたものと思われますが資料不足です。

     30年式6.5mm実包は卵形弾頭、38式6.5mm実包は尖頭弾頭ですが、双方の弾頭径および弾頭重量については正確な資料が手元にありません。Gun誌別冊Pert5で紹介されている6.5mmX50SR弾の弾頭径は.263(6.68mm)、弾頭重量は139gr(9g)となっていますが、これがオリジナルの30年式or38式実包のものかノルマ社製の弾のものかは不明です。
    ブラック・タロン

  2. レスありがとうございます。手元に佐山二郎氏の小銃拳銃機関銃入門(光人社NF文庫)がありますので少し調べてみました。38式実包のデータを見ますと全量21.0g、装薬2.15g、弾中径6.65mm、弾長32mm、弾重量9gだそうです。明治40年9月16日制式、大正2年2月改正と有りました。制式の時点で30年実包は在庫限りの併用と有ります。
    ライフリングの改正は大正7年(発錆防止)だそうです。
    関東大震災が12年でしたっけ?
    銃身の交換はともかく実包の互換性の方はなんか当てはまらないかもしれませんね。しかし治安任務を考えると銃身に合った弾を用いたいと考えるかも。
    なんかわかりません。
    みなさまどうお考えになりますでしょうか?
    素人の空耳モード

  3. ちよっと、レスが遅れましたが、素人の空耳モード さんも、ブラック・タロンさんも 要点を掴んでいますね。

    30年式、38式 小銃両者の弾丸比較を示します。 両者ともニッケル被甲普通弾です。

                 弾丸重量  弾丸形状     銃口初速            旋条転度
    ・30年式歩兵銃実包   11g  蛋形弾(円頭弾) 約700m/s(騎銃約650)  230mm
    ・38式歩兵銃実包     9g  尖鋭弾      約760m/s(騎銃約700)  200mm
     (年の字付かない)

    38式歩兵銃実包は、威力を増す為、30年式に較べて「弾丸重量を軽量化し、その分、初速UP」を させました。
     (弾丸重量を増加させ、初速はややDOWNの方法で威力UPを狙うと、射撃反動が強くなりますので、日本人の体格的な事や、
      命中精度低下の問題がでます。)

    そして、この頃の各国の6.5mm弾丸は「弾丸径の割に弾頭長が長め」&「尖鋭弾とした」為、横弾になり易い物でした。
    その為、小銃弾としては、きつめの旋条転度を採用しています。(弾丸旋転数を上げた。) 
    又、弾丸緊塞度も異なるでしょう。

    *私の資料では、・30年式の旋条転度は、モーゼル98の真似である、おおよそ230mm(35.4口径長)。
     弾丸変更した、・38式の 旋条転度は、・30年式よりキツメの200mm(30.5口径長)。
     となっており、ブラック・タロンさんの資料とは、逆の値ですね。

     現在米国で出版されている、カートリッジデータ・ハンドブックにても、6.5mmX50SRの適正ツイストは、
     7.9インチと表記されています。

    どちらにしても、・30年式歩兵銃実包と、・38式歩兵銃実包とでは、仕様が異なり、各々適正な銃で発射しないと、
    あさっての方へ飛んで行く場合も起きるという事です。    

    軌跡の発動機?誉

  4. レスありがとうございます。
    やはり可能性としてはライフルの違いによる実包の適合性が可能性としてあったと考えて良いわけですね。
    時期的には新銃身が配備途上だったわけですから部隊がちがうと(騎兵旅団は管理上は第1師団か近衛師団だかどちらかの元に有ったと思いますが編制上は師団騎兵でなく独立したものでしょうから同じ県内の歩兵連隊と交換時期がずれてもおかしくないでしょうし)交換時期もずれていた可能性が有ると言うことですね。
    銃身の更新時期のタイムスケジュールでもわかればはっきりするのでしょうが、単なる伝説でなく実際に可能性として有ったかもしれないというだけでも収穫でした。
    ありがとうございました。

    追伸(訂正)
    質問文中の津野瀬氏の著作云々ですが、よく考えますと
    長距離射撃用の重量弾を38式用に作ったところ横転弾が〜のような文章でした。もしかしたら30年式38式実包の事を言っていない可能性も有ります。
    (たぶん、「幻の自動小銃」あたりだと思いますが資料が埋没中ですので。氏自体活躍が昭和ですので30年式にかんしてすこし?な文が有りましたので誤記の可能性も皆無でないかもしれません)

    素人の空耳モード


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