湾岸戦争においてＶ２の末裔といえるスカッド・ミサイルがパトリオット防空システムによって迎撃・撃墜された事はご存知ですか？
ささき

湾岸戦争で使われたイラクの弾道ミサイルは、命中精度が悪かったため、迎撃が困難だったみたいなことを聞きましたが、もっと精度が悪い（と思う）V2は、更に迎撃が困難と言うことはないでしょうか？
ウリ

スカッド自体がＶ２コピーのＲ１から発展したものですから射程や弾等重量
は似ています。
弾体のサイズはＶ２の方が一回り大型ですからＲＣＳはこちらの方が
大きく容易に探知出来そうです。
弾道プロファイルは分かりませんが大気圏突入時の速度は似通っている
はずですから（射程が同等ですので）ここでも迎撃難易度に影響は無いはず
です。
ＣＥＰの良し悪しが迎撃難易度に影響するとは思えません。
（パトリオットの迎撃可能範囲内から外れるほどＣＥＰが悪ければ別ですが）
湾岸戦争時のスカッド（及びアル・フセイン、アル・アッバス）については
製造技術が低く（もしくは無理な軽量化が祟って）飛翔中に空中分解する
事があった為に命中確立が低下した事はあったようです。
Ｖ２について空中分解があったかは知りませんので何とも言えませんが
特にスカッドよりも迎撃困難という特性は見られないように思います。
タイ駐在員

問題は弾道ミサイルのコースを迅速かつ確実に探知し対空ミサイルを正確に誘導できるかであって、弾道ミサイルの命中精度が高いか低いかは余り関係ありません。
湾岸戦争でイスラエルが使用したパトリオットＰＡＣ２でも打ちもらしたスカッドはあるわけだし、このミサイルが爆風・破片効果によって破壊する方式だったため、ミサイルの弾頭を完全に破壊できず爆発しないものの地上に弾頭の大部分が落下してしまうという問題があったそうです。
最新型のＰＡＣ３はより探知性能の向上を図ると共に、弾道ミサイルに体当たりで破壊するような方式を用いています。
また、米国の最新の弾道弾迎撃ミサイルはスカッドよりも相当性能の高いミニットマン・ＩＣＢＭを相手に実験中だとか。最新ニュースによると弾道ミサイルの上昇段階での迎撃に成功したとのことであり、これだけの性能であればＶ２をほぼ確実に迎撃できるでしょう。最も、こうした迎撃が成功するのもミサイルだけでなく各種レーダーを用いた探知・管制誘導システム全体の機能・性能によるわけです。
アリエフ