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1795 BARは立ち撃ちを考慮した設計だと言われていますが
ライフル弾を550発/分という発射速度で撃ってコントロール
出来る物なのでしょうか?
バイポッド付きと無しがありますが相違点などはあるのでしょうか?
よろしくお願いします。
スミス夫人

  1. ブローニングM1918オートマチックライフル、通称BARは両世界大戦で軽機関銃(分隊支援火器?)のような使い方をされましたが、名前の示すとおり、「オートマチックライフル(自動小銃)」で、本来の開発目的は第一次世界大戦中に砲撃終了後の攻撃前進用携帯火器で、その時の使用法が一列横隊で歩行前進しながら肩付け射撃を行うこととが目的でした。
    つまり、開発当初は通常のライフル射撃の要領で使用することが前提で、「適宜フルオート射撃の出来るライフル」として設計されていたわけで、『立ち撃ちを考慮した』といった程度のものではなく、歩きながらフルオートで立射するつもりだったのです。
    ですが、たとえ当時の小銃の約二倍の重量であっても、全自動射撃時には目的どおりにそうやすやすとコントロールできるものではなく、そういった使用法ができる局面もなかったため、射撃時の安定を目的にバイポットが装備されますが、これも伸縮式の使いにくいものであまり実用的ではありませんでした。

    BARの各型は以下のとおりです。
    初期モデルM1918(俗に第一次世界大戦モデル)はバイポットがなく、その後バイポット装備を装備したM1922(M1918A1)があります、また、その使用法から単発射撃機能を捨て、毎分550発の急射と毎分350発の緩射の切り替えとなり、フォアエンド前部にあったバイポットを銃口部に移動させ、製造工程の簡略化やリアサイト、ショルダパッドなど大規模な改修を加えたM1940(M1918A2/第二次世界大戦型)があります。

    軽機関銃としてみた場合、銃身交換が出来ないこと、弾倉が20連発のみであるなど、中途半端さは否めないのですが、特に第二次世界大戦中は、標準の小銃のM1ガランド小銃が半自動式であったことから、軽機関銃が不備であっても他国軍に比べて強力な弾幕を形成できることなどにより、米軍は終戦まで本格的な軽機関銃を開発せずに終わってしまうのです。

    12yo

  2. 回答ありがとうございます。
    毎分550発の急射と毎分350発の緩射の切り替えというのは
    立ち撃ちのときは毎分350発で、バイポッド使用時は毎分550発
    という使い分けでいいんでしょうか?

    スミス夫人

  3. 実際問題として、一般的な棒立ちの立射姿勢で射撃することはなかったようですが、射撃時の安定性や指切りで三点射ができること、M1ガラントの連射速度などから、緩射の方を多様したようです。
    もし可能でしたら、映画やTVムービー等の映像化された欧州戦線におけるBAR射撃シーンを見ると、このあたりの感じがおわかりいただけると思います。

    12yo

  4. 12yo さんの見事な解説に蛇足。
    米陸軍に於けるこの銃の運用位置付けは、”Standard squad automatic weapon”
    且つ、”Individual shoulder weapon”でもあります。(肩付けのままフルオート射撃はキツイですが!)
    けっして、軽機関銃のつもりはありません。 しかし米軍は各種タイプにて、単・連射機能を変更したり、
    2脚(Bipod)、消炎器(Flash Hider )、床尾上板(Butt Strap:Shoulder Rest)、
    M1919 Cal.30 マシンガン同様の遠距離リアサイト等を付けたりと、軽機関銃的摸索をしているのが感じられます。

    又、一般に(専門書でも)、”Automatic Rifle”を和訳すると「自動小銃」としていますが、これは正確ではありません。
     ”SemiAutomatic Rifle”→「自動小銃」単射のみの自動装填小銃。
     ”Automatic Rifle”  →「機関小銃」フルオート射撃が可能な自動小銃の事。
     が適切な和訳です。

    よって、本件の”BAR”や、”FALオリジナル” ”G3” ”M14” 等は、正確には ”Automatic Rifle”→「機関小銃」と言います。

    軌跡の発動機?誉

  5. 軌跡の発動機?誉さま
    補足ありがとうございます。
    ぼくは、「機関小銃」は使ってよいものかどうか、迷っているので、一般的な「自動小銃」を用いるようにしています。
    故、上記書き込みもそれに倣っております。
    ただ、戦前の資料を見ると「ブロウニング機関小銃1918型」の記述が有りますので、旧軍周辺では一般的だったのかもしれません。

    #サブマシンガンにしても、「自動短銃」「機関短銃」「短機関銃」「機関拳銃」など、メディアや団体によって、好き勝手に呼称しているようですし、このあたりの用語統一をしっかりとしてもらいたいとおもうんです

    12yo

  6. 12yoさん、軌跡の発動機?誉さん回答ありがとうございました。
    大変参考になりました。
    スミス夫人

  7. >5.#サブマシンガンにしても、「自動短銃」「機関短銃」「短機関銃」「機関拳銃」など〜用語統一をしっかりと

    12yoさん程の知識をお持ちの方に補足を付けるのは、釈迦に説法かもしれませんが、正確に言えば、
    前者3品目・まとめて「短機関銃」と 後者1品目すなわち「機関けん銃(けん:ひらがな)」は、別物であります。
    サブマシンガン=短機関銃 と マシンピストル=機関けん銃、このカテゴリーの違いに関しては、
    何度かこのAnsQで私が回答していますので、過去のAnsQを探して見て下さい。

    と言っても、ほとんどのガンマニアさん達は??でしょう。 「マシンピストル」の言葉も、
    ドイツでの短機関銃の呼び名の事。同じ物だ!! とお考えでしょう。

    さて、別の視点から見てみる事も大切です。 たまには、法律の本も勉強しましょう。
    極東某国の武器製造法施行規則(昭和29年施行)の 第2条だか第4条あたりだったかを見てください。
    この法律上の「武器」の定義がされています。  機関けん銃は・・・・・けん銃の類なんですよ!!  

    以上 BARの話題より大脱線&爆弾発言、失礼しました。
    〜?誉

  8. >この法律上の「武器」の定義がされています。  機関けん銃は・・・・・けん銃の類

     それで「機関短銃」という語が廃れたという可能性もありますね。
     ちょっと六法全書めくってきます。
    居眠り将軍

  9. 〜?誉さま
    ぼくは、実のところ、日本語が多少不自由なもので、このあたりの詳しいことが理解できていないことがあるのですよ。
    サブマシンガンとマシンピストル(英米語)の違いだったのですね。
    勉強になります、ありがとうございます。

    12yo


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